こんにちは。
今日は曇り気味で、夜は雨になりました。
昨日の今日なので、よほど寒くなるだろう・・
と構えていたのですが、意外とそれ程でもなく、、、
難しい、、ほんと難しい、、。
ではシングルモンクに戻りますね。
ここまでラスト73とラスト173の「WESTBURY」を見てきました。
(①〜⑤の五回シリーズ(!??)です。)
1970年の誕生から現在まで、途中ラストの変更がありつつも作り続けられている名作ですね!
今回も往年の名作、
そして今なお作り続けられているロングセラーモデルです!
Church's BECKET
「BECKET」もラスト73の時代からあるチャーチの主力看板モデルです。
シングルモンクについて書き始めた時に触れましたが、
「英国ではブラックのシングルモンクストラップシューズはフォーマルとみなされ、オフィス用スーツとも合わせられる」
という位置づけだそうです。
チャーチが昔から定番ドレスシューズとして「CONSUL」や「DIPLOMAT」等と並んで「BECKET」や「WESTBURY」を揃えていた意味はそういう事なのかもしれませんね!!?
今回取り上げる「BECKET」は現行ラスト173のものです。
ラスト173については、「WESTBURY」の時にも書きました。
2003年に誕生した現代的なラストで、少し長めのノーズがスマートな印象です。
ラスト73譲りの少しボリューム感のあるスクエア気味のラウンドトゥがチャーチの顔ですね!
では同じラスト173で、同じくシングルモンクである「WESTBURY」と、
一体何処が違うのか?
羽根
「BECKET」を横から見ると、クォーターの革の切り返しがありますね。
その前方はダービー(外羽根)シューズの羽根と同じような形になっています。
つまり、「BECKET」のベースとなる構造はダービーと同じで、これまで見てきたクラシックなシングルモンクと同じです。
この点、「WESTBURY」のベースとなる構造はスリッポンと同じで、ウェストをベルトで締めるようなデザインでしたね。
両靴の基本構造の違いから考えれば、「BECKET」の方がよりクラシックでしょうか。
逆に「WESTBURY」は個性的で、新しいタイプなのかもしれませんね。
「BECKET」の話に戻ります。
クラシックなシングルモンクのデザインを踏襲しているので、一見するとベーシックな普通のシングルモンクのように見えますよね。
確かにそうなのですが、
その中で少しチャーチらしさと言いますか、僅かな個性が感じられます。
トゥ
まずはラスト173のところでも書いたトゥシェイプです。
ラスト73から受け継がれた少しボリューム感のあるスクエア気味のラウンドトゥは、もはやチャーチの顔と言っても良いのではないでしょうか。
それはスマートさ、シャープさ、エレガンスとも少し違うように思います。
むしろ逆の方向で、表現が下手でごめんなさいですが、粗野な男っぽい力強さ・逞しさのようなものを秘めているような印象です。
それはチャーチの魅力でもあり、僕がチャーチが好きなポイントでもあります!
ストラップとバックル
羽根の大きさは1ホール分くらいで、コンパクトな羽根です。
そして、前方はVフロントのように斜めに角度が付いていますね。
これらによってヴァンプのスペース配分が大きくなり、ノーズが長く、靴をスマートに見せています。
バックルは小ぶりなスクエア型で、角に丸みもあって上品な印象です。
ストラップの横幅に対して縦幅が短い長方形ですね。
おそらくその影響だと思うのですが、「BECKET」はストラップが長く見えるように思います。
まるで少し長いベルトのように・・・
実際穴が5つ有るので少し長めなのかもしれませんね。
このバランスが僕の個人的ファッション観では少し崩したカッコ良さを感じます。
僕はここにもチャーチらしさを感じます。
クォーター
羽根の付け根からソールへの革のカットラインはややコンパクトなカーブですね。
僕はこのカットラインが気になりました!
この点、例えばTricker'sの「MAYFAIR」はもっと後方へ深くえぐるようなカーブでした。
CROCKETT&JONESの「MALVERN」ももう少し深いカーブでしたね。
さり気なく、華やかに、シングルモンク。 (6) CROCKETT&JONES ① MALVERN - 靴と歩む、僕の...
これも僕の個人的な印象・個人的な感想ですが、
何となく深いカーブの方がクラシックなドレス感を感じます。
また、CROCKETT&JONESの「MONKTON」や「SAVILE」は直線的なデザインでした。
さり気なく、華やかに、シングルモンク。 (10) CROCKETT&JONES MONKTON - 靴と歩む、僕の...
ミニマルでシャープなカットラインはモダンなドレス感がありますね。
これらに対して、「BECKET」は浅いカーブですよね。
カーブを描いているという点ではクラシックな雰囲気がありますが、
深いカーブと比べるとドレス感は控えめな印象がします。
「よりモダンな印象になった」と書いても良いのですが、
敢えて「少しドレスダウンした」と書きたいと思います。
というのは、「BECKET」を眺めていて、あらためて、
チャーチは貴族的なスタイルを目指すのではなく、
都会的な現実スタイル(??)を貫いているのかな?!?!
って思ったので。
それは素材選びや作り、そしてロイヤルワラントを掲げない姿勢からも感じられますね。
むしろ敢えて貴族的なデザインを避けているのかな!??
その意思の強さ、一貫した姿勢が製品にも現れているように思います。
デザインの中に何か芯の強さのようなものが感じられ、実用的な美しさを感じます。
この魅力をどう表現するか人それぞれ違うと思いますが、僕は英国ロック的な強さかな。
話を戻すと、浅いカーブによって無駄の無い引き締まった印象がします。
またクォーターの面積が大きくとられ、安定感のあるどっしりとした印象もしますね。
この引き締まった安定感から強さが感じられ、動的なイメージが膨らみます。
つまりは実用的なイメージですね!
という事で、「BECKET」はクラシックなシングルモンクではありますが、エレガントな中に強さが感じられます。
ちょっとロックなドレスシューズという感じ!!??
おまけ1
「BECKET」はイギリス本国の直営オンラインショップではラインナップされています!
おまけ2
あっ!!??
そういえば、最近『ロイヤル コレクション』が登場しましたね・・・。
価格帯としては『ハンドグレード』を超えてエドワードグリーンの領域ですよね。
チャーチも貴族的なスタイルへ向かうのだろうか・・・。
まずは実物を見てみたいです!(目の保養)
今回はここまでです。
ではでは。