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さり気なく、華やかに、シングルモンク。 (48) JOHN LOBB FOULD ②

 こんにちは。

 今日も晴れました。

 流石に風が冷たくて、寒さを感じました。

 

 ジョンロブのシングルモンク「FOULD」を取り上げています。

JOHN LOBB FOULD

 ジョンロブ(パリ)が既成靴を始めた当初からラインナップにあったモデルとの事で、

 前回は1981年からの変遷をざっと見てきました。

 

 それでは本靴を見ていきましょう!

ラスト8695

 1995年頃に誕生したラストで、

 現在の主力ラスト7000の1つ前の主力ラストです。

 

 7000と比べるとややボリューム感が感じられるでしょうか。

 7000よりも少しノーズが短いので、幅やトゥの丸みが少し大きめなバランスに見えるのかもしれませんね。

 

 この点について、前回も取り上げた『最高級靴読本 Vol.2』の解説を参考にさせて頂きます。


 

 ラストDarbyから始まり、ラスト2466、ラスト8695へと変わってきた訳ですが、

 この流れにはより万人向けのラストへという方向性があるという見方がされています。

 

 平たく言うと、ビスポーク譲りのタイトなラストからコンフォートなラストへという流れでしょうか。

 ただし、コンフォートとは言っても、ゆったりとした、ボリューム感たっぷりの、という訳ではありません。

 あくまでもスマートでエレガントなジョンロブのドレスシューズでなければならないので。

 

 そうした中で、ラスト8695までは特にノーズを伸ばす事はしないでコンフォートなフィットへと変わってきました。

 ですので、8695は比較的丸みが感じられる方だと思います。

 

 その後、ラスト7000はノーズを伸ばす事で細く長い印象を実現しました。

 これによってドレスシューズのスタンダードが変わりましたよね。

 

 スマートなノーズ長のラスト7000が主力となった現在から見ると、ラスト8695はクラシックな感じがします。

 それがまた魅力で、伊勢丹では時折別注で登場していたようです。

 当初は往年のファンの期待に応えるかたちだったのかもしれません。

 ただ、じわじわと新しい世代にも注目されてきているように思います。

 クラシックなスタイル、トラッドなスタイルが人気となってきている流れにも合っていますよね!

 そして近年ではインラインでも目にするようになってきました。

 特にカジュアル感のあるドレスシューズとの相性が良いようで、フルブローグやショートブーツで採用されていますね。

 

 そして、あらためて「FOULD」です。

 シングルモンクはフォーマルとインフォーマルの両方、オックスフォードとダービーの間、という位置づけでしたよね。

 まさにカジュアル感のあるドレスシューズです!

 よって、ラスト8695と相性が良いデザインだと思います!!

 

クォーター

 クォーターの革の切り返しがあり、ダービー(外羽根)をベースにしたシングルモンクです。

 

 羽根のカットラインを見ると、Vフロントのように角度がついています。

 ダービー(外羽根)でもシャープでドレス感のある印象となりますね。

 また、ヴァンプの空間が広くなり、ノーズが長く見えます。

 

 

 横顔も見ておきましょう。

 羽根の付け根からソールへのカットラインは、カーブを描いています。

 クラシカルなドレスシューズの雰囲気が感じられますね。

 

三越伊勢丹オンラインストア

 

ストラップ、バックル

 ストラップの幅は少し太目でしょうか。

 そのため、ややカジュアルな印象にも見えますね。

 

 この感じ、以前取り上げたエドワードグリーンの「ASHBY」の時とよく似ています。(笑)

さり気なく、華やかに、シングルモンク。 (38) EDWARD GREEN ASHBY - 靴と歩む、僕の...

 因みに、エドワードグリーンは後年ここをアップデートしたモデル「CLAPHAM」を誕生させましたね。

さり気なく、華やかに、シングルモンク。 (38) EDWARD GREEN CLAPHAM - 靴と歩む、僕の...

 ラストもスマートな82に変更されています。

 

 「FOULD」の回でしたね。

 やや太めのストラップに対応するバックルは長方形です。

 ストラップの幅に合わせるために長辺が必要だからでしょうか。

 ただし、角に丸みがある細めの金属で、ボリューム感は抑えられています。

 まるでエドワードグリーンのような、極シンプルなデザインですね。

 

後ろ姿

 ヒールは縫い割りで、上端はドッグテイルです。

 上端に施されたダブルステッチはジョンロブの特徴的なディテールですね!

 

 ヒールカップのフォルムは、アウトサイド側の傾斜がやや強いでしょうか。

 

 ヒールリフトの積み上げは、特に高くはなく、幅もヒールカップの膨らみの方がありますね。

 ここもエドワードグリーンと少し似ているような気がします。

 

感想

 近年のジョンロブと比べればかなり控えめな、

 とてもオーソドックスなデザインのシングルモンクですね。

 既成靴をスタートした1981年当時のデザインなのでしょう。

 

 80年代と言えば、ファッション的にはフレンチアイビーブーム、その中でジョンロブは憧れの靴だった、という話がありました。

一番好きなローファージョンロブ“ロペス”のこと | THE RAKE JAPAN | The Modern Voice of Classic Elegance

 そして、僕の個人的な感覚ですが、

 シングルモンクもフレンチアイビーに当てはまりそうなデザインなのでは!?

 

 ですので、「FOULD」を見ていると80年代の上品なフレンチアイビーのイメージが膨らみます!

 

 今回はここまでです。

 ではでは。

 

 

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