こんにちは。
今日も晴れました。
陽光はあれど、空気は冷たく、冬晴れ・・と呼ぶにはもう少し暖が欲しいかな。
前回の続きです。
ジョンロブのシングルモンク「OSNER」を取り上げています。
JOHN LOBB OSNER
ライトアングルステッチによるモカ縫いと、スキンステッチによるスプリットトゥという、高度な職人の手仕事が施されたエプロンフロント(Uチップ)のシングルモンクでしたね。
これらの意匠で有名なエドワードグリーンの名作エプロンフロントダービー「DOVER」とジョンロブの「CHAMBORD」の名前を出したところまで書きました。
なぜ「CHAMBORD」を取り上げたのかと言いますと、
「OSNER」は「CHAMBORD」のシングルモンク版とも言えそうだからです。
というのは、エプロンフロントだけではなく、基本構造もよく似ているから。
構造
サイドには縫い目が一切ありません。
すなわち、クォーターの革の切り返しがありませんね。
トゥからヒールまで一枚の革で構成されていて、そこに羽根も含まれています。
そうしたアウトサイドとインサイドの革がトゥとヒールで縫い合わされている構造です。
これって「CHAMBORD」と同じですよね!
細かな事を言うと、「CHAMBORD」はアウトサイドカウンターの革の切り返しがありますが、「OSNER」にはありません。
でも、基本的な構造は同じですね。
ですので、「OSNER」は「CHAMBORD」のシングルモンク版と言えるのではないかと!
この流れ・・・
前にも書いたような??
「ASHBY」も「DOVER」のシングルモンク版ともいえるデザインでしたね。
と言う事は、
「OSNER」は「ASHBY」と比較しうる存在と言えそうです。
実は次の点でも両靴はよく似ているのです。
ストラップ、バックル
「OSNER」のストラップはドレスシューズにしては若干太めだと思います。
それに対応するバックルも少し幅広で、長方形となっていますね。
この件・・・「ASHBY」の時と同じですね。(デジャブ)
バックルに注目する、四辺とも同じ厚みで、角に丸みがある、極シンプルなデザインです。
ここも「ASHBY」と似ていますね。
あくまでも今の僕の感覚から見ての印象ですが、
ストラップが少し太い事でドレス感が少し弱まり、カジュアル感が少し増しているように思います。
当時はどう見えたのでしょうね。(妄想)
この感覚は、やはり服装の変化も影響しているように思われますね。
伝統的な重厚なドレススタイルには違和感無く馴染むのかもしれませんね。
逆に現代の軽薄な(注意:服の話です。)ドレススタイルにはちょっとヘビー過ぎるかも・・。
なので、クラシックなドレススタイルかカジュアル寄りのスタイルに・・と。
このあたりを察知した(と思われる)エドワードグリーンは「CLAPHAM」を生み出したのではないでしょうか!??(妄想)
ストラップを細く、バックルをコンパクトに、ラストをスマートに、アップデートした事で、現代の軽薄な(注意:あくまで服の事です。)ドレススタイルにも合わせやすくなりましたね!
ただし、今現在はヴィンテージアイテムを取り入れるファッションもあります。
また、クラシック回帰の流れもあります。
そういう見方からすれば、当時のオリジナルデザインはあらためて魅力的ですね!
後ろ姿
ヒールは縫い割りで、上端はドッグテイルです。
上端のダブルステッチはジョンロブの特徴ですね。
ヒールブロックは幅があり、安定感が感じられます。
ソール
単色のシングルレザーソールです。
スタンダードラインの仕様ですね。
って、えぇぇーっ!
ライトアングルステッチとスキンステッチが施されたエプロンフロントなのに、スタンダードラインなの!??
って思ってしまうのは現代の感覚だからでしょうか。
もともと、エドワードグリーンの「DOVER」だって、ジョンロブの「CHAMBORD」だって、レギュラーラインのモデルなんですよね・・・。
スキンステッチだからって特別扱いしないよ!、という時代だったのかなぁ。
それこそ「昔は良かった」ですよね!!(羨)
トップリフトのゴムはダブテイルです。
「JL」デザインよりも前の時期のものですね。
ラストは8695なので自社工場製造ですよね。
おそらく90年代後半の製造ではないでしょうか。
今回はここまでです。
ではでは。