こんにちは。
今日は冷たい雨でした。
気温も下がりました。
今季は寒くなると一気に来ますね...。
前回の続きです。
チャーチのシングルモンクを取り上げています。
前回は現行の「BECKET」を見てきました。
以前の主力ラスト73の時から作られている定番モデルです。
そのラスト73の「BECKET」も探しているのですが、状態の良い一足が見つからなくて・・・。
では、今回はまた違うモデルを取り上げます。
Church’s Piccadilly 173
今回も現行主力ラスト173が採用されたモデルです。
とはいえ、日本のショップでは見つけられませんでした。
「Piccadilly」も以前の主力ラスト73の時代にも作られていたモデルのようですね。
それについてはまた次回。
ラストという点では「WESTBURY」や「BECKET」と共通しているので、「Piccadilly」も定番ドレスシューズ・・と言いたいところですが、ちょっと個性が強いのかな。
というのは、
フルブローグ
トゥキャップのデザインは鳥が翼を広げたような形をしていますね。
その縁には親子穴のパーフォレーションが、トゥにはメダリオンが施されています。
アウトサイドカウンターの縁にも同様にパーフォレーションが施されています。
(なお、ここはイミテーションブローグです。)
すなわち、フルブローグですね。
ところで、チャーチのフルブローグのドレスシューズといえば、
バルモラル(内羽根)の「CHETWYND」と
ダービー(外羽根)の「GRAFTON」がありますよね。
いづれもレースアップのフルブローグです。
そして、レースアップのフルブローグであれば、他のブランドでも作られているので、よく見かけますよね。
それに対して、シングルモンクのフルブローグとなると、殆ど見かけないように思います。
以前CROCKETT&JONESの「CHALFONT」を取り上げましたが、アメリカのショップで見つけたものでした。
さり気なく、華やかに、シングルモンク。 (16) CROCKETT&JONES CHALFONT - 靴と歩む、僕の...
やはりフルブローグはシングルモンクよりレースアップの方が圧倒的に多いですよね。
という観点から、「Piccadilly」を定番ドレスシューズとまでは言えないかなと。
やはり「CHETWYIND」と「GRAFTON」の方が定番と言いやすいですね。
ただし、だからと言って「Piccadilly」の評価が低いわけでは決してありません!!!
むしろ僕は好きですね!
というのも、やはりデザインが魅力的だから!!
デザイン
先ほども書きましたが、「Piccadilly」のブローギングはトゥキャップとアウトサイドカウンターです。
その間、すわなちヴァンプやクォーターにはブローギングがありません。
このトゥとヒールの間がすっきりとした印象となっています。
加えて、シングルモンクは羽根が小さくて、Vフロントのようなデザインで、ヴァンプが広く、ノーズが長く見えるデザインですよね。
そのため、すっきりとしたヴァンプがさらに強調されますね。
また、パーフォレーションのある箇所の縁にはギンピングがありません。
そして、バックルも小ぶりで角に丸みのある長方形となっており、「BECKET」と同じデザインです。
つまり、クラシカルで上品な印象のバックルです。
まとめると、トゥとヒールはフルブローグによって華やかな印象で有るのに対し、ヴァンプとクォーターはすっきりとしたドレス感のある印象がします。
このメリハリの効いたデザインが他の靴には無い個性的なデザインだと思います。
カッコいいですね!
横顔
アウトサイドカウンターの革の切り返しがウエストのところまで伸びていて、結構広いデザインとなっていますね。
トゥキャップの翼の切り返しも長いデザインです。
両者ともに伸びやかな印象で、綺麗なバランスだと思います!
トップラインや羽根の切り返しのカーブラインも、尖りのない、大らかですっきりとしたデザインですね。
とてもエレガントな印象がします。
感想
前回の「BECKET」の時には、貴族的なスタイルではない印象がする、と書きました。
実用的な感じや、強さを感じる、と。
でも、今回の「Piccadeilly」に関しては、ゆったりとしたエレガンス、貴族的なエレガンスを感じます。
昨日の今日で真逆の事を言っている自分がちょっと恥ずかしいのですが、これが素直な感想です。
フルブローグはカントリー寄りな、カジュアルなデザインなのですが、「Piccadilly」の場合はブローギングが貴族的な装飾デザインにも見えるくらいです。
この点、「CHETWYND」はバルモラル(内羽根)なのでポジションとしてはシングルモンクよりもドレス感は上なのかもしれません。
でも、「CHETWYND」はクォーターにもブローギングが施されていますし、ギンピングも施されています。
そのため、靴全体が華やかなデザインですよね。
そういう点ではカジュアルな印象が強いように思います。
これに対し、「Piccadilly」はヴァンプやクォーターがプレーンですっきりしています。
革のカットラインも大らかですし、ギンピングもありません。
そのため、「CHETWYND」よりもドレス感があるような印象がするのです。
ただ、実際のドレススタイルでは「CHETWYND」のようなバルモラルの方が一般的で違和感が無いでしょうね。
そういう意味ではやはり「CHETWYND」の方がドレス感が高いのかもしれませんね。
「Piccadilly」のドレス感は個性的でもあるので好みが分かれるかもしれませんんが、僕は好きです!
おまけ
色違いもありますね。
ネバダカーフのブラウンです。
今回はここまでです。
ではでは。