こんにちは。
今日は雨が上がって、晴れ・・たのかな。
肌寒いような、暖かいような、
つまり、ビミョ〜な・・・感覚??
暑過ぎず、寒過ぎないのなら、丁度良いと素直に受け止めれられれば良いのに・・・。
前回の続きです。
『Alden』のシングルモンクを取り上げています。
今回はこちらです。
Alden D8614
|
見慣れない、
珍しいデザインのシングルモンクですね。
実は別注品です。
『EXPRESSLY FOR BROGUE』の刻印がありますね。
『BROGUE』別注、ですね。
・・・
『BROGUE』??
こちらの記事を読ませていただきました。(感謝)
まさに本靴と同じモデルですね!!
『BROGUE』は2016年4月にアメリカ西海岸のカリフォルニア州北部、メンローパークのサンタクルーズ通りにオープンしたGentlemen's Shopとの事。
現代におけるトラッドなアイテムがセレクトされた注目のショップなようです!
靴は『Alden』で、定番から拘りの効いた別注まで揃っているようです!(天国)
では、靴を見ていきましょう!
ラスト Plaza
083 / 0420 試着程度 オールデン コードバン シングルモンク Uチップ 6D #D8614
『なとりや』さんの記事を読ませて頂きました。(感謝)
アメリカ靴のオールデンとしては異端な(笑)、セミスクエアトゥのドレス用ラストとの事。
小ぶりでタイトな設計なためハーフサイズアップを推奨されていますね。
確かに、セミスクエアトゥはイギリスやイタリアのドレスシューズで多く見られる印象があります。
Plazaラストは甲など全体的に低く抑えられている感じがアメリカっぽいかな。
ノーズ長も十分にありますし、スマートな印象ですね!
ドレス用のラスト、との事ですが、
本靴「D8614」はシングルモンク・・・カジュアルなデザイン?
まぁ、1940年代のアメリカでフォーマルウェアとして発展したという歴史がありますから!
でも、NST・・
Norwegian Split Toe
083 / 0420 試着程度 オールデン コードバン シングルモンク Uチップ 6D #D8614
ヴァンプに注目すると、モカ縫いが施されていますね。
これがNST(Norweigian Split Toe)で、
「Uチップ」や「エプロンフロント」というカテゴリーに入るでしょうか。
モカ縫いにも様々な構造と手法と技術とデザインとあります。
『オールデン』のNSTは、
サイドの革にヴァンプの革を被せて縫い合わせるのでは無く、
一枚の革を摘んでモカ縫いをしています。
しかも、トゥの先端中央にも縦にモカ縫いが入っています。
だから「Split Toe」という名称なのでしょうね!
縫い糸はやや太め、
ステッチの間隔もやや広め、
更に、摘み上げた革の中で糸をねじるツイストモカです。
そのためモカの山の部分には畝るような表情があり、ステッチも目立ち、カジュアルな印象ですよね。
このモカ縫いは職人の手仕事によって作られるもので、1日に10足程度しか生産できないそうです。
ALDEN 2451 NORWEGIAN FRONT MOC TOE | JOURNAL | THE LAKOTA HOUSE
つまり、高級靴ならではのディテールでもあるのですが、
印象としてはカジュアルですよね。
ところで、こういう話は『EDWARD GREEN』のUチップダービー「DOVER」のライトアングルステッチ&スキンステッチにもありましたよね。
「DOVER」のモカ縫いも目立つという点ではカジュアルなのでしょう。
でも、細やかで正確で整然としたモカ縫いによってドレス感すら感じられる印象です。
職人の手縫いモカにもイギリス的な美意識とアメリカ的な美意識の違いが感じられますね!
話を戻すと、ドレス用ラストのPlazaにカジュアル感の強いツイストモカというのは対照的な組み合わせですよね。
こうした少し強めのコントラストは『Alden』らしい、アメリカ靴らしいように思います!
横顔
083 / 0420 試着程度 オールデン コードバン シングルモンク Uチップ 6D #D8614
クォーターの革の切り返しがあります。
ダービー(外羽根)をベースにしたシングルモンクですね。
羽根はVフロントのような角度がつき、
羽根の付け根からソールへは後方へ傾斜したストレート気味のカットラインです。
「く」の字型のようなデザインで、最初に取り上げた「955」や、前々回取り上げた「1671」等と共通していますね。
また、細めのストラップや「D」字型の小ぶりなバックルも共通しています。
このあたりのややドレス感を強調するようなデザインは『Alden』らしい、アメリカ靴らしいデザインと言えそうですね。
コードバン
083 / 0420 試着程度 オールデン コードバン シングルモンク Uチップ 6D #D8614
『Alden』のコードバンですので、タンナーは『Horween』ですね!
カラーは「バーガンディー」と記載されています。
コードバンは瑞々しく輝く艶が美しく、美しいという意味ではドレス感があるとも思えます。
他方で、強い艶が目立つという意味で、また大きく入る履き皺もかな、やはりカジュアルな革とも思えます。
つまり、ドレス感が強過ぎてカジュアルな感じ、とも考えられますね。
それをドレスとして許容してしまおう!という感覚もアメリカっぽいかな!??
感想
『Alden』のシングルモンクとして、プレーントゥダービー、スリッポン、フルブローグと見てきましたが、NSTは特に個性的で特徴的なデザインかもしれませんね。
今回「DOVER」を引き合いに出しましたが、
そのシングルモンク版としては「ASHBY」、いや今なら「CLAPHAM」を引き合いに出すべきでしょうか、
「CLAPHAM」でさえカジュアルな位置づけとするならば、
本靴はよりカジュアルな位置づけと言えるデザインですよね。
でも、「イギリス的な美意識とスタイル」と「アメリカ的な美意識とスタイル」とで両者を分けた上で、それぞれのスタイルの中で同じようなポジションにあると捉えると、NSTというデザインにはアメリカ靴らしさがよく現れているように思います。
おまけ
本国オンラインショップではNSTのシングルモンクが販売されていますね!
今回はここまでです。
ではでは。