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さり気なく、華やかに、シングルモンク。 (114)Alden 955 ①

 こんにちは。

 今日も穏やかに晴れました。

 桜は結構散ってきましたね。

 ピンク色の絨毯もまた宜し。

 

 前回はアメリカにおけるシングルモンクの歴史をざっとチェックしました。

 西欧ではカジュアルシューズだったモンクストラップシューズが、1940年代のアメリカでフォーマルにも履けるドレスシューズに発展したそうです。

 それではアメリカ靴のシングルモンクを見ていきましょう。

 まずはアメリカ靴といえばAldenからです!

Alden 955

 

 

 「オールデン」の歴史については以前書きましたね。

白いドレスシューズの可能性は!? (10) ALDEN ①歴史 - 靴と歩む、僕の...

 1884年マサチューセッツ州ミドルボロウで創業した老舗です。

 創業来現在もアメリカで生産を続けている数少ない靴ブランドですね。

 日本でも長年、セレクトショップを中心に非常に人気の高いブランドです!

 

Aberdeenラスト

 こちらの記事を読ませて頂きました。(感謝)

natoriya.shop-pro.jp

 オールデンが創業してから64年後の1948年に登場したラストで、現存する最も古いラストだそうです。

 名前の由来は英国スコットランド東部にある名門ゴルフクラブ『ROYAL ABERDEEN GOLF CLUB』だそうで、当時の社長がもっぱらゴルフ好きだったからとか。(笑)

 アバディーンラストの代表的なモデルはタッセルローファーのオリジナル「563」ですね!

 

 なお、『なとりや』はAldenを長年取り扱ってこられた専門店で、珍しいシングルモンクも見つけました!

natoriya.shop-pro.jp

 「1879」というモデルです。

 モディファイドラストが採用され、アッパーデザインも専用パターンだそうです。 

 残念ながらサイズが限られますが・・・。

 楽天にも無いですね・・。

 

 話を戻します。

 アバディーンラストはオールデンの中でも最も細いラストです。

 ノーズは長過ぎず短過ぎない、スマートな長さですね。

 僅かにポインテッド気味のコンパクトなラウンドトゥです。

 シャープな雰囲気で、現代においてもドレス感の高いフォルムですね!

 

 甲の立ち上がりが穏やかで、全体的にも低めの印象なのはアメリカ靴らしいかなと思います。

 

 ただし、最も細いラストという事で、サイズ選びは悩むところでしょうね。

 サイズ選びに関して探究された記事を見つけました。(感謝)

zenbutsu.com

 3足を並べて比較検証するという豪華な画は惚れ惚れしてしまいます!(羨)

 まさにブログタイトルに偽り無しですね。

 詳しくは是非記事をお読み下さい。

 ここではざっくりと、長さは十分だけど幅が狭い! ですね。(雑?)

 

BEAMS Online Shop

 

デザイン

 クォーターの革の切り返しがあります。

 ダービー(外羽根)をベースとしたシングルモンクです。

 

 羽根の付け根はボールジョイントの上辺り、僅かに前寄りのバランスかなと思います。

 そこからVフロントのような角度がついて1ホール分くらいのコンパクトな羽根が形成されていますね。

 羽根も僅かに前寄りなバランスで、スマートなラストのシングルモンクでも間延びした感じがしませんね。

 かえってクラシカルで上品な印象になっていると思います!

 

 羽根の付け根からソールへのカットラインは、やや後方へ斜め直線的なデザインでしょうか。

 羽根の付け根を挟んで羽根と対称関係が見られ、「く」の字型となっていますね。

 

  ところで、このようなデザインは、イギリス靴にも、フランス靴にも見られましたよね。

maeego.hatenablog.com

maeego.hatenablog.com

maeego.hatenablog.com

 ドレスシューズとしてのクラシックなシングルモンクとはこのようなデザインなのでしょうね。

 各国・各ブランドによって微妙な違いが見られるのもクラシックなデザインならではですね!(楽)

 

 羽根の付け根の位置が僅かに前寄りのバランスと書きましたが、

 トップラインを見てもやや長めなバランス、つまり履き口が広い(長い)印象です。

 こうしたバランス感もアメリカンクラシックかもしれませんね!

 

三越伊勢丹オンラインストア

カーフ

 オールデンと言えばコードバンが有名ですが、

 本靴はカーフです。

 

 ドレスシューズとして一般的な革といえば牛革ですよね。

 牛革の中でも肌理が細かく柔らかな仔牛の革がカーフで、高級革です。

 西欧の高級靴であれば反射的にカーフの良し悪しを吟味するのが靴好きの習性ですよね。(笑)

 当然ドレススタイルにも違和感無く馴染みます。

 

 オールデンですので、カーフも品質の高い革が選ばれているはず!?

 この辺りについて書かれた記事を見つけました。(感謝)

「オールデン」カーフのVチップを7000字本気レビュー! - 服ログ

Aldenを選ぶなら、コードバンか?カーフか?どっちがいいのか徹底比較 | THE OLD RIVER BLOG

 しっかりと厚みのある革で、肌理もそこまで細かくは無いそう。

 カーフ(生後6ヶ月以内の仔牛)というよりもキップ(生後6ヶ月〜2年)くらいなのかなぁ?と。

 耐久性はありそうだが、「値段の割には...」素晴らしい革質というほどでは無い、という正直なご感想は、おそらく西欧の高級靴のカーフと比較してのことではなかろうかと。

 そう、カーフはメーカーによっても傾向の違いみたいなものがあるように思います。

 

 ちゃんと言えば、メーカーは革をタンナーから仕入れるのですから、タンナーによって、その中でのグレードによって、その中での個体差によって、繊細な違いがありますよね。

 大雑把に捉えると、イギリスはやや硬めで丈夫なカーフ、イタリアは柔らめで薄手のカーフ、フランスはしなやかで丈夫なカーフ(やはり両者の中間ですね)、という印象があります。

 副産物としての皮が出る社会背景の違いとも考えられますし、

 タンナーがある土地環境の違いとも考えられますし、

 国民の革靴に求める品質の考え方の違いとも考えられます。

 

 オールデンをアメリカ代表と考えると、アメリカは耐久性があって柔らかなカーフと言えそうです。

 ですので、コードバン靴でオールデンのファンになった方々が、天候が気になる日にもオールデンを履きたいという流れでカーフを選ばれる傾向があるようですね。

 

 繰り返しますが、カーフも高級革ですよ。

 雨の日も、ハレの日にも相応しい革です!

 

 今回はここまでです。

 ではでは。

 


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