こんにちは。
今日も晴れました。
日中は割と温暖でしたが、夜はグンと寒くなりましたね。
もう12月ですからね。
今回も「WESTBURY」です・・・が、
ちょっと・・、いや今となってはかなり特別な、
懐かしくも新しい、
普遍的な美しさを感じる「WESTBURY」です!
Church's WESTBURY 73 Cordvan
伊勢丹が別注した特別なWESTBURYです!!
あっ!!?
説明文を拝読すると、「1970年に誕生」って書かれていますね!!
前々回の記事の時点では「1980年代頃」という情報だけだったので、、、。
さり気なく、華やかに、シングルモンク。 (17) Church's WESTBURY ① - 靴と歩む、僕の...
早速、追記で補足しました。
話を戻します。
本靴のどこが特別なのかと言いますと、
ラスト73
ラスト73は、1999年のプラダによる買収前までチャーチの主力ラストとして長年愛されていた名ラストです。
僕も大好きなラストで、以前何度か取り上げています。
ラスト73はラスト173よりもノーズが短いです。
こちらがラスト73です。
こちらがラスト173です。
確かにラスト173の方がノーズが長い印象です。
でも、ラスト73の「WESTBURY」のノーズが短く見えるか?というと、そうでも無いように思います。
それはやはりストラップの位置が足首側へ寄っているからでしょうね。
つまりは前回の話と同じで、ヴァンプが広く、ノーズが長く見えるのです。
シングルモンクならではのマジック(?)ですね!(笑)
ですので、ラスト73の「WESTBURY」もノーズがスマートに見えるバランスを引き出していると思います。
それでいてもともとが中庸なノーズ長なので、悪い意味で色っぽく・艶っぽくなり過ぎない、控えめでクラシックなエレガンスを感じますね。
ただし、ラスト73のトゥはスクエア気味のラウンドで、少しボリューム感もあります。
小ぶりのエッグトゥのようなスマートな顔つきとは異なる、少し個性的な顔つきですね。
そして「WESTBURY」は装飾的なデザインの無いプレーントゥなので、その個性がそのまま現れています。
ある意味ブローグシューズよりも個性的な顔といえるかもしれませんね。
こう書くとちょっと極端かもしれませんが、タビシューズや先が真っ平のスクエアトゥの顔つきが個性的なように、本靴も結構個性的な顔つきをしているかなと。
この顔つきが好みの分かれるポイントではないかなと思います。
あらためて、
ラスト73の登場はなんと1940年でしたね!
1940年から2000年頃までなので、およそ60年間ですよね。
これだけ長くドレスシューズの看板モデルとして使われ続けたラストはなかなか無いのではないでしょうか。
ファッション的にはクラシックなドレス、激動のモード、ドレスのカジュアル化など大きな変化もありました。
その荒波を乗り越えて愛されてきたという事ですよね。
もちろん常に最前線にいたわけでは無いでしょう。
むしろ古臭いと見れていた時期もあったと思います。
それでもクラシックな美しさがあったからこそ生き残ってきたのではないでしょうか。
ファッションと言えば、BEAMS中村達也氏の貴重なインタビュー記事を見つけました。(感謝)
チャーチのファッション的な歴史の一端が伺える貴重なお話です!!
80年代のチャーチはエドワードグリーンを凌ぐほどだったのですね。
そして90年代中頃からの所謂「クラシコイタリア」ブームが加熱しはじめた頃、PITTI UOMOの会場ではチャーチを履くイタリア人が多かったとの事!!(驚)
イタリアでもクラシックなスタイルと言えばラスト73だったのですね。
てっきりロングノーズのポインテッドトゥやスクエアトゥ、コバの張り出したノルベジェーゼのようなイタリア靴が主流だったのだと思い込んでいました。
その流れはもう少し後だったのですね。
おそらくプラダ買収の前頃が新しい変化の始まりだったのかもしれませんね。
その後は前々回も書きましたが、現代的なスマートなラスト173が主力になりました。
もちろん今でもチャーチの主力ラストです。
ただ、近年はラスト73も再評価されてきているのかもしれませんね。
とはいえ、現在もインラインでは展開されていないようです。
なので、ラスト73を手に入れるにはヴィンテージで探すか、別注を探すしかないでしょうね。
今回はここまでです。
ではでは。