こんにちは。
今日は曇り時々晴れくらいで、夜はパラっと降っています。
温くて湿気を感じる気候ですね。
キャップトゥダービーを取り上げています。
最初は僕のエドワードグリーン「BORDON」をご紹介し、
次にキャップトゥダービーの背景を探りました。
それでは具体的な靴を見て行きましょう!
まずは、僕がキャップトゥダービーに興味を持つきっかけとなったこちらの靴を取り上げたいと思います。(敬)
Crockett&Jonses NORWICH
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2014年の映画『007 スペクター』でジェームズ・ボンドが履いた靴です。
それについて以前取り上げました。
当時も書いていますが、実は元々あまり好みのデザインではありませんでした。(苦笑)
キャップトゥにはオックスフォード(内羽根)、ダービーならプレーントゥやUチップでしょ、と思っていたので。
つまり、イギリスというよりはフランスやイタリア寄りのスタイルを好んでいましたね。
これらの靴からはコーデがイメージしやすいのですが、キャップトゥダービーとなると・・・?って。
僕なりに、ボンドをお手本に、ボンドのイメージから妄想を膨らませて、あれこれ考えていましたね。(笑)
あまり僕のタイプでは無かったキャップトゥダービーですが、
気にはなっていたのです。
そしていつしか好きになっていました。(照)
加えて、ファッションのカジュアル化が進み、キャップトゥとダービーという組み合わせに現実味を感じるようになってきました。
あらためて「NORWICH」を見直した時、2014年に発表した『クロケット&ジョーンズ』の先見性に感服しています!(流石)
『007 スペクター』の冒頭、メキシコの「死者の日」のパレードはとても印象的なシーンですね!!
そして、ボンドはトム・フォードのネイビースーツ姿で建物の上を颯爽と歩き、屋上からターゲットに銃口を向けるのです。
その時に履いている靴が「NORWICH」です。
そこから、キャップトゥダービーのイメージが広がりますね。(妄想)
動的
まずは、ダービーが持つ動的なイメージです!
ボンドは屋上を闊歩するのですが(!)、ダービーには動き回るスポーティーなイメージがあります。
この点、ダービーの歴史的背景にもブリュッヒャー将軍が考案したミリタリーブーツがありましたね。
だからと言うのもあるかもしれませんが、
そうした知識が無くても何だかアクティブなイメージが浮かびませんか?
僕が思うに、やはり羽根の可動域が大きいというデザインの影響ではないかと。
ここに「動」がありますよね!
ただし、靴ですから足がしっかり固定されなければ運動性が上がりませんよね。
すなわち、羽根がパカパカと動いてしまうのは逆効果な訳です。
そこで靴紐が効果を発揮するのです!
つまり、可動性能のある外羽根を靴紐でしっかり締める事による相乗効果により、動的なイメージが綺麗に描かれるように思うのです。
これに対して、内羽根は羽根の前下部が縫い付けられているので可動域はかなり狭くなります。
「動」では無く「固」でしょうか。
そして、大人しいイメージ、密やかなイメージがしますね。
ここで「NORWICH」の羽根を見ておきましょう。
外羽根
5ホールです。
甲をしっかり覆うくらいの羽根の大きさがあり、
靴紐で羽根をしっかり締めるのにちょうど良いバランスですね。
ゆえにオーソドックスなデザインなのでしょうね。
ここが2ホール前後のVフロントダービーですと、華奢でエレガントなイメージとなりますよね。
やはり5ホールの方が甲をしっかりと覆い、きちんとフィットさせるイメージが浮かびます。
クォーターのカットラインを見ると、
羽根の付け根から後方へ伸びてからカーブを描いてソールへ落ちています。
これもオーソドックスなデザインですよね。
実は「NORWICH」は非常にクラシカルなデザインを踏襲していて、決して奇をてらうような事はしていないのです。
にもかかわず、現代的な印象なのは・・・また後で。
ミリタリー
そして、キャップトゥによるミリタリーな雰囲気です。
実際ボンドはスナイパーよろしくターゲットを狙うシーンで履いていましたね!
この場面でプレーントゥダービーの「HIGHBURY」では無く、
キャップトゥダービーの「NORWICH」を選んだのです。
そういえば、先日の「Platinum Jubilee」における「Trooping the Colour」で、
チャールズ皇太子方の靴は見えなかったのですが、
衛兵はキャップトゥダービーを履いていました。(ブーツかもしれませんが)
キャップトゥとミリタリーの間には何か関係があるのでは、と睨んでいます!?(笑)
「Norwich」のトゥキャップは英国靴らしく十分な長さがあります。
スマートなバランスで良いですね。
ステッチもカットラインのギリギリまで寄せていて、とても細やかなダブルステッチが施されています。
これは明らかにドレス仕様ですよね!
ファクトリーの丁寧な仕事と美意識が感じられます。
今回はここまでです。
ではでは