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キャップトゥダービーの魅力。 ① 現状

 こんにちは。

 今日は晴れ・・と曇りで、夜に水滴があったかなぁ、というくらいでした。

 本当に梅雨入りしたのだろうか・・・。

 

 靴の話に戻りましょうか。

 先日、僕のキャップトゥダービーについて書きました。

キャップトゥでもダービーで! Edward Green BORDON ①ラスト202 - 靴と歩む、僕の...

 もともとはあまり好きなタイプでは無かったのですが、(苦笑)

 じわじわと好きになってきたという、

 不思議な魅力を感じるデザインです。

 

 せっかくなので、キャップトゥダービーについて更に考えてみたいと思います。

 という事で、テーマは「キャップトゥダービー」です!

キャップトゥダービーの現状

 キャップトゥダービーというデザインは、

 おそらく・・、あまり・・・、

 一般的では無いのかもしれません。(苦笑)

 えっ! いきなりそこから!??

 

 キャップトゥと言えばバルモラル(内羽根)が一般的ですし、

 ダービー(外羽根)と言えばプレーントゥが一般的ですよね。

 

 一般的であるという事の意味は様々あると思いますが、その時代に多くの人が認めるファッションスタイルと相性が良いという事もあるように思います。

 つまり、その時代の多くの人に選ばれている、という意味です。

 

 例えば、スーツにはキャップトゥのバルモラルが、カジュアルにはプレーントゥのダービーが相性が良い、というような。

 

 これに関係しそうな記事を見つけました。(感謝)

lastmagazine.jp

 記事では「エッセンシャル(根源的、本質的、「欠かせない」)」という言葉で説明されていますね。

 

 まずは内羽根と外羽根のルーツからお話しされています。

 「オックスフォード(内羽根式紐靴)」のルーツは、1853年に英国ヴィクトリア女王の夫アルバート公が考案したミドルブーツです。

 「格調の高い」場で、「従えさせる」立場からデザインされた靴と言えますね。

 

 「ダービー(外羽根式紐靴)」のルーツは、1815年のワーテルローの戦いプロシア軍を率いたブリュッヒャー元帥が考案した戦闘靴です。

 「戦う・働く」という要素が濃いデザインの靴と言えますね。

 

 そして19世紀に「先芯=トゥキャップの導入」があり、1880年代には「デザイン」としての要素を帯びるようになったそうです。

 先芯の存在感をアッパーの表面に見せないもの、表には見せないが封入する際の目安線は残したもの、敢えて外に露出させた分厚いもの・・・。

 その違いが今日のプレーントゥとキャップトゥの違いなのですね。

 

 ここまでが、キャップトゥオックスフォードとプレーントゥダービーのデザインの話です。

 

 次に、これらのデザインがいかにして「エッセンシャル」となったのかについて考察されています。

 

 その背景には、19世紀後半から20世紀初頭にかけての「ブーツ(長靴)からシューズ(短靴)へ」という靴自体の変化があるとの事。

 従来の服より圧倒的に楽で簡素な「スーツ」が台頭し、それまでは労働者階級の象徴だったくるぶし丈で裾幅に余裕のあるトラウザーズがドレスウェア・ビジネスウェアの地位を確立しました。

 これと同時にシューズの地位も向上しました。

 キャップトゥオックスフォードとプレーントゥダービーもシンプルなデザインでスーツ姿の足元に最適とみなされて支持を広げ、定着していきました。

 

 また、馬や馬車から鉄道そして自動車へと交通インフラの変化もありました。

 乗馬ブーツの需要が落ち、道路の舗装化によってシューズでも平気で歩ける場所が格段に増えていきました。

 特に清潔感を感じさせるデザインのキャップトゥオックスフォードとプレーントゥダービーには「快適な都市生活の象徴」としての意味合いも付加されたそうです。

 

 さらに、生産効率面でもブーツよりシューズの方が優れます。

 特に軍務用の「オフィサーシューズ」や警官・郵便配達員・鉄道員など向けの「サービスシューズ」で、キャップトゥオックスフォードとプレーントゥダービー が極めて高頻度に採用されました。

 そして20世紀中盤までの相次ぐ戦争で軍務に携わった経験のある人が多くいて、退役後も同種の靴を選んでしまう心理もあったようです。

 

 なるほど、19世紀後半から20世紀中頃にかけて、

 服装の変化、生活環境の変化、戦争、があり、

 数多くの「現場」で鍛え抜かれ、様々な服や場面に似合い、構造的にも必要十分で理に叶っている、という3要件を満たす存在だからこそ、

 両デザインは「エッセンシャル」な靴たりえたのですね。

 

 

感想

 こうした歴史の流れがあって、伝統的なスタイルが確立されてきたのでしょうね。

 この流れを見ていると、現在のファッションにもあてはまるのではないでしょうか。

 ワークウェアやミリタリーウェア、スポーツウェアの実用的で機能的なデザインが現場を超えて採用されるようになり、多くの人々が日常生活で着用するようになっていますよね。

 

 靴で言えば、スニーカーを思わずにはいられません。

 本領であるスポーツの世界では今も進化し続けていますが、日常生活の中でもスニーカーはグンと身近ですよね。

 

 ドレスシューズにおいては、ラバーソールとダービー(外羽根)の存在感が強くなってきているのかなと個人的には思います。

 伝統的にはカジュアルなデザインですが、機能性や快適性に優れています。

 そして服装のカジュアル化の流れによって取り入れやすくなってきましたよね。

 

 という文脈の中で、

 キャップトゥダービーを考えている今日この頃。(笑)

 

 今回はここまでです。

 ではでは。

 


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