こんにちは。
今日も曇ったり晴れ間があったり小雨になったり。
微妙な湿気がどうにも・・・。
前回の続きです。
CROCKETT&JONESのキャップトゥダービー「NORWICH」を取り上げています。
Crockett&Jonses NORWICH
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2014年の映画『007 スペクター』、
冒頭の印象的なシーンでジェームズ・ボンドが履いていましたね!
そこからキャップトゥダービーのイメージが広がる・・という流れで書いています。(楽)
前回、「外羽根」のところでも述べましたが、
実は「NORWICH」のアッパーデザインは非常にクラシカルなデザインを踏襲していて、決して奇をてらうような事はしていません。
にもかかわず、現代的な印象ですよね!
現代的
「NORWICH」が従来のキャップトゥダービーと大きく異なるのは、
スマートさではないでしょうか!
この点、キャップトゥダービーにはカントリータイプの靴も結構見られる、と以前書きました。
実際キャップトゥダービーをあれこれググっていると、ちらほら見かけます。
ダービーはカジュアルシューズという伝統的な見方からすれば、さもありなんでしょうか。
このタイプはボリューム感のあるワークシューズという印象が強めですよね。
また、ミリタリーシューズにおいてもしばしば見かられます。
こちらはカントリースタイルほど長閑かな印象では無くなり、
制服に合わせられるくらいのドレス感が出てきます。
ただし、サービスシューズという面もありますので、多くの人が履けるように割合ゆったりとしたフォルムでしょうか。
そして、「NORWICH」です。
ここで、こちらの記事を読ませて頂きました。(感謝)
英国海軍中佐、そして秘密諜報部員 ふたつの顔を持つボンド必殺のドレスコード | ブランド腕時計の正規販売店紹介サイトGressive/グレッシブ
ジェームズ・ボンドは英国海軍中佐(Commander)との事ですので、ミリタリーではあります。
しかし、「NORWICH」はコマンダーとしてのボンドが履いていたのではありません。
英国防省秘密諜報部員としてのボンドが履いていたのです。
つまり、ドレスコードは海軍制服では無く、市井での戦闘服であるスーツスタイルです。
ボンドはトムフォードのスタイリッシュなスーツを合わせていましたね。(凄)
つまり、「NORWICH」はスーツにも合わせられるくらいドレス感があるのです!
これが現代における新しいキャップトゥダービーなのかなと思われます。
ここで冒頭の話に戻るのですが、
「NORWICH」は非常にオーソドックスなアッパーデザインで、個性的なデザインという訳ではありません。
にもかかわらず、ドレス感のある現代的なキャップトゥダービーに仕上がっているのです。
その理由は、ラストの影響でしょうね!
ラスト348
ラスト348の誕生は2004年11月。
やはり映画「007 スカイフォール 」と「007 スペクター」の影響は大きかったようです!
例えば、ボンドはタキシードにホールカットの「ALEX」を合わせていましたが、そのラストは348です。
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また、劇中では登場しませんが、キャップトゥオックスフォードの「HALLAM」もラスト348です。
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こちらも大人気で、ロンドン本店でもベスト3に入るロングセラーとなったそうです。(凄)
つまり、348はフォーマルなデザインにも対応できるラストなのです。
キャップトゥダービーの「NORWICH」にドレス感が感じられるはずですよね!
ラスト348の大きな特徴はサイドのエッジが効いたシャープなスクエアトゥですね。
エッジの効いたサイドラインは他の高級靴ブランドとの差別化にもなっているように思います。(美)
それにより『クロケット&ジョーンズ』でなければとなりますよね。
そういう意味でもラスト348はブランドの価値を大きく高めたと思われます。
スマートなノーズ長にシャープなスクエアトゥにもかかわらず、
やり過ぎた感じにはなっていませんね。
適度に柔らかな丸みを取り入れる事で上品な印象が保たれていますね!
現代的でありながらクラシカルな雰囲気を感じるという、洗練された美しさです。
革
「Norwich」のドレス感を高めている要素として、革も挙げられますね。
商品説明を見るとアニリンカーフが使われていますね。
先述したホールカットの「ALEX」やキャップトゥオックスフォードの「HALLAM」もそうで、『クロケット&ジョーンズ』のドレスシューズに使われている革と同じです。
つまり、ドレス用の革ですね。
前回のキャップトゥの細やかなダブルステッチでもそうでしたが、
「NORWICH」はキャップトゥダービーでもドレス仕様となっているのです。
ソール
ドレス感のある「NORWICH」ですが、
ダービーシューズらしさが感じられるディテールもあるのです!
それがソールです。
グッドイヤーウェルト製法ですので、コバの上には出し抜いのステッチがありますね。
コバの張り出しは抑えられていて、ステッチも目立たず、ドレス感がありますね。
因みに、出し抜いはヒールの手前までで、ヒールのコバは張り出していません。
ここもドレスシューズと同じ仕様です。
って、、、
ダービーシューズらしい話になっていませんね・・。(笑)
でも、
ソールを良く見ると・・・!
ダブルソールです!!
そのため、ソールに少しだけ厚みが感じられますね。
それによって安定感・重量感のある印象がするのです!
ドレスシューズは基本的にシングルソールが主流だと思います。
ダブルソールはカントリーシューズに多く見られる仕様ですよね。
アウトソールはラバーです。
スタッテッドタイプで、ブランドオリジナルのラバーソールです。
外観からはゴツゴツとした凹凸が見えないので、ドレスシューズにも採用されるパターンですね。
感想
「NORWICH」はダービーでありながらもドレス寄りな要素を沢山取り入れる事で、ドレス感のあるダービーに仕上げられています。
それによって、現代ではフォーマルな印象があるトゥキャップが効果的に効いてきますね。
つまり、ダービーでも適度に畏った雰囲気が感じられるように思います。
これはUチップやフルブローグとの違いではないかと。
昨今のドレスのカジュアル化やカジュアルのドレスアップのように、カジュアルのコンフォートさと適度なドレス感を合わせたようなスタイルにもぴったりだと思います。
オーソドックスなコーデとしては襟付きのシャツがセオリーかもしれませんね。
でも、今の気分なら、リラックスした綺麗目なTシャツやニットと合わせても良さそうですね。
そうした合わせ方が出来るのがバルモラル(内羽根)との違いかなと思います。
ではでは。