こんにちは。
今日はしとしと雨の一日でした。
たまにはこういう日も必要ですね。
ホットコーヒーが美味しいく飲めました。
前回の続きです。
『DIOR』のランニングシューズタイプのスニーカー「B31」を取り上げています。
DIOR B31
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サマー2023年メンズコレクションでも登場したスニーカーですね。
前回はコレクションの話とフォルムについて書きました。
今回は、
ワープド カナージュ
アッパーは
ブラウンのテクニカルメッシュ生地と
カーキのインジェクテッドラバーによるフレームパーツ
の組み合わせです。
90年代のランニングシューズを思わせる構成ですが、
フレームデザインが独創的ですよね!!?
というのも、
「ワープド カナージュ」というデザインで、
『ディオール』を象徴するデザイン「カナージュ」に由来しているのです!!
ここで「カナージュ」について書かれた記事を読ませて頂きました。(感謝)
「カナージュ」は『Dior』のアイコンバッグ「レディ ディオール」にも見られます。
職人の手によって施されるステッチの柄ですね。
由来は1947年に開からた「ディオール」の初コレクションで使用した籐椅子にあります。
ムッシュ・ディオール は大切な顧客を迎えるために華やかで繊細なナポレオン3世様式の椅子を用意しました。
その籐の網目に着想を得た「カナージュ」は、ムッシュのエレガントなもてなしの精神の表れなのですね。
そして、1995年9月に「レディ ディオール」が発表されました。
当時パリでLVMHグループ後援のセザンヌ展が開かれていて、そこを訪れた故ダイアナ妃にシラク元フランス大統領夫人が「レディ ディオール」をプレゼントされました。
ダイアナ妃は大変お気に召され、すぐに様々なバリエーションを注文されたそうです。
実際、当時の報道写真でも同妃が手にされていたことが分かるのですね。
世界中の女性の憧れであった同妃が愛用されたことで「レディ ディオール」も大ブレイクしたそうです。(凄)
実はもともと「カナージュ キュイール」という名前だったのですが、ダイアナ妃への敬意を込めて96年にご本人の認証を得て「レディ ディオール」と改名されたそうです。
因みに当時の「ディオール」のアーティスティック・ディレクターはイギリス領ジブラルタル出身のジョン・ファリアーノです。
「B31」に戻りますね。
レディースアイテムで有名な「カナージュ」モチーフをメンズシューズに取り入れたという事が興味深いですね。
そもそも『ディオール』は創業当初からレディースが有名ですよね。
イヴ・サンローランの後任マルク・ボアンが立ち上げたと言われる『Christian Dior MONSIEUR』は有ったようですが、正直あまり・・・だったのかなと。
しかし、2001年に大転換を迎えます。
2000年に就任したエディ・スリマンですね。
エディによって生まれ変わった『DIOR HOMME』がメンズファッションに大きな衝撃を与え、大躍進したのです!
以来『DIOR HOMME』は常に注目を集める人気メンズブランドとなりました。
ただし、『DIOR HOMME』はレディースラインとは一線を画すデザインだと思います。
『Christian Dior』のメンズラインではありますが、新しいブランドと言って良いくらい独自性のあるデザインだと思います。
その『DIOR HOMME』に新たな変化が起こっています。
2018年に就任したキム・ジョーンズですね。
なんと『DIOR HOMME』を『DIOR』と統合してしまいました!
そうして、レディースバッグで人気の「サドル」や「ディオール オブティーク」柄などをメンズも使えるユニセックスなデザインで発表しました。
『DIOR』の最大の強みであるレディースのデザインを取り入れられる事は、ジェンダーレスの流れの中で大きな強みと言えそうですね。
そう考えると、今回の「カナージュ」もその表れなのかなと思います。
それにしても、
『DIOR HOMME』から見れば大きな転換ですよね。
僕の勝手な感想ですが、
エディ・スリマンは『DIOR HOMME』の後、『SAINT LAURENT』、『CELINE』へと籍を移していきましたが、良くも悪くも彼の世界観が強く現れるメンズファッションである事は否めません。
個人的には決して嫌いでは無いですが、これら3つのメンズファッションに違いがあるかと言うと・・・素人目には匙加減??
そういう意味では今の『DIOR』は『DIOR』らしいメンズファッションを志向し始めたのかなとも思えます。
今回はここまでです。
ではでは。