こんにちは。
今日も晴れました。
気温も少し暑さを感じました。
前回の続きです。
前回はラスト202のインサイドストレート&アウトサイドカーブについて書きました。
足に無理の無いフォルムは履き心地の良さを生みますが、
左右対称を美とする概念からは外れてしまいます。
この相反する課題に対して1つの模範解答となるのがラスト202ですね!
今回はラスト202の美について書いてみたいと思います。
『エドワードグリーン』の靴、特にラスト202の代表モデル「CHELSEA」について語られる際に引用されるのが『ポルシェ』、中でも911でしょうか。
最高級靴読本でも靴と車の画像を並べて説明されていました。
今回はそこをもう少し踏み込んでみたいと思います。
・・できるかなぁ??
『ポルシェ』
というのは、ドイツの高級スポーツカーのあの『ポルシェ』です。
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ざっくりとですが僕の個人的な印象としては、
無駄の無いコンパクトなサイズ、
丸みを感じるフロントライト、
エッジも柔らかな曲線が描かれ、角張らない。
そして、デザインに一貫性が感じられる、哲学が感じられる、オリジナルブランドですね。
ポルシェのデザイン哲学について言及された記事を見つけました。(感謝)
フェルディナンド・アレクサンダー・ポルシェは、1960年代に『ポルシェ』のデザイン・ディレクターを務め、1963年に傑作「901」をデザインし、後の「911」となります。
つまり、『ポルシェ』のデザイン哲学を生み出した人物と言えるのではないでしょうか。
そう思い、今回注目しました。
氏は他にも様々なレーシングマシーンをデザインしましたが、父親のフェリーが企業を株式会社に変更しようとしていた事で会社を離れます。
そうして1972年に自身のデザインスタジオ『スタジオ・F.A.ポルシェ』を創設しました。
最初の依頼は古巣『ポルシェ』からのもので、功労者や特定のクライアントに贈呈されるクロノグラフ時計でした。
その時計から見えてくるデザイン・スタジオの設計指針は、「形態が機能に従うべき」ということ。
また、次のような言葉もあります。
一つ一つの要素が機能を持ち、それをいつも前面に押し出す。そして機能を主体とし、装飾的なバックグラウンドをもたない構造。これこそエンジニアらしい哲学から生まれたデザインなのです。
それではあらためて靴を見ていきましょう。
ノーズ長
ノーズはロングではありません。
現代的なスマートなラストと比べても少し短いです。
そういう意味ではショートノーズなのかな??
ただし、捨て寸はきちんとあります。
長過ぎず、短過ぎない、丁度良い長さです。
つまり、中庸なノーズ長ですね!
中庸なノーズ長はクラシックなイギリス靴で多く見られるように思います。
分かりやすいのがイギリスを代表する『Church's』の73ラストでしょうか。
73ラストの誕生は1940年代と言われており、1999年のPRADA買収まで看板ラストとして愛されてきました。
つまり50年以上もの間、中庸なノーズ長がイギリスの定番スタイルだったと言えるのではないでしょうか。
また、旧202ラストもノーズ長は中庸です。
ここで驚きの情報を見つけてしまいました!(感謝)
Edward Green(エドワードグリーン) Chelsea(チェルシー) 最高のストレートチップのひとつ | 輝けライフ!
毎度勉強になる『輝けライフ!』さんです。
驚きの情報というのは、旧202ラストの誕生も1940年との事です!
1つのクラシックが完成された時代と言えそうですね。
そして、現行202ラストは90年代後半頃に誕生したと思われますが、伝統を受け継いでいますよね。
だからこそ、現行202ラストはクラシカルなイギリス靴のお手本とも言える佇まいを醸し出しているように思います。
機能的には、捨て寸が丁度良いと蹴り出しの力が十分に伝わるので歩きやすくなります。
また、長過ぎてつまずく事も無くなりますねー。(笑)
ここも極上の履き心地のポイントだと思います!
ここで、冒頭の『ポルシェ』です。(やっと)
中庸なノーズ長というのは、歩行という機能にとって過不足の無い、もちろん装飾性も無い、最適なフォルムと言えるように思います。
今回はここまでです。
ではでは。