こんにちは。
今日は曇り気味の晴れでした。
肌寒さも感じましたね。
『Silvano Lattanzi』のシングルモンクを取り上げています。
今回はこちらです。
Silvano Lattanzi ダークブラウンスエード
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基本的なデザインは前回のモデルと同じではないかと思います。
じっくり見ていきましょう。
スエード
前靴はスムースレザーのカーフでしたが、
本靴はスエードです。
毛足が短く整った上質なスエードですね。
色はダークブラウンです。
上品な色味ですね。
シルバノ・ラッタンジの価格帯からしても、ブランドの姿勢からしても、間違いのないクオリティのスエードでしょうね。
フォルム
ノーズ長は中庸くらいだと思います・・
が、見た感じはそれよりも少し短い印象がしますね!?
それはおそらくスクエアトゥの影響ではないかと思われます。
トゥの先端ははっきりと平らですね。
そのため、ボールジョイントからトゥへの窄まりもかなり緩やかです。
そして、先端にまだ伸び代があるような、それが途中でカットされたかのような、イメージを持ってしまうのは僕だけでしょうか。(苦笑)
しかし、だからこそ個性的に見えますよね!
また、実際には十分なノーズ長があり、
さらに、シングルモンクはノーズが長く見えるデザインでもありますので、
詰まった感じはしませんね。
靴の後半のフォルムもチェックしましょう。
ボールジョイントからウエストの窄まりも感じられます。
インサイド側はアーチに沿うくびれが、
アウトサイド側は側面にフィットするような傾斜が、
見るからに伝わってきますね!
足にフィットするようなサイズ感・フォルムからクラシカルなドレス感を感じます。
そこに個性的なスクエアトゥが効いていますね!
コバ
個性的なスクエアトゥをさらに強調しているのがコバです。
しっかりと張り出していますね。
さらに、アッパーやソールの色味より明るいナチュラルカラーです!
これは否が応でも目立ちますね。
前回も書きましたが、このようなコバの張り出しはステファノ・ブランキーニ氏によって当時のトレンドにまでなったように思われます。
90年代後半から2000年代頃のイタリア靴は特にこうしたデザインを取り入れたのではないでしょうか。
シルバノ・ラッタンジ然り、サントーニ然り、エンツォ・ボナフェだって然りだと思います。
この点、基本的に定番モデルを持たないイタリア靴ブランドは、大なり小なりトレンドを上手に取り入れているように思います。
話を戻しますね。
前靴はソールと同じブラックのコバなので、色は目立ちませんが、くっきりとした目付によって存在感がありましたね。
本靴は目付はされていませんが、色が目立つことで存在感が伝わります。
スエードという素材もそうですが、コバもカジュアルな印象ですね。
ダークブラウンのスエードは色味と質感からやや重たい印象もありますが、
コバに明るい色味が入ることで適度な軽やかさが加わっているように思います。
横顔
クォーターの革の切り返しがあります。
ダービー(外羽根)をベースとしたシングルモンクです。
やや後ろ寄りに位置する小さな羽根や、羽根の付け根を境に「く」の字型にカットされたラインなど、やはり前靴と共通したデザインだと思います。
ストラップやバックルも同様ですね。
本靴ではバックルがしっかり見えるのでチェックしましょう!
ベルト通しのあるコの字型です。
ピンの乗る上辺は幅があり、上部は山形のカーブを描いています。
両サイドの辺は一段高く、くさびのような形をしていますね。
ウエスタンベルトのような特徴的なフォルムですが、無地のプレーンなデザインなのでドレス感もあります。
艶のある明るいゴールドも綺麗で、アクセサリー感のあるバックルですね。
ソール
レザーソールで、ある程度厚みがあります。
ダブルレザーソールでしょうか。
張り出したコバにはステッチがあります。
ハンドソーンウェルテッド製法でしょうか。
底面はプレーンなデザインです。
シンプルですがやはり丁寧な仕事だと思います。
感想
前回の靴の素材違いだと思います。
ただし、本靴はSTRASBURGO別注では無いようですが。
おそらくかなり以前のモデルではないかと思われるのですが、どうなんでしょう。
現代的なスマートなフォルムが主流となってからは、なかなかこうしたフォルムは見られなくなってきたように思います。
でも、ビッグシルエットやクラシック回帰、ヴィンテージミックスといった昨今のファッションの流れの中であらためて見ると、なんだか魅力を感じますね。(笑)
今回はここまでです。
ではでは。