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さり気なく、華やかに、シングルモンク。 (99)BETTANIN&VENTURI (後)

 こんにちは。

 今日は雨雪こそ降りませんでしたが、寒さを感じる一日でした。

 防寒着なり暖房なり、対応できるのですから幸せな事です。

 というのも、

 今日はゼレンスキー大統領の日本に対する演説がありましたね。

 それに対して賛否もあるようです。

 つまり価値観の違いですが、そういう議論をして考えを深めていかないといけない時代に入っていますよね。

 まさに政治の時代でしょうか。 

 

 前回の続きです。

 『ベッタニン&ベントゥーリ』のシングルモンクを取り上げています。

BETTANIN&VENTURI

 

 1850年ヴェローナで創業した靴工房の4代目ジョゼッペ・ベッタニン氏が1944年に立ち上げたブランドです。

 『ステファノ ・ブランキーニ』のノルヴェジェーゼ製法ラインの製作もしていたそうです。

 ベッタニン家にのみ伝わるカデノン製法の他、ノルヴェジェーゼ、グッドイヤー、マッケイなど、幅広く対応できるブランドです。

 

フォルム

 これはロングノーズですよね!(長)

 細く、長い!

 ウエストもキュッと絞られ、後半もコンパクトですね。

 甲の高さは十分にありそうですね。

 

 トゥはコンパクトなスクエアです。

 エッジは効いておらず、丸みがありますね。

 立体的なアーチからボールジョイントの膨らみも見えます。

 フィット感も良さそうですね!

 

Uチップ

 サイドの革にヴァンプの革を合わせた構造で、拝みモカでしょうか。

 縫いも細やかで、ステッチもアッパーと同系色です。

 ドレス感のあるモカ縫いですね!

 

 U字型はロングノーズの先端近くまで伸びています。

 細く長いノーズが強調されますね!

 

 アッパーはしなやかで柔らかそうな革ですね。

 

 色はブラウンと記載されています。

 ほのかな色斑感があり、グレーやダークブラウンが混ざったようなカーキ系の色味でしょうか。

 

 質感といい、色味といい、イタリアらしい革だと思います。

 

 

横顔

 クォーターの革の切り返しがあります。

 ダービー(外羽根)をベースとしたシングルモンクです。

 

 羽根の付け根は後方寄りの位置ですね。

 羽根もVフロントのように角度がつけられていて、1ホール分くらいの小ささです。

 このデザインによってヴァンプのスペースが広くなり、ノーズがより一層長く見えますね!

 

 羽根の縁はダブルステッチが施されています。

 因みにトップラインやストラップの縁もダブルステッチです。

 シンプルでシャープな印象で、スクエアトゥとの相性も良いと思います。

 

 羽根の付け根からソールへのカットラインは、やや後方へ傾斜したストレートです。

 羽根と相まって「く」の字型となっていますね。

 

 クォーターの縫い付けは、ダブルステッチの列が間を開けて2列となっています。

 補強の意味もあるのでしょうが、やはりデザインでしょうね。

 Uチップのモカ縫いでステッチが目立つデザインなので、このくらいのステッチでもバランスはとれています。

 

ストラップ、バックル

 ストラップはやや太めのバランスですね。

 先端は剣先型です。

 縁はダブルステッチが施されています。

 細くスマートなフォルムや綺麗目なモカ縫いに対して、強い印象のストラップです。

 

 更に強い印象をもたらしているのがバックルです!!

 大きいですよね!

 そして、重量感もありますよね!!

 ベルト通しのあるコの字型のフレームで、角のあるシャープなフォルムです。

 そのフレームは幅も厚みもしっかりあります。

 ざらつき感のある鈍い光沢のシルバーで、存在感がありますね!

 

 ドレス感のあるフォルム・デザインに対して、明らかにボリューム感のあるバックルを組み合わせています。

 このようなデザイン性もイタリア靴らしいと思いますね。

 

 因みにこのバランス感は、以前取り上げた『Stefano Branchini』や『Santoni』でも見られましたね。

maeego.hatenablog.com

maeego.hatenablog.com

maeego.hatenablog.com

 

三越伊勢丹オンラインストア

 

後ろ姿 

 

 踵は縫い割りで、上端はドッグイヤーです。

 大きな耳ですね!

 

 ヒールカップの丸みもしっかり表れています。

 

 ヒールのコバは少しだけ出ています。

 最大幅はヒールカップの膨らみと同じくらいでしょうか。

 ヒールブロックの積み上げはドレスシューズらしい高さですね。

 安定感がありつつドレス感も感じられます。

 

ソール

 シングルレザーソールです。

 コバの張り出しは抑え目なのですが、張り出してはいるんですよね。

 そこにしっかりと目付も施されています。

 そのため、出し縫いのステッチがあるのかどうか??

 つまり、グッドイヤーなのかマッケイなのか??

 そもそもイタリア靴の場合、出し縫い風のイミテーションステッチもあり得るので・・・。

 

 底面はとても凝ったデザインです!

 あからさまにカッコイイのはやはりイタリア靴ですね!

 ここまで装飾に手間をかけている靴ですので、相応のグレードの靴と思われます。

 

感想

 細く長いノーズや、大きなバックルなど、色気の強いデザインはいかにもイタリア靴ですね!

 ブランキーニの影響を感じなくも無いような!??

 

 また、革の質感や色味、作りや装飾からも、手仕事の温もりを感じます。

 それもまたイタリア靴らしいと思います。

 

 今回はここまでです。

 ではでは。

 


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