こんにちは。
今日も穏やかな秋晴れで、気持ちの良い一日でした。
ここのところ恵まれていますね!(感謝)
前回の続きです。
トリッカーズのシングルモンク「MAYFAIR」を取り上げています。
Tricker's MAYFAIR
コンパクトで、カチッとしていて、控え目な上品さがあって、クラシックな雰囲気が感じられて、イギリスの伝統的なシングルモンクのイメージにぴったりかなと思います!
ヒール
ヒールは縫い割りで、上端はドッグテイルですね。
英国靴ではよく見られる仕様で、伝統的なデザインだと思います。
こちらの記事を読ませて頂きました。(感謝)
イギリスでは「silk seam」と言うそうです。
縫い割りの裏に補強のテープが貼られていて、それを縫い付けるから両脇にステッチが入っているのですね。(学)
縫い割りを上端まで続けないのは、脱ぎ履きの際に力が掛かって糸が切れてしまうのを防ぐためとの事。
やはり補強のためのデザインですね。
丈夫な靴を作るという姿勢、
それを美しく仕上げるという姿勢、
イギリス靴らしさを感じますね!!
ソール
底付けは、勿論グッドイヤーウェルト製法です。
シングルウェルトで、コバの張り出しも抑えられていて、ドレス仕様ですね!
シングルレザーソールで、ヒドゥンチャネルで仕上げられています。
カントリーラインではなくドレスラインである!、というブランドの姿勢を感じますね。
ヒールのゴムはダブテイルですね。
ボックスカーフ
トリッカーズのボックスカーフは、コシが感じられる厚さのカーフという印象があります。
勿論上質なカーフですが、上のクラスの超高級靴が持つデリケートさとは違うタイプのカーフかなと思います。
丈夫で実用的なカーフのドレスシューズって、意外と他ブランドではあまり見ないかもしれませんね。
そのため、ドレスラインのコンパクトなシューズでも適度な重厚感がありますよね!
他ブランドのドレスシューズとは少し違う印象がする理由の1つではないかなと思います。
すなわち、多くのドレスシューズは流麗な方向にあるのに対し、トリッカーズは剛健を貫いている感じがするのです。
この点、現代のドレスは軽やかで柔らかでスポーティーでといった感じが多いので、ドレスシューズもそれに合わせた前者の方向を目指すのかなと思われます。
ただ、昨今は英国ファッション人気やトラッド人気の流れ、またデニムやワークパンツといったアイテムがデイリーに着られる流れもありますよね。
そうした服には厚みのある丈夫な生地や芯も使われる事があり、固さやボリューム感がありますので、後者のドレスシューズとの相性は良いように思います。
スエード
アッパーの話を最後に持ってきたのには理由がありまして、
それは素材違いのこちらも見て頂きたいから!
CHARLES F.STED & CO社のRepello Suedeが使われているそうです。
ボックスカーフの時の印象とはガラッと変わって、
ソフトで寛いだ印象がしませんか!!?
シンプルなシングルモンクである事でレザーの質感がよく伝わってきますね!
そして上品なバックルが適度なドレス感を演出しています。
個人的には、カジュアル感とドレス感のバランスが時代の感覚にもフィットするように思います。
つまり、実に今っぽい!!?
おまけ
状態の良いユーズドが1足だけありました!
サイズは「8.5」との事です。
まとめ
トリッカーズのドレスラインは良い意味でトリッカーズらしくないと言いますか、
カントリーラインのボリューム感のあるカジュアルさとは対照的な、
シンプルで、控え目で、伝統的なスタイルだと思います。
でも、伝統的なスタイルを守り続けているという意味ではカントリーラインと同じ姿勢ですよね。
それを貫けるブランドはなかなか無いように思います!(偉)
初回に、「英国ではブラックのシングルモンクストラップシューズはフォーマルとみなされる」と書きましたが、ブラックのボックスカーフの「MAYFAIR」であれば確かにフォーマル感すら感じますね。
完成された美しさが感じられ、まさにクラシックだと思います!
今回はここまでです。
ではでは。