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伊勢丹 靴博 2021 に行って来ました。(6)続々・ローファー考

 こんにちは。

 今日は曇り気味の晴れから始まったのですが、

 夜は雨がパラっと降っては止み、また降って、止んで。

 やはり台風の影響でしょうね。

 明日は大丈夫でしょうか。

 

 前回の続きです。

 伊勢丹靴博2021にサッとお邪魔してきました。

 気になっていた限定ローファーに狙いを定めて試着させて頂きました。

Crockett&Jones BOSTON2 Whisky

 とても心地良いフィッティングで、「ローファー選び脳」のスイッチが入ってしまいました。

 気が付くと、クラシックなローファーの頂点が4足も並ぶという靴天国。(夢)

 ひょっとして人生最後の茶のローファーについて考える時期が来ているのかもしれませんね。

 僕にとって理想的な茶のローファーってどういうデザインなのだろうか・・・。(悩)

 

 前回は「BOSTON2」と「986」をあれこれ比べて考えました。

 今回は「BOSTON2」と「180」を比べて考えたいと思います。

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 左(←)がCrockett&Jonesの「BOSTON2 伊勢丹靴博2021限定」

 ラスト376でウィズEです。

 右(→)がJ.M.WESTONの「180」

 ラスト41でウィズDです。

 

トゥ

 トゥのシェイプを比較してみましょう。

 「180」もボールガースからトゥへのアウトサイドカーブは鋭角で、シャープさのあるラウンドトゥですね。

 その上で、やはりトゥの高さが特徴的ですね。

 それをトライアングルモカのシャープな立ち上がりが強調しています。

 もちろん作りも細やかで丁寧です。

 

 「180」は革の質感とボックスのようなフォルムから、パリッとプレスされた服を着るような、折り目正しさをひしひしと感じました。(美)

 

ノーズ

 個人的に気になっていたのがノーズ長です。

 の前に、一言断っておきましょうね。

 今回僕が履かせて頂いた「180」のサイズは、基本的には「BOSTON2」と同じくらいのフィッティングでした。

 足指周りや甲の圧迫感、アーチや外側面のフィット感など、かなり近い感覚でしたね。

 つまりサイズ換算をすれば同一サイズ相当と言って良いと思います。

 

 さて、「180」と言えば、ショートノーズなイメージがある方もおられるのではないでしょうか?

 そういう記述や話をよく見聞きしますし、かく言う僕がそうでした。(笑)

 でもこうして並べて見ると、また履いてみた感覚的にも、意外とノーズが短い感じはしません。

 バランス的には「BOSTON2」とほとんど違わないと思います。

 

 では、「BOSTON2」にショートノーズというイメージは?

 ・・・無いですよね。

 であるならば、「180」だって、という構図です!(笑)

 

 ひょっとしたら、ウエストンでは更に下のサイズを勧められる事もあるのかもしれませんので、それで・・・??(万力締め)

 

 この点、今回僕が試着させて頂いた「BOSOTN2」、「180」、「LOPEZ」はいずれもグッドイヤーウェルト製法の靴です。

 これらの靴はインソールの下の中物にコルクが詰められていて、履いている内に体重でコルクが足形に沈みます。

 自分の足形に変形したインソールとコルクの適度な衝撃吸収性が履き心地を良くしていく作りとなっていますよね。

 

 ただし、コルクが沈む分だけ新品の時よりフィット感は緩くなります。

 その為、購入時に予めそれを勘案してサイズを選ぶ事になりますね。

 

 そこで気になるのがコルクの沈み具合です。

 全て同じだと分かりやすいのですが、やはりブランド毎に使われる材料や設計思想も違うようでして・・・。

 店員さんのご説明では、沈み具合が大きい順に「180」>「BOSTON2」>「LOPEZ」との事。

 ですので、仮に新品の時のフィッティングが同じくらいだとしても、年月が立つとそれぞれ違ってくる事になりますね。

 これを念頭にサイズを選ぶ必要があります!

 ブランドによって勧められるタイトさに違いがあるのはこういう事なのですね。

 

 そして、先の沈み具合の情報から単純に逆算すると、

 新品の時のマイサイズは大きい順に「LOPEZ」>「BOSTON2」>「180」となりますね。

 今回取り上げている「BOSTON2」と「180」で仮にハーフサイズ相当の違いが生じるとしたら、ノーズ長も「180」の方が短くなるでしょうね。

 でも、「180」で言われる「万力締め」って・・・ハーフサイズどころでは無さそうで、、、。 

 

エス

 ウェストのシェイプは「BOSTON2」の方がより絞られているように見えますよね。

 確かに足入れした感覚もフィットしていました。

 アーチの下からの当たりはそこそこでしょうか。

 

 「180」はこうして上から眺めると履き口の幅が広く見えますよね。

 でも、ウエストは絞られていてフィット感は良いです。

 履き口の広がりは後述するヒールの影響ではないかと思われます。

 

 両靴のインソールのフォルムを見ると、どちらもウエストが「く」の字になっていますね。

 実寸では「BOSTON2」の方が絞られているとは思いますが、フィッティングの感覚的には

 

ヒールカップ

 一番の違いはヒールカップの大きさかなと感じました。

 

 そもそも「BOSTON2」のラスト376は「BOSTON」のラスト314を改良したモノでしたよね。

 ウエストは細く、ヒールカップは小ぶりに!

 この改良がきちんと効いていると感じました。

 踵のフィット感はとても良かったです。

 そして、足にピタッとフィットさせる考え方が英国的なのかなぁと思いましたね。

 

 「180」のラスト41は、1945年に「180」が誕生して以来変わらない定番ラストです。

 普遍的なクラシックとも言える名ラストですね。

 そして、踵のフィットは「BOSTON2」程では無かったです。

 これは70年以上前のフランス人に合わせたであろうラスト41の踵と現代日本人の僕の踵の違いと捉えるべきなのか、

 それとも、フレンチローファーの設計思想として多少の空間を設けたものなのか、

 僕には分かりません。

 確かなのは、それも含めて「180」という靴だという事、その上で「180」の魅力を考えなければならないという事、でしょうか。

 もちろん、更にサイズやウィズを詰めた「万力締め」?をすれば変わるのかもしれませんが・・・。

 

 

感想 

 「BOSTON2」と「180」の気になるディテールの違いをあれこれ書いてきました・・・が、

 そもそも論として、

 両ローファーはかなり異なるタイプのデザインでしたよね。(初心)

 

 「BOSTON2」は前回書きました通り、パッと見はアメリカンタイプのデザインでも、実はしっかり英国靴なローファーです。

 英国靴らしいキチッと締まったエレガンスを踏まえた上で、アメリカンデザインを取り入れたローファーだと思います。

 

 「180」は、いや「180」こそがフレンチローファーですね。

 アメリカ寄りというよりはイギリス寄りのキチッとした印象です。

 でも、ボリューム感のような大胆さと繊細でシャープなエレガンスとが組み合わされたデザインはイギリスとは違いますよね。

 そういうところから独自の美を作ろうとする意思を感じます。

 

 やはり両靴も違う個性を持ち、実に魅力的な出来栄えでした。

 今回はここまでです。

 ではでは。

 

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