こんにちは。
今日は一日小雨で、梅雨らしい天気でした。
ありがたいのは、蒸し暑さがそれ程厳しくない事です。
それがいつまで続くか分かりませんが、今のところ恵まれている方だと思います。
感謝ですね。
前回の続きです。
ジョンロブのスニーカーの話をしています。
2014年にジョンロブのアーティスティックディレクターに就任したパウラ・ジェルバーゼが2015年に最初に発表したスニーカー「LEVAH」の話に入ってきました。
「レヴァー」はジョンロブがこれまで発表してきた「レザースニーカー」とは違った「新しいタイプ」のスニーカーですね。
その背景を勝手にあれこれ考えています。(楽)
注:個人の感想です!(笑)
「スタンスミス」を思わせるテニスシューズのようなデザインから、僕はファッションとしての「スタンスミス」の影響を考えました。
パウラ女史はファッションデザイナーですので、ファッションの潮流の中におけるシューズという視点にも長けておられるのではないかと想像します。
それが好意的に受け止められているのか、そうでないのか、いろいろな見方があると思います。
今回は思い切ってその辺に突っ込みます!(気合)
ファッションの視点・単体の視点
僕の感覚的な事ではあるのですが、
ファッションデザイナーが作るシューズは、トータルファッションから見たシューズという視点を感じる事が多いように思います。
言い過ぎかもしれませんが、ファッションデザイナーにとって中心はやはりウェアなのではないでしょうか?
そして、シューズはそのウェアに合わせるアイテムなのかなと。
例えば、デコラティブなウェアにはシューズも負けないくらい主張の強いデザイン、ミニマルなウェアにはミニマルなシューズ、という感じでしょうか。
また、装飾のためのデザイン、デザインのためのデザインを感じる事も多いように思います。
その中から新しいベーシックが生まれる事もあるのかもしれませんが、一過性の人気で終わってしまう事も多いように思います。
それに対して、
シューズブランドが作るシューズからは、シューズ単体と向き合う視点を感じる事が多いように思います。
考えてみれば当然ですよね。
だってシューズを作る事が全てで、ウェアは作っていないのですから。
そのため、実用性や機能性を起源とするデザイン、素材や作りに対する強い拘り、高度な職人技を活かしたデザイン、が見られます。
そして、意味のあるデザインが多く、デザイン過剰と感じる事は少ないように思います。
基本的にはクラシックなデザインを踏襲しているので長く履けると思いますが、新しいベーシックが生まれる事は少ないかもしれません。
そして、ファッションに大きな変化が起きた時、それに合わせたシューズをデザインするスピードも遅いかもしれませんね。
新生ジョンロブ
新生ジョンロブにネガティブな印象を持つ時、前者のような印象を感じる事もあるからではないかなと思います。
なぜジョンロブにとって前者のような印象がネガティブに作用するのか?
それはドレスシューズの王様とも称されるジョンロブは後者の代表格と言えるからなのかもしれませんね。
もちろん、現代的なラスト7000の開発や職人技の極致に挑むイヤーズモデルといったドレスシューズの最先端にあるブランドでもあります。
ただし、それはシューズブランドとしての伝統に裏打ちされた最先端だと思います。
だからこそ新しいのに普遍的な美しさを感じるという圧倒的な完成度なのでしょうね。
クラシックな靴はもちろん、最先端のクラシックをも生み出す力があるからこそ、ジョンロブは最高峰であり続けているのではないでしょうか。(王)
それに対して、ファッション的なデザインというのは、時として伝統から離れたように見える事があります。
この点、伝統はジョンロブの大きな強みですから、そこから乖離してしまうとジョンロブの魅力を損なう可能性がありますよね。
そう感じる時、新生ジョンロブはネガティブな印象となるのかなぁと思います。
しかし、伝統から離れる事で新しい魅力が生まれる事もあります。
それはジョンロブの新しい魅力となり、ブランドを飛躍させる可能性があります。
新生ジョンロブの新しいデザインが「飛躍」となるか、「乖離」となるか、それは時を経る事で分かる事なのかもしれませんね。
「飛躍」の必要性(?)
あれやこれやと妄想を膨らませている僕ですが、
ひょっとしたらジョンロブがアーティスティックディレクターに求めるものも「飛躍」なのかな??
とも思えてしまいました。
これこそ飛躍!??(苦笑)
というのは、
時代の変化とともにファッションが変化すれば、そこで求められるシューズも変化していきますよね。
その変化に対してドレスシューズブランドはこれまでどのようにして対応してきたのか考えてみると、
有名ファッションブランドやファッション感度の高い有名セレクトショップ等の「別注」や「コラボレーション」が思い浮かびました。
そこから誕生したシューズは、既存品の素材や色やソール等のパーツ変更から、専用ラストの開発までありましたね。
ただし、あくまでドレスシューズブランドの伝統的な靴作りによって作られていました。
そのようなやり方で対応できるくらいのファッションの変化であったと言えるかもしれませんね。
しかし、特に近年はドレスからカジュアルへの流れが大きくなってきているように思います。
そして、スニーカーの台頭がドレスシューズの領域を侵食してきているとも言われています。
これはドレスシューズのあり方を変えるくらい、そしてスニーカーの需要を無視できないくらいの大きな変化なのかもしれません。
そうした新しいカジュアルスタイルに対応できるシューズを開発する事は、「飛躍」を要する事なのかもしれませんよね。
実際のところどうなのかは僕には分かりませんが、
パウラ・ジェルバーゼをアーティスティックディレクターに迎えた新生ジョンロブによる最初のコレクションで発表された作品は、新しいデザインでしたね。
その1つが「レヴァー」でした。
長くなってきたので、今回はここまでです。
ではでは。