こんにちは。
今朝はもの凄い暴風雨・・・(驚)
午後は一気に晴れましたね、、。
気温も肌寒かったのが蒸し暑さに変わり・・・。
前回の続きです。
「BORDON」のソールに注目しています。
ダブルレザーソールだけれどもウエストの箇所を薄く削った 「テーパードダブルレザーソール」が採用されていましたね。
カジュアル寄りだけれども耐久性のあるダブルソールの実用性にドレス感を取り入れた仕様とも言えます・・・
が、はたしてドレス感をソールの厚みだけで判断して良いの?
・・に入る前に、
ウェルトにも注目します!
シングルウェルト
コバに注目すると、
出し抜いのステッチはヒールの手前までとなっていますね。
シングルウェルトです。
グッドイヤーウェルト製法は、
ウェルトとアッパーを掬い縫いで繋げ、
ウェルトとソールを出し縫いで繋ぐ事で、
アッパーとソールがウェルトを介して繋がる構造ですね。
因みに、
ウェルトが踵までぐるりと靴を一周しているのがダブルウェルトで、
西欧では主にカントリーシューズのようなカジュアル・スポーツシューズに多く見られますね。
例えばこちらの「Froswick」。
「BORDON」と同じくゴールドのユタカーフのキャップトゥダービーですが、
だいぶ印象が違いますよね?
アイレットの数やパーフォレーションの有無という違いはありますが、
ラストの違いもありますが、
アッパーのデザインにそこまで大きな違いがあるようには見えません。
やはりソールの違いによる影響が大きいように思います。
因みにラストの違いですが、
「Keswick」はカントリー系の58ラストのトゥをシャープにする等した72ラストで、やはりカントリー系のラストです。
「BORDON」は繰り返しになりますがドレス系のラスト202です。
画像を見た感じでは72ラストもスッキリした印象ですね。
ソールの話に戻ります。
「Froswick」もダブルソールで厚みがあります。
加えて、ストームウェルト仕様でコバがかなり張り出しています。
さらに、ダブルウェルト仕様でヒール周りも同じようにコバが張り出しています。
ソールのボリューム感・存在感によってカジュアルな印象となっていますね。
これに対して、
「BORDON」も同じくダブルソールで厚みはあります。
でも、フラットウェルト仕様でコバの張り出しが控えめです。
また、シングルウェルト仕様なのでヒール周りはすっきりしています。
ここで効いてくるのが前回の「テーパード」です!
ウエストからヒールへとコバの張り出しが無くなるシングルウェルトだからこそ、「テーパード」によるウエストの締まりが強調されるように思います。
丸コバにするとより一層ですが、であれば内鳩目の方がバランスが良いのかも。
全体的にソールのボリューム感が抑えられている事で適度なドレス感が生まれていますね。
「Froswick」と「BORDON」、
同じようなアッパーデザインであっても、ソールの違いによって印象がだいぶ違いますね。
ひいては、靴のポジションまで違うように思えます。
「Keswick」は現代的なカントリーシューズ、
「BORDON」は現代的なカジュアルドレスシューズ、
という感じがします。
あらためて、
シングルウェルトの「BORDON」の後ろ姿を見てみましょう。
重々しさが無く、すっきりとしていますね。
『エドワードグリーン』の丸みのあるヒールカップのフォルムも際立ちます!
ドレスシューズと同じ仕様で、ドレス寄りな雰囲気が感じられますね。
ここでやっと前回の続きに入ります。
前回はシングルソールとダブルソールでドレス感を計る試みをしましたが、
上で見てきたように、
コバの張り出し加減やステッチの存在感、
ウエストやヒール周りのボリューム感やコバの仕上げ、
などによる影響も大きいように思います。
それとアッパーとのバランスによって、
大人しくドレス感のある印象に見えたり、
コントラストが効いて洒落て見えたり、
タフでカジュアルな印象に見えたり、
するのではないでしょうか。
あらためて「BORDON」を見直すと、
こうして眺めると、フロントのダブルソールの厚みが感じられますね。(笑)
ただ、コバの張り出しは抑え目、ステッチは若干カジュアルですが、目付は細やかです。
そして、適度な厚みのダブルソールがユタカーフのボリューム感もきちんと受け止めてていて、バランスがとれているように思います。
仮にダブルウェルトであったなら・・・
カジュアル感がグンと強くなるかもしれませんね。
伝統的なキャップトゥダービーからすれば素直なのかもしれません。
それを現代にアップデートしたのが「Keswick」ではないかな。
でも、僕が思うに、
「BORDON」は現代におけるキャップトゥダービーを提案しているのではないかと。
今回はここまでです。
ではでは。