こんにちは。
今日は雨、それも冷たい雨で、寒い一日でした。
桜も散ってきましたね。
例年よりだいぶ短く感じるのは気のせい?
ちょうど夜はNHKスペシャル・・・
誰かにさせられているからでは無く、自らの意思で行動する市民の姿が共感を呼んでいるのだと思います。
前回の続きです。
『フラテッリ ジャコメッティ』のシングルモンクを取り上げています。
F.lli Giacometti ALBERT mathematics exclusive
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いわゆる「メリージェーン」ですね。
もともとは英国貴族がセレモニー用として履いていたデザインと言われているようですので、メンズシューズだったのでしょうね。
でも、現在ではレディースシューズでお馴染みのデザインです。
そのため、一見レディースっぽいような、でもメンズらしさも感じます。
メンズらしさが感じられるのは、要所要所のデザインが効いているからではないかと思います。
その1つが前回書いたキャップトゥでした。
さり気なく、華やかに、シングルモンク。 (109)F.lli Giacometti メリージェーン (前) - 靴と歩む、僕の...
もう1つ、
ストラップとバックルのデザインも効いているように思います。
ストラップ
ストラップの幅はかなり太いですね。
「メリージェーン」は太めの傾向がありますが、それにしても太めだと思います。
そして、よく見ると、縁にはトリプルステッチが施されています。
こうした重厚感のあるデザインはメンズ寄りかなと。
でも、太めのストラップではありますが、トリプルステッチではありますが、カジュアル感というよりもドレス感と言いますか、綺麗目な印象ですよね!?
その理由は、やはり上質なカーフと綺麗なコバ処理によるものではないかと思います!(美)
ストラップの先端は僅かに角度がついたストレートカットです。
後述するバックルのデザインとリンクしていますね。
また、ソールの近くまで伸びています。
ストラップとしては長めだと思います。
敢えて長めにする事でボリューム感が出て、印象的なデザインになっていますね!
バックル
太めのストラップに対応するバックルもかなり大きめです。
大きめではありますが、フレーム幅はかなり細いのでボリューム感が抑えられています。
角に丸みのあるスクエア型で、非常にシンプルなデザインです。
色はアンティーク感のある艶消しのゴールドです。
スマートでモダンな印象のバックルですね!
インパクトの強いトゥのクロコダイルに対して、太くてスマートなストラップとバックルはバランスが良いですね!!
さらに好バランスを生んでいるのがヒールです。
アウトサイドカウンター
ヒールにはカーブを描いてカットされたアウトサイドカウンターが縫い合わされています。
しかも、トリプルステッチです!!
カットラインはクラシカルなドレスシューズに見られるデザインと共通するもので、スマートでエレガントな印象を維持しつつ、トリプルステッチでボリューム感を出していますね。
ただし、革のカット、コバの処理、整然としたステッチなど、非常に美しい仕上がりですので、本来はカジュアルなデザインなのにカジュアル感は抑え目な印象ですね!(美)
そして、前述したトゥキャップのクロコダイルとのバランスです。
ゴツゴツとボリューム感のあるクロコダイルに対して、上質なカーフはスマートな印象です。
そのカーフの箇所に、太いストラップやアウトサイドカウンターの革の切り返しやトリプルステッチで適度なボリューム感をデザインする事で、トゥのクロコダイルとのバランスが上手に取られていますね!
トリプルステッチはトップラインにも施されています。
後ろ姿
ヒールは小ぶりで、丸みもしっかり表れています。
アウトサイドカウンターの中央下にカットが入り、寄せて縫われていますね。
ヒールのコバは少し張り出しています。
出し抜いのステッチはありませんね。
ヒールの積み上げはやや高さがあるように思います。
安定感のあるドレス感といったところでしょうか。
ソール
底付けについては記載が無いので、
グッドイヤーウェルト製法なのか、ハンドソーンウェルト製法なのか、
分かりません。
この点、見分け方について書かれた記事を見つけました!(感謝)
『F.lli Giacometti』の歴史についてチェックしていた時にもお世話になった『菅原靴店』さんの解説で、ポイントは靴の中!(学)
本靴では見られなませんね・・・。
ただ、『ジャコメッティ』ですのでハンドソーンの可能性が高いかと。
ダブルレザーソールでしょうかね??
ヒドゥンチャネルです。
シンプルですが、丁寧でとても美しい仕上がりですね。
ヒールのウエスト寄りインサイド側の角をよく見ると、斜めにカットされていますね。
角が立つと引っかかりやすい箇所だそうで、それを軽減するデザインと言われています。
コバの処理まで丁寧ですね。
感想
イタリアの北部からのブランドだから、というわけでも無いのかもしれませんが、
自由で、伸びやかで、色気があって、明るい、といったイタリア靴というよりは、
大胆なアイディアがありつつも綺麗に上品にまとめられた端正なイタリア靴という印象がします。
独特の個性が魅力的なブランドですね!
今回はここまでです。
ではでは。