こんにちは。
今日も晴れて、比較的暖かかったように思います。
久しぶりの秋らしい感じでしたね。
では、前回の続きです。
英国靴のプレーントゥダービーについて書いています。
最初はトリッカーズのウッドストックから。
Tricker's WOODSTOCK
ダービー
クオーターの革の切り返しがあるタイプのダービーです。
ヨーロッパのダービーはこのタイプが主流のように思います。
オールデン990のようなホールカットタイプのプレーントゥダービーと比べて、
クオーターのデザインによって靴の印象も変わってくるので、デザインの余地が多くなりますね。
この点、ウッドストックの特徴的なデザインとして、
羽根の根元からソールへとカーブを描いて落ちていくステッチがトリプルステッチになっている点が挙げられます。
丈夫さを求める場合の縫い方で、ミリタリーやワークシューズを思わせますね。
レッドウィングのMil-1もトリプルステッチでしたね。
無骨でカジュアルなデザインが効いています!
他には、
ドレスシューズでは5アイレットが一般的ですが、ウッドストックは4アイレットですね。
バートンも同様ですので、カントリーシューズでは4アイレットが基本なのかもしれませんね。(?)
レースホールが少ない事で靴紐を解くと羽根を広げやすくなりますので、脱ぎ履きは楽ですね!
ただ、バートンは外鳩目ですが、ウッドストックは内鳩目で少しドレッシーです!(笑)
羽根の下部は水平のカットですね。(Vフロントでは無い)
因みに、このようなカットを「NAVVY CUT」と呼ぶようですね。
この機会に色々と調べている中で知った言葉です。(感謝!)
ナヴィというのは土木作業をする人夫という意味だそうで、ミリタリー(工兵など)に繋がりますね。
そしてカントリーシューズ にもピッタリ!
アウトサイドカウンター
ウッドストックはアウトサイドカウンターの革の切り返しのデザインも特徴的だと思います。
外側から中央を通り内側の途中までの革と内側の革の2枚で構成されていますね。
まず、(イン)サイドから見てみましょう。
ヴァンプの革とクオーターの革がカーブを描いて縫い付けられている箇所に注目して下さい。
そのカーブの途中に対してアウトサイドカウンターの革の切り返しが届いていますね!
すなわち、アウトサイドカウンターのサイドラインが長い!!
これは個性的なデザインだと思います。
でも、どこかで見たことあるような・・・?
!
JMウエストンのゴルフだ!!
デザイン的な意味があるのかなぁ??
因みに、多くの靴ではアウトサイドカウンターはヴァンプ に届かずにソールへ落ちていきますね。
次は後ろから。
シームレスヒール !!??
踵を補強するためにアウトサイドカウンターの革の切り返しが縫い付けられているのですが、後ろから見てステッチが一切無いですね。
これは綺麗だと思います!(好)
因みに、バートンはセンター割りのステッチがあります。
モールトンも下部に少し皮を合わせた縫い目がありますね。
ソール
オールアラウンドグッドイヤーウエルト製法です。
出し抜いのステッチが踵までぐるりと一周していますね。
ストームウェルトもあります。
そして、ダブルソールです。
革も厚みがあるので、分厚いソールとなっていますね。
全体的にボリューム感のあるソールです。
これこそカントリーシューズですね!
まとめ
シンプルな見た目は綺麗目ですが、
特にブラックのボックスカーフはドレス感もありますが、
革、縫い、ディテール、ソール、などから醸し出される雰囲気はカジュアルですね。
無骨でタフなワークシューズだけれども、シンプルで綺麗な印象もあります。
クセがあまり無いので様々な服とも合わせやすいですよね。
だからでしょうか、ファッションブランドともコラボしたり、採用される事も多いデザインだと思います。
マーガレットハウエルのようなクリーンでモダンなスタイルにぴったりですし、
コム・デ・ギャルソンのようなアバンギャルドなスタイルともハマりますね。
そう考えると、、、
ウッドストックは強さを感じるプレーントゥダービーですね!
ではでは。