こんにちは。
今日は曇り時々晴れ。
8月ってこんなんでしたっけ??
猛暑よりはありがたいですけど。
前回の続きです。
『トリッカーズ』のキャップトゥダービー「MATLOCK」を取り上げています。
Trickers MATLOCK
|
前回はアッパーデザインについて書きました。
その続きです。
アウトサイドカウンター
ヒールに注目すると、
クォーターの革の切り返しの上からもう一枚、ヒールカップに沿った革の切り返しが縫い付けられています。
アウトサイドカウンターです。
ヒールの保護を思わせるディテールで、ダービーやブローグといったカジュアルなデザインの靴によく見られるように思います。
カットラインに注目すると、ソールへと落ちていかずに、ヴァンプと接していますね。
ここもカントリーシューズと通じる『トリッカーズ 』らしいデザインだと思います。
ソール
コバと接するアッパーの淵にウェルトが掛かっています。
出し抜いのステッチは踵まで施され、ぐるりと靴を一周しています。
ストームウェルト仕様のオールアラウンドグッドイヤーウェルト製法ですね。
ソールはダブルソールで、アウトソールはコマンドパターンのラバーソールです。
カントリーシューズと同じソールで、悪路にも対応できますね!
ただし、
コバの張り出しもしっかり出てしまいますし、
ゴツゴツとしたソールパターンも見えてしまいます。
そのため、ドレスシューズには採用されないデザインというのが伝統的だと思います。
しかし、昨今はドレスとカジュアルの間をとり、両方に対応するようなデザインが登場してきていますよね。
ドレスシューズでも畏まり過ぎず寛いだ感じ、
あるいは、
カジュアルシューズでも無骨過ぎずキレイめな感じ、
でしょうか。
「MATLOCK」は後者にあたるでしょうね。
おまけ
『TRADING POST』にも「MATLOCK」が有りました!
「近年人気の高いドレス+カントリーの組み合わせ。」とありますね!
そして、「キャップトゥとダービーの組み合わせは、ドレスとカジュアルの中間的な印象になる」と。
こちらのモデルではアッパーに「オーガニックなOLIVVIA SCOTCH GRAINと呼ばれるオリーブの葉のエキスを用いて100%天然素材で鞣されたレザー」が使用されているとの事。
OLIVVIAは190周年の時に登場したあの革ですね!!
こちらの記事で説明がありました。(感謝)
ドイツ『ワインハイマー』社の革で、
(2019年当時)Tricker'sのみ使用されているとの事。
足あたりはフワっと包みこむソフトタッチなのですね。
新品時はゴツくて硬いのがトリッカーズ !!というイメージとは正反対ですね。(笑)
ライニングもイギリスを思わせるグリーンで、特別感がありますね!
感想
カントリーブーツと同じラスト4497Sに、グレインレザー、
ストームウェルト仕様のオールアラウンドグッドイヤーウェルト製法にコマンドソール、
と、ベースとなっているのはまさにカントリーシューズですね。
そこに、イミテーションキャップトゥと内鳩目というデザインを取り入れる事でグンとドレス感が増しています。
しかも、非常にオーソドックスなデザインです!
ベーシックでモダンな感覚ですね。
ちなみに、これがプレーントゥになると、ラストの時にもご紹介した「WOODSTOCK」になりますよね。
トゥのステッチの有無というディテールの違いですが、
意外と印象が大きく変わるようにも思います。
ここについては特集の初めの頃にも書きましたが、
プレーントゥの方がシックでエレガントな雰囲気を感じます。
プレーントゥダービーはアメリカントラッドの定番とされていますし、フレンチにも合いそうかなと。
キャップトゥは昼間のフォーマルなイメージや、ワークやミリタリーな雰囲気も感じます。
イギリス的なイメージもあり、キャップトゥダービーは(モダン)ブリティッシュトラッドなファッションにぴったりではないでしょうか!
今回はここまでです。
ではでは。