それでは靴を見ていきましょう。
Stefano Bemer シボ革
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『ステファノ ベーメル』と言えば?
シングルモンクの「201」!!
と言われるそうです。
本靴の商品説明には記載が無いので定かでは無いのですが、
おそらく本靴も「201」ではないかと思われます。
見ていきましょう。
フォルム
ノーズ長はやや長めで、現代的なスマートな印象です。
シングルモンクのデザインの効果で、より一層ノーズが長く見えますね!
幅は中庸くらいでしょうか。
ボールジョイントからトゥへの窄まりは緩やかなカーブです。
サイドにエッジは感じられず、大らかな丸みがありますね。
ウエストはキュッと締まっていますね。
ヒールもコンパクトです。
総体として、前半は大らかさのあるスマートさ、後半は締まりのあるコンパクトさ、という印象です。
トゥ
トゥはスクエア気味のラウンドで、セミスクエアでしょうか。
そして、ほんのりチゼル気味に見えます。
サイドもトップも丸みを持たせて成形されているので、シャープな感じというよりもクラシカルな上品さが感じられますね。
大人のドレスシューズとして履きやすいスタイルだと思います。
シボ革
「革の魔術師」とも称されたステファノ・ベーメル氏。
他ブランドではなかなか見られない個性的な革を使いこなす技術に長けています。
また、一般的な牛革であっても、クオリティの高い革を使っています。
・・そもそも、価格帯も超高級靴ですからね。
本靴はシボ革です。
全体にシボがしっかり表れていて、自然な光沢もあり、品質の高さが伝わってきますね。
バッファローレザーでしょうかね??
横顔
『ステファノ ベーメル』の木型の特徴としてトゥから甲にかけてのせり上がりがよく挙げられています。
ヴァンプの前方は低く抑えられ、中程からグンとせり上がっていますね!
トゥが地面に接しており、トゥスプリングがありませんね。
このスタイルもイタリア靴らしい特徴だと思います。
クォーターの革の切り返しも、羽根もありません。
スリッポンをベースにしたシングルモンクですね。
履き口はやや短めのバランスですね。
甲の高い位置までしっかり覆われ、スリッポンと言えどもドレス感のある印象だと思います。
そして、ストラップもやや高い位置(足首寄り)にかかっていますね。
これによってヴァンプのスペースが広く、ノーズが長く見えます。
ストラップ、バックル
ストラップはソールのウエストの辺りから伸びています。
革の切り返しは裾広がりのデザインで、裾がかなり広いのが特徴的ですね。
ストラップの幅はドレスシューズらしい細さです。
先端は剣先型にカットされています。
対応するバックル側の革の切り返しもソールのウエスト辺りから伸びていて、裾広がりのデザインです。
バックルもドレスシューズらしいコンパクトなサイズです。
そして、バックルのデザインも特徴的です。
トノー型ですね。
絶妙なカーブで立体的なフォルムとなっています!
シンプルながらもオリジナリティーのあるバックルですね!!
シームレスヒール
ヒールには縫い目が一切ありません。
シームレスヒールです。
ヒールカップの立体感も綺麗に表れていますね!
少し深さのある感じでしょうか。
ヒールのコバは僅かに出ています。
積み上げは少し高さがある感じですね。
仕上げも丁寧で綺麗です。
ソール
『ステファノ ベーメル』の既成靴なので、底付はハンドソーンウェルテト製法ではないかと思われます。
シングルレザーソールです。
ユーズドなので底面は削れがありますが、ヒドゥンチャネルですね。
ヒールも十分な大きさがあります。
トップリフトはラスターですね。
感想
クラシカルで上品なスタイルをベースに、現代的なバランス感覚やオリジナリティーのあるデザインが適度に加えられています。
そして、既成靴でありながら手間をかけた上質な作りがされています。
ビスポークから始まったブランドならではの拘りが見事に反映されていますね!
後発のブランドにもかかわらず目の肥えた大人のファッション関係者から高く評価され、
イギリス等の老舗高級靴ブランドと並べられる地位に立ったのも納得です。
今回はここまでです。
ではでは。