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キャップトゥでもダービーで! Edward Green BORDON ⑩ ユタカーフ

 冒頭から申し訳ございませんなのですが、

 昨夜この記事を「公開する」にしておらず、

 今頃になってしまいました。

 

 こんにちは。

 今日は晴れました。

 気温もそこそこ上がって、ちょっと暑かったですね。

 この寒暖差・・・。

 

 前回の続きです。

 僕のエドワードグリーン「BORODN」を取り上げています。

 特徴的なディテールの1つ、ユタカーフについて書いています。

 前回も書きましたが、僕がエドワードグリーン&ユタカーフの組み合わせを知ったのはここ数年のこと。

 なので、割と新しい革なのかなと思うのですが、どうなんでしょうね??

 引き合いに出されるロシアンカーフを『ジョージ・クレバリー』が買い付けたのが1986年とのことでしたので、ひょっとしたらユタカーフも90年代頃とかにはあったのかなぁ。

 

厚み

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 タンやトップラインの革が切りっぱなしなので厚みが見られますね。

 カーフとしては厚みがある方ではないでしょうか。

 厚みがあるからか、履き皺はわりと大きな畝が表れるように思います。

 

 そういえば、昔のカーフは厚みがあったと言われますよね。

 ユタカーフについてはクラシック感が強いという印象を持たれる方もいるようで、

 その理由としては200年以上も昔のロシアンカーフのイメージが影響していると思われます。

 加えて、厚みのあるカーフにクラシックな雰囲気を感じるからかもしれませんね!?

 

 手元にあったジョンロブのバッファロー カーフと並べてみました。

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 バッファロー カーフ(←左側)も、タンをご覧頂くとその厚みが伝わるでしょうか。

 適度なハリがあり、長年履いていても形崩れが少なく、復元力が高いと思います。

 

 ユタカーフ(→右側)も、負けず劣らず厚みがありますね。

 バッファロー カーフとと比べると、より柔らかな感触がします。

 

 

 さて、厚みのあるカーフではありますが、とても柔らかいのです!

柔軟性

 ユタカーフはフランスのタンナー『Haas』社が作る革ですが、前回の記事の中に「NOVONAPPA」に型押しをしている旨の情報がありましたね。

 『Haas』社のHPにによると、

www.tanneries-haas.com

 「Novonappa」は『Haas Tanneries』を50年以上にわたって有名にした革なのですね。(凄)

 つまり、50年以上前からある革という事ですよね。

 

 クロム鞣しとベジタブルタンニン鞣しを行うダブルタンニン鞣し製法との事。

 その後、皮にドラムスタッフィングでグリースを塗ります。

 

 「Novonappa」には良質な原材料が必要となります。

 主にフランスの仔牛で、強い繊維構造を持っています。

 買い付けた皮の30%だけがこの革のニーズを満たしてます。

 

 Footwear用途としては、1.4/1.6mm or 2.0/2.2mm の厚さがあるそうです。

 

 その「Novonappa」を使った製品について書かれた記事を見つけました。(感謝)

www.wildswans.jp

 混合鞣しは別名コンビ鞣しとも呼ばれるそうです。

 クロームとタンニンの2つの鞣し方法を組み合わせる事によって両方の特徴を併せ持つ革を作ることができるのですね。

 特に「ノボナッパカーフ」はクローム鞣し革の特徴である柔らかさやしなやかさだけでなく、加脂により革内部に沢山のオイルを含んでいるそう。

 光沢や色の変化といったエイジングも愉しめるとの事です。

 

 そしてユタカーフです。

 鞣しについてこちらの記事を読ませて頂きました。(感謝)

山西 謙次のユタ・カーフ特集 | STRASBURGO

革靴の魅力に嵌る - ル・ボナー

 クロームで鞣した後、

 栗、ミモザ南アメリカ原産の木材ケブラッチョの樹皮などを混ぜ合わせたタンニン鞣しを加えます。

 ここまではおそらく「Novanappa」の鞣しでしょうね。

 その後、型押しをして、9種類のオイルを染み込ませた革なようです。

 

 ここで、9種類のオイルが入るのは型押しの「後」なのだろうか?という疑問が。

 鞣し段階であれば「前」でしょうし、仕上げ段階であれば「後」なのかもしれません。

 調べているのですが情報はみるかりませんね。

 9種類についても・・・分かりません、、、企業秘密ですよね。

 

  長くなりましたが、

 つまりはオイルレザーなのですね。

 ゆえに、とても柔らかいのでしょう。

 

 油分がしっかり入った革は、傷も付きにくいですね。

 柔らかい事でダメージを吸収しやすいからでしょうか。

 また、傷が付いても指で揉み解すと馴染んで目立たなくなります。

 

 なお、オイルレザーと言っても、ベタっとした感じではありませんのでご安心を。

 しっとりとした感触はありますが、どちらかというと軽い感じのオイルではないかと思われます。

 厚みとの関係でも、指で押しても反発するような、ふんわりとした柔らかさです。

 

三越伊勢丹オンラインストア

EDWARD GREEN での名称

 ところで、あらためて『EDWARD GREEN』の公式HPを見ているのですが、

www.edwardgreen.com

 エドワードグリーンでは「Delapré」と「Utah」という名称を使っていますね。

 ライン川近くで鞣された革と説明しています。

 『Haas』社はアルザス地方ですので、ライン川に近い地域と言えるでしょうか。

 

 「delapré」はライン川近くで鞣された革で、9種類の油脂が使われていると。

 これはおそらく「Novanappa」の事ではないかと。

 というのも「Utah」は「delapré」に型押しをした革とのことですので。

 

 今回はここまでです。

 ではでは。

 

おまけ

 楽天でユタカーフを使った靴を見つけました。

 

 状態も良いですね!


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