前回の続きです。
今日は曇りのち雨、時折豪雨、でした。
今朝は久しぶりに涼が感じられましたね。
あらためて、暑いだけで疲れるのだなぁと再認識しました。(苦笑)
前回の続きです。
『ジョセフチーニー』の「CAIRNGORM H」を取り上げています。
JOSEPH CHEANEY CAIRNGORM H
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2020年に誕生したモデルです。
ミリタリーシューズをベースにドレス感を加えたハイブリッドなデザインで、
まさに現代的なキャップトゥダービーですね!
今回はアッパーです。
この点、ベースとなった定番モデル「CAIRNGORM 2R」のアッパーには、
ドイツ『ワインハイマー』社のカントリーグレインレザーが使われています。
キャップトゥダービーで! (31)JOSEPH CHEANEY ① CAIRNGORM (E) - 靴と歩む、僕の...
粒々としたシボがあり、水や汚れに強い、丈夫な革です。
カントリーシューズでもよく見られますよね。
しかし、「H」では違う革が選ばれています!
クロムエクセル レザー
クロムエクセルレザーは、アメリカ・シカゴにある老舗タンナー『Horween』社を代表するレザーの1つです。
『ホーウィン』といえばシェルコードバンでも大変有名ですよね!
こちらの記事を読ませて頂きました。(感謝)
クロムエクセルレザーは100年以上の歴史があるそうで、今も変わらず89以上にも及ぶ工程を経て生産されています。
原皮には、全てステアハイド(生後3−6ヶ月以内に去勢された生後2年以上の牡牛の革。牛革の中で一番の強度を誇る。)を集め、タンナーで一枚一枚確認した後におよそ2.5mm厚以上の原皮のみを選別するそうです
厳選された原皮にタンニン鞣しとクロム鞣しを組み合わせたコンビ鞣しがされます。
牛脂、蜜蝋、植物性脂、魚脂など4種類以上の油脂をブレンドした特製のオイルを塗り込み牛革に浸透させます。
通常の皮革は作業効率等をメインに加工を行うため、一般的には石油等の浸透率の良い素材を使用し、科学的視点から革に油を染み込ませる手法を使うそうです。
しかし、『ホーウィン』社の革は通常の何倍もかけて「皮のペース」でじっくりと油脂を漬け込み、染み込ませるそうです。
そのため、革はベルトに使われる程厚みがあるにもかかわらず、油分が多く、質感や重量感が他の革とは比べられない独自の雰囲気との事。
こちらの記事にも言及がありますね。(感謝)
「オイルドレザーの王様!」と称されています。
とおっしゃるのは、靴と鞄の修理や革小物職人となられてからもたくさんの革に触れてこられたご経験において、クロムエクセル レザー以上にオイルたっぷりのレザーは見たことがないそうです!
芯までオイルがたっぷり入っている革の総称を「オイルドレザー」と呼ぶそうですが、その中でもクロムエクセルは別格というのもこういう事なのですね。
やはり昔ながらの手間隙をかけた仕事は貴重です。
そうして作られた革にはマニアックなファンがいるくらい評価が高いですし!
長年愛用できる革には大きな魅力があると思います。
そんなクロムエクセルレザーですが、
元々はワークブーツ用に仕立てられた革との事。
有名なところではオールデンやホワイツ、ウルヴァリンといったワークブーツ、
つまりアメリカの鉱山労働者に向けたワークブーツに使用されています。
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耐久性や堅牢性に優れた革という事ですよね!
また、オイルをしっかり含んでいるので比較的水気にも強くなっています。
ただし、革には厚みがありますが。
ですので、
やはり伝統的にはワークブーツやカジュアルシューズ向きの革なのかな!?
今回はここまでです。
ではでは。