こんにちは。
今日も晴れました。
時折冷たい風も吹きました。
さすがに冬の風があると寒いですね・・。(震)
『オールデン』のキャップトゥダービーを取り上げています。
次はこちらです。
Alden 56201 パンチドキャップトゥ バーガンディーコードバン
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ユーズドですので、甲に履き皺が入っています。
大きな畝が表れた特徴的な皺ですね!?
そう、アッパーの革は
シェルコードバン
アメリカのタンナー『HOWEEN』社のシェルコードバンです!
1905年にイリノイ州シカゴで創業した老舗のタンナーですね。
革のダイヤモンドとも称される美しい艶が魅力の革ですね。
あらためてコードバンについて丁寧に書かれた記事を読ませて頂きました。(感謝)
シェルコードバンは農耕馬の臀部にあるコードバン層からのみ作られます。
馬であれば競走馬やポニーでも良いという訳にはいかなないのですね。(学)
そもそも良質なコードバンを採取できる農耕馬の数自体がかなり限られ、
さらにコードバン層は臀部のみ、しかもダメージの無い箇所だけしか使うことができない、
のですから、原皮の段階でかなり希少な事が分かりますね。
その上で、
6ヶ月もの歳月と手間隙をかけて品質の高いシェルコードバンが作られるのです。
ざっと考えても、かなり貴重な革ですよね。(尊)
こちらの記事も読ませて頂きました。(感謝)
「クロム鞣し、顔料仕上げ」の革であれば数日で作れるそうで、安価で大量生産が可能だそう。
『ホーウィン』社のクロムエクセルでも30日で完成するそう。
それに対して6ヶ月という期間がいかに長いかが分かりますね。
ところで、2012年に原皮の供給がストップし、一切の生産ができなくなった事があったのですね。(危機)
この件については、こちらの記事も読ませて頂きました。(感謝)
2012年末、急に原皮の供給が止まったのですね。
その原因についていろいろな噂話はあったようですが、確証は無いようで・・・。
しかし、2013年末から原皮の供給が戻ってきたのですね。
今のところもシェルコードバンはなんとか作り続けられているようです。(幸)
実は以前にもシェルコードバン絶滅の危機があったといわれています。
こちらの記事を読ませて頂きました。(感謝)
1960年代、欧州のカーフ レザーが高級靴の素材として広く支持されるようになり、コードバンの需要が減少したのですね。
ただでさえ生産効率の宜しく無いコードバンですから・・
『ホーウィン』社も生産中止を検討していたそうです。
しかし、当時の『オールデン』社長アーサー・ターロウは、かねてからコードバン靴に深い愛着を感じており、『オールデン』の主要ラインナップにコードバンは欠かせないものを確信していたのですね。
ホーウィンを説得し、2年分の革をまとめてオーダーした事で生産中止を食い止めたと言われています。
今現在も『オールデン』といえばシェルコードバンですから、正しい判断だったと言えますね。(凄)
そして、両社の信頼関係から特に上質な革を『オールデン』が優先的に使用できると言われていますね。
話を戻しますね。
6ヶ月もの時間をかけて作られたシェルコードバンの特徴もチェックします。
まずは、オイルをたっぷり含んでいる事です。
そのため、柔らかくてしなやかな質感となります。
また、最初からギラリとひかります。
その表情からツルツルとしていそうですが、手触りはしっとりしています。
どれもオイルによる効果として納得ですね。
続いて、ナチュラルな表情です。
色合いは均一では無く、ムラもあります。
また、毛穴が見えたり、血管の跡があることもあるそうです。
ただし、そうした箇所は革製品を作る際に使われなければ製品には表れませんが。
ムラや血管の跡などはダークカラーであればほとんど目立たないと思います。
逆にライトカラーになる程目立ちますね。
そのためライトカラーは特に原皮の状態が良くないと作れないと言われていますね。
なお、こうした特徴は品質として問題であるとも言えそうです。
しかし、以前シェルコードバンの鞣し工程について書いた時に知ったのですが、
昔ながらの製法を守って作るからこそ、そうした特徴が表れるのかなとも思うのです。
もちろん、より丁寧な、より緻密な職人技を追求する事で、ムラの無い、血管の跡が見えないシェルコードバンを作る事はできるのかもしれません。
ただ、ベテラン職人を擁する『ホーウィン』をしても出来ないのですから、非常に難しいのではないかとも思うのです。
むしろ、化学薬品や機械を使う事で均一な見た目を作る事ができそうですし、ひょっとしたら生産性も上がるのかもしれません。
しかし、そうなると昔ながらの製法では無くなってしまうようにも思うのです。
環境に無理無く手に入る材料を使って、人の手で作られるシェルコードバンだからこそ特別な魅力があるのではないでしょうか。
ともあれ、製品に表れる色ムラ等を受け入れるか否かはその人の好みや価値観によって様々ですよね。
人それぞれに違いが現れるのも靴の魅力だと思います!
今回はここまでです。
ではでは。