こんにちは。
今日も晴れました。
日中の空気も少し冷たくなってきたかなぁと感じました。
前回の続きです。
『Aubercy』のキャップトゥダービー「PEARCE」のLAMA仕様を取り上げています。
AUBERCY PEARCE LAMA
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新品で、現在6hと8h以外はサイズが揃っていますね!
因みに、本国サイトの方では先にご紹介したpécariしか無くて、
現在こちらのモデルは無いのかな・・・。
前回はペッカリー(①のモデル)との比較を書きました。
どちらの革もやや大きめの皺の表情が見られますが、
皺の大きさ、柔らかな質感、そして毛穴が見えるか否か、といった違いがありましたね。
もう少しペッカリーとの比較を書きたいと思います。
ブラック
特に、①のモデル(ペッカリーの「PEARCE」)との大きな違いは色ですよね!
因みに①のモデルはバーガンディー系のダークブラウンでした。
落ち着いた気品のある色味ではありますが、
ブローグやダービーと相まってカジュアルな印象は否めません。
それに対して、本靴はブラックです。
やや大きな皺のあるシュリンクレザーなのでフォーマル感こそ弱めですが、
やはりブラックは引き締まりまりますね!
ところで、
この感じ・・・
以前も見たような・・・?
『エドワードグリーン』の「SHOREDITCH」です!
「SHOREDITCH」のアッパーはブラックの「ロンドングレイン」で、やはりやや大きめな皺(シボ)が特徴でしたね。
ただし、ロンドングレインはシュリンクでは無くミルドされたフレンチカーフでしたが。
Shoreditch | Men's | 82 Last | Edward Green
皺の大きさや深さはロンドングレインの方が大きくて深い感じがします。
縮(シュリンク)んでいないからでしょうかね。
結構迫力のある表情だと思います。
それに対して、ラマカーフは、
皺の大きさも若干小さいでしょうか。
皺の深さはそこそこで穏やかな表情ですね。
比較
個人的な興味なのですが・・・(笑)
『エドワードグリーン』の「SHOREDITCH」と
『オーベルシー』の「PEARCE」の比較は、
面白いですね。
Shoreditch | Men's | 82 Last | Edward Green
『エドワードグリーン』はイギリスを代表するブランドですが、
「SHOREDITCH」はスマートなラスト82を採用しています。
ラスト82は、90年代頃のイタリア靴から起こったロングノーズの影響を受けて、
パリに拠点のあるイギリス靴ブランドが2000年頃に発表した新しいラストが人気となり、
その流れに乗って2003年に発表された、
のではないかと思われます。
つまり、パリの影響もあるような、スマートなドレス感のあるフォルムですよね。
それに対して、
「PEARCE」は中庸なノーズ長のラストA28が採用されています。
1960年代に開発されたクラシックなカントリー寄りのラストでしたね。
むしろこちらの方がイギリス靴っぽいとも言えそうな感じ!?(笑)
例えば、ブローグの違い 。
「SHOREDITCH」はトゥキャップの縁とヴァンプとクォーターの縫い合わせ箇所の淵にだけパーフォレーションと細やかなギンピングが施されています。
ブローグ量は抑え目で、
アウトサイドカウンターの革の切り返しも無く、
すっきりとしたドレス感のあるデザインですよね。
それに対して、
「PEARCE」はトゥキャップの縁やヴァンプとクォーターの縫い合わせの淵の他にも、レースステイの脇やトップラインの淵、そしてアウトサイドカウンターの縁にまでブローギングが施されています。
十分な量のブローグに存在感があり、クラシックなイギリスのカントリーシューズに近いデザインと言えそうなくらい!?
こうして見比べてみると、
「SHOREDITCH」は現代的なドレスデザインをベースにカジュアルなデザインを入れているような、
「PEARCE」はクラシックなカジュアルデザインをベースにソール周りなどでドレス感を取り入れているような、
という違いを感じます。
ベースとなるデザインの違いから、「PEARCE」の方がむしろクラシカルなイギリス靴のようにも思えますね。(笑)
とはいえ、革の表情は穏やかですし、パーフォレーションやステッチも細やかですし、ソール周りはボリューム感が抑えられていますし、カントリー過ぎないドレス寄りな表情も感じられます。
独特なバランス感がフランスらしいようにも思います。
一見似たようなデザインの靴も細かな違いからそれぞれのキャラクターが現れてきますね!
感想
ブラックのキャップトゥダービーという事で、カジュアルから普段のドレスまで幅広く合わせられそうなモデルですね。
最後に『エドワードグリーン』の「SHOREDITCH」を引き合いに出させて頂きましたが、「SHOREDITCH」は割と新しいモデルでしたよね。
個性的なロンドングレインをスマートに見せるデザインで、ドレスとカジュアルが見事に融合した現代的なキャップトゥダービーです。
本靴「PEARCE」も個性的なラマカーフを採用していますが、カジュアル過ぎないバランスでドレスとカジュアルの両方に対応できるキャップトゥダービーだと思います。
よりクラシックな印象ですが、それがまた今新鮮に映りますね!
今回はここまでです。
ではでは。