こんにちは。
今日は曇りでしたが、気温はそれほど下がらず。
どうやら今月はあちこちでお祭りがある(あった)ようですね。
『ジョンロブ』のキャップトゥダービー「Philip Ⅱ Derby」を取り上げています。
JOHN LOBB Philip Ⅱ Derby
|
状態の良いユーズドで、サイズは10Eです。
前回は「Philip」らしさが表れているパーフォレーション を取り上げました。
そして、その「Philip」をダービーにした靴が「Philip Ⅱ Derby」ですね。
その特徴的な羽根についてもう少し続けます。
Navvy Cut
羽根の下部は水平のカットラインです。
「Navvy Cut」ですね!
あまり聴き慣れないこの言葉・・・
以前プレーントゥ ダービー特集をした時に学んだ言葉でした。
そして、この言葉は『JOHN LOBB (LONDON)』で使われていましたね。
本靴は『JOHN LOBB(Paris)』の方ですが、ルーツはロンドンです。
というイメージからNavvy Cutと言いたかったのです。(笑)
Navvyは土木作業をする人夫を意味するそうで、ワークやミリタリーと繋がります。
そして、ダービーデザインの由来とされるミリタリーとも繋がりますよね。
ゆえに、ダービーらしいダービー、オーソドックスなダービーデザイン、と言えるのではないでしょうか。
更に、本靴の羽根をよく見ると、
オックスフォードの「Philip Ⅱ」と異なるデザインが採用されています。
この点、「Philip Ⅱ」(↓)のレースステイの脇には、
|
トゥキャップの淵と同じパーフォレーションが施されていますね。
緩やかな曲線で描かれていて、エレガントな印象です!
それに対して、「Philip Ⅱ Derby」(↓)にはその装飾がありません。
その代わりに、
羽根の付け根付近にスクエア型が描かれ、そこからトップラインへシングルステッチが施されています。
ステッチラインも直線的で、先ほどの「Philip Ⅱ」とはだいぶ趣が異なりますね。
カジュアルなダービーですが、
デザインの自由度も高いはずのダービーなのですが、
エレガントな華やかさが魅力の「Philip Ⅱ」をベースにしているのですが、
ダービーVer.では極々プレーンなデザインに徹していますね。
華やかというより、むしろ真面目な印象がします。
ただし、レースホールはオーソドックスな5対では無く、
1つ少ない4対となっています。
それにより羽根が少し短くなり、その分ノーズが長く見えますね。
という事から、
ダービーでもカジュアル寄りでは無く、
ドレス寄りなダービーではないでしょうか。
ここでふと思い出したのが、ダービー伯爵の話です。
第14代伯爵の方です。
足の大きかった伯爵にとって内羽根は快適では無かった事から、
より快適に履ける外羽根を作らせた、
という話でしたね。
3度首相を務めた貴族との事ですので、
それはおそらくカジュアルとしてのダービーでは無く、
ドレスとしてのダービーだったのではないかと想像してしまいます。
そういうイメージから、
「Philip Ⅱ Derby」も足の大きな紳士が快適に履けるドレスシューズなのかな!?って。
んっ!
・・・たまたま本靴のサイズが10Eだから
・・そう思ったのかな。(笑)
今回はここまでです。
ではでは。