こんにちは。
今朝は涼しい雨から始まり、晴れてからは暑くなりました。
この寒暖差というか、湿気というか、激しいですね。
前回の続きです。
『チーニー』のキャップトゥダービー「ASTWELL」を取り上げています。
JOSEPH CHEANEY ASTWELL
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フォーマルとカジュアルの間で履けるコンテンポラリーな英国靴を目指して2015年に登場した「1886コレクション」の中の1つです。
前回、イギリスではドレス系の外羽根をギブソンシューズと呼んで、ドレスとカントリーの中間的な靴として履かれているという情報を取り上げさせて頂きました。
キャップトゥダービーで! (48)JOSEPH CHEANEY ⑥ ASTWELL (C)ダービー - 靴と歩む、僕の...
ギブソンタイプは90年代中頃のトレンドだったそうで、それが昨今再びトレンドとなっているという興味深いお話でしたね。
そして、90年代とは少し違うバランスになっているのではないか?
という僕の個人的感想を書いたところまででしたね。
その続きです。
パンチドキャップトゥ
トゥキャップの淵には親子穴のパーフォレーションとギンピングが施されています。
ここ以外にはブローギングはありません。
パンチドキャップトゥですね。
ブローギングの無いキャップトゥと比べるとやはりカジュアルなデザインではありますが、
クォーターやカウンター等にもブローギングがあるセミブローグと比べてかなり控えめな装飾です。
また、メダリオンも無いので割合すっきりしていますね。
そして、
ドレスシューズとしては少しボリューム感のあるラウンドトゥと相まって、存在感のある顔となっているように思います。
ドレスとカジュアルの間を狙った中でも、シンプルでドレス感のあるカジュアルというのが現代のバランスなのかなと思いますね。
後ろ姿
踵は縫い割りで、上端はドッグイヤーです。
上でも少し触れましたが、クォーターやカウンター等にはブローギングはありません。
ステッチも控えめです。
ドレスシューズに見られる仕様と同じで、大人しい印象ですね。
ドレス感のあるアッパーに対して、
ソールはボリューム感がしっかりあります!
ソール
コバに注目すると、出し抜いのステッチが踵まで靴をぐるりと一周しています。
オールアラウンドグッドイヤーウエルト製法ですね。
コバと接するアッパーの淵にはウェルトが被さっています。
ストームウェルト仕様ですね。
ソールは厚みのあるダブルソール仕様です。
アウトソールはスタッデッドパターンのダイナイトラバーソールです。
雨水等に強いストームウェルトや歩行性に優れたオールラウンドグッドイヤーウェルト製法のダブルソールで、カントリーシューズに見られる仕様です。
実用性を重視したソールデザインですね!
その分ソールにボリューム感が表れますが、
スニーカー人気の影響もあってか、昨今のドレスシューズのソールも全体的にそういう流れにあるように思われます。
感想
ワインハイマー社のブラックのボックスカーフや内鳩目、オールブラック仕様でドレス感を取り入れつつも、
パンチドキャップトゥやダービーでカジュアル要素もしっかり入っています。
そうした要素をクラシカルで適度なボリューム感のあるドレスラストが受け止めています。
実は、アッパーデザインとしてはオーソドックスなギブソンと言えるのかもしれませんね。(!?)
『チーニー』としては、カーフのクオリティがより上質へと進化しているようにも思えます。
それはドレス感の向上にもなっていますよね。
その上で、よりボリューム感のあるソールを採用した事でスポーツ感が強くなっている印象がします。
ドレス感のあるアッパーに、ボリューム感のあるソールを組み合わせるところが、現代的なバランスだと思いますね。
機能的で実用的なドレスシューズに仕上がっていると思います。
今回はここまでです。
ではでは。