こんにちは。
今日は晴れて、過ごしやすい気候・・・だったのでしょうが、
どうにも寒暖差が、、、。
調整が難しいのは僕だけ??
前回の続きです。
イタリア靴のシングルモンクを取り上げてきました。
1980年代頃から勢いを増してきたイタリアファッションの中で、イタリア靴ブランドも脚光を浴びるようになりました。
その影響はイギリス靴ブランド等にも及んだように思われます。
そして2000年代頃からスマートなラストによる新しいクラシックスタイルが誕生していったイメージを持っています。
こうしてイギリス靴ブランドは再びクラシックスタイルの中心に君臨するようになりました・・、と言っては大袈裟でしょうか。(笑)
もちろんトラッドなスタイルの服があらためて評価されるようになった影響も大きいのでしょうが。
逆にイタリア靴ブランドは減っていった印象があります・・。
実は諸事情によって日本での展開が無くなっただけで、本国では健在だったりするとか。
そうした時代の変化の中でも、『Santoni』や『Enzo Bonafe』などは上手に対応して今なお日本でも販売が続いていますね。
では、そうしたイタリア靴ブランドに人気の定番モデルはあるだろうか?
と考えると、、、
無いかも・・???
そう・・イギリス靴ブランドと違い、イタリア靴ブランドには定番モデルは無いのかも!?!?
そんな疑問を持ったのは僕だけでは無いようで、
その答えを解説された偉大な先人がおられました!(神)
いつも勉強になる『輝けライフ!』さんのこちらの記事です。(感謝)
『Santoni』にはモデルネームが無いところから疑問を持たれたのですね。(凄)
数字とアルファベットによる管理番号だけだと。
確かに!
そう言われると、他のイタリア靴ブランドにもモデルネームは無かったですね。
因みに、アメリカ靴ブランドの雄『Alden』も番号ですが、その番号で今も作られていたりしますよね。
「990」とか「975」とか。
つまり、番号がモデルネームのような役割を果たしていると言えるでしょうか。
で、
イタリア靴ブランドに定番モデルが無い理由を「フロー型ビジネス」に例えて解説されているのは上手ですね!(学)
確かに、オーダー分くらいの生産をして売り切って終了、在庫は抱えない、という感じがします。
特に、これまで取り上げてきた手仕事を大事にする工房的なイタリア靴ブランドは生産数も限られるでしょうから、本当に少数でしょうね。
その代わり、手仕事なので新しいデザインには柔軟に対応できますよね。
デザインが思い浮かんだ時に、それを実際に形(靴)にできるのも工房の強みだと思います。
イタリアのみならず、フランスやイギリスの高級ブランドが製造を依頼するのもそういう背景からでしょうか!??
そうして新しいトレンドが生まれるのかもしれませんね。
ただし、殊メンズシューズの場合、長年愛用できるデザインが高く評価される事もあります。
それは、メンズファッションには目まぐるしく変わるような「流行のファッション」よりも、完成された「スタイル」を善しとする傾向が強いからでしょうか。
以前何かで知った記憶があるのですが(雑だ・・)、、、
メンズではパンツのシルエットがあれこれ変わるのは軽薄な印象がして宜しく無い、
とあったような。
僕は・・・まだ自分のスタイルを模索中という事で!(苦笑)
僕の事はどうでもいいのですが、特にここ数年は全体的にも保守的と言いますか、ベーシックなファッション、トラッドなスタイルの人気が続いているように思われます。
靴の話に戻りますね。
服に完成された「スタイル」があるように、
靴にも完成された「スタイル」があり、
それを善しとする傾向は確かにあると思います。
例えばバルモラル(内羽根)のキャップトゥはフォーマルにも対応できるドレスシューズの王道デザインですよね。
でも、それはあくまでデザインです。
つまり、必ずしも定番モデルでは無くても、ラストやデザインが多少変わっても、キャップトゥはキャップトゥで良いようにも思われます。
実際、ビスポークシューズは個々人に合わせた靴なので定番モデルが無い世界ですよね。
既成靴だって同じように捉えてもよさそうでは?
しかし、何故か既成靴となると定番モデルとして認知されていると評価が高まる傾向があるように思います。
昔から変わらずに作り続けられているとう事実が安心感や信用を築くのかもしれませんね。
そうした定番モデルを多数持っているのがイギリス靴ブランドですよね。
これまで見てきたシングルモンクでも、何十年も前から現在もなお作り続けられているモデルが有りましたよね。
その現れが靴にモデル名が付いている事なのでしょう。
「WESTBURY」とか「MATTA」とか。
いつでも、どこでも、名前で認知される靴です。
今までも、そしてこれからも、求められる定番モデルとなれば、在庫を抱えやすくなりますよね。
そうしたイギリス靴ブランドを「ストック型ビジネス」と例えられているのも分かりやすいですね!(学)
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ただし、ファッションスタイルに大きな変化が生じた時には危機が!!??
というのは、定番モデルが一気に古びたデザインと見做されて在庫がさばけなくなるリスクが発生しますよね。
それが90年代前後あたりに起こったのではないでしょうか?
イタリアファッションの隆盛によってロングノーズが広まり、ショートノーズがぐんと古びて見えるようになったのではないかなと。
この点、イタリア靴ブランドは自分達から生み出したのですから得意のデザインでしょうし、前述した通り柔軟に対応できる生産体制ですよね。
他方で、従来からのショートノーズを作り続ける体制、その在庫も抱えているイギリス靴ブランドは大変だったのではないかと想像されます。
そうした流れの中で、『Church's』は『PRADA』に買収され、『JOHN LOBB(PARIS)』はラスト7000を開発し、『Crockett&Jones』はラスト337を開発していったのではないかと思われます。
想像するに、2000年頃からのイギリス靴ブランドは大きな転換点だったのではないでしょうか。
その変化に対応していったブランドは新しいスタンダードを生み出し、更に人気を高めたように思われます。
そうして新しいスタンダードが確立され、それが続いていくと、再びイギリス靴のやり方が強みを発揮しますね。
でも、最近のイギリス靴ブランドは結構攻めているような印象もありませんか!??
定番モデルに新しいデザインを加えたり・・
実は新しいモデルだったり・・
昔のアーカイブから復刻のような感じで登場するモデルもありますので、あの手この手が上手だなぁと思います!
ただ、あらためてイタリア靴の中にも長く履けそうなモデルもありますね。
定番モデルでは無くてもクラシカルなデザインで、
上質な革と丁寧な作りで、
まさに一期一会の、自分だけの靴となりうる可能性を秘めた靴が!
あぁ、僕の靴欲がまた・・・。(笑)
今回はここまでです。
ではでは。