こんにちは。
今日も晴れました。
また少しづつ寒さが弱まってきましたね。
前回の続きです。
『エンツォ・ボナフェ』のシングルモンクを取り上げています。
レベルソ仕立ての職人技が光る逸品です!
横顔
クォーターの革の切り返しがあります。
ダービー(外羽根)をベースとしたシグルモンクです。
羽根は2ホール分くらいのコンパクトなサイズです。
付け根からほぼ真っ直ぐに角度を付けずに伸びていて、スクエア型ですね。
内と外の羽根は閉じても接しない長さです。
淵もレベルソ仕立て(?)でステッチが見えません。
コンパクトな羽根ですが、さり気なくデザインが効いていますね!
羽根の付け根からソールへのカットラインは、羽根から繋がる一本の直線のようなラインです。
縫い合わせのステッチは見えますが、シングルステッチですので控えめな印象です。
レベルソ仕立ての羽根の雰囲気を壊さず、適度なカジュアル感が表れますね。
ストラップ、バックル
ストラップは、羽根の上から別革として取り付けられています。
一本のベルトのようなストレート型で、淵には細やかなシングルステッチが施されています。
幅は太過ぎず細過ぎない具合ですね。
タンの上に羽根が被さり、さらにその上をベルトが横切るデザインで、革が重なることによるボリューム感とベルトの存在感があります。
レベルソ仕立ての羽根やトップラインに対して、適度なカジュアル感が加わっていますね。
バックルは角に丸みのあるスクエア型です。
割と幅のある太めのフレームです。
色がアッパーと同色系なのですが・・・
よく見るとレザーの質感ですよね!??
革が貼られているのかもしれません。
ともあれ、バックルがアッパーと馴染み、煌びやかさが控えられています。
後ろ姿
ヒールを見る前に、先ほどのバックルの件から。
下の画像(↓)からバックルのところをよく見ると、
バックルの裏面が白っぽい色をしていますよね。
やはりバックルの表面に革を貼っているのではないかと。
凝ったデザインですね!(技)
ヒールは縫い割りで、上端はドッグイヤーです。
縫い目やステッチが見られますが、細やかで目立ちません。
ヒールカップの丸みも綺麗に形成されています。
コバは少し張り出しています。
コバ全体に粗目付がされていて、ヒールにもしっかり刻まれていますね。
ヒールの高さは抑え目です。
広く、低く、安定感のある後ろ姿ですね。
インソック
『エンツォ・ボナフェ』のソックシートといえば、手書きによるサインですね!?
初期の頃は分かりませんが、僕が知る限りにおいては手書きサインの印象が強いです。
手作りを象徴する、高級イタリア靴の証のような魅力的なディテールです!!(贅)
これを世に知らしめたイタリア靴ブランドについては、また後の機会に。
『Beams』の別注品ですね!
『Beams』は早くから『エンツォ・ボナフェ』を展開されていてます。
今季も『BEAMS F』で取扱中ですね!
<Enzo Bonafe>伊・マエストロが創り出す至福の別注コレクション
そして「Laverate a mano GOOD Year」とあります。
ボナフェと言えばのグッドイヤー・ア・マーノ製法ですね!
底付け
底付けは前述した通りでグッドイヤー・ア・マーノ製法です。
ハンドソーンという事で、反りの良い、しなやかな履き心地になります。
しなやかな履き心地には実はインソールも影響している!??
というのは、こちらで書かれている記述を読ませて頂いたので。(感謝)
Enzo Bonafe 【エンツォ・ボナフェ】 デュプイ社レザー・チャッカーブーツ - IL MARE ONLINE STORE | イル・マーレ オンラインストア
ボナフェではインソールに7ミリ圧程の革を使用して、重鎮剤(コルク?)は使っていないのですね。
独特の足裏の当たり、履き心地、にはこういう違いも影響しているのでしょうね。(学)
ソール
シングルレザーソールです。
出し抜いの糸が見えないヒドゥンチャネル仕上げです。
特にウエストを細く見せるとか、色付けをするとか、ロゴなどを刻印するとか、の装飾性は無いのですが、丁寧で実直な仕上げを感じます。
感想
足に無駄なくフィットするような、ボリューム感を抑えた、控えめなフォルムで、
色も渋い色味のダークブラウンで、
底付けもグッドイヤー・ア・マーノです。
パッと見は、まるでイギリス靴のようです。
ロングノーズで華やかな色味でマッケイ製法というイタリア靴のイメージとは異なりますよね。
でも、細かいところをよく見ると、
アッパーの革質、
スクエアトゥのシェイプや、コバの張り出しや粗め付けによるインパクト、
レベルと仕立てとシングルステッチのバランス感や凝ったバックルなど、
イタリア的な美意識を感じます。
手仕事によるクラフト感もあり、まさにクラシコ!!?
つまり、イギリス靴のようでイタリア靴という印象です!
クラシカルな靴の中で、さり気なく個性がありますね!!
因みに、2000年頃からの現代的なイギリス靴は、イタリア靴のようでイギリス靴という印象ですよね。(笑)
今回はここまでです。