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さり気なく、華やかに、シングルモンク。 (71)Berluti ⑥

 こんにちは。

 今日は曇り、夜は雨が降っています。

 昨日とは打って変わって、また寒さを感じますね。

 

 ベルルッティのシングルモンクを取り上げています。

 サイドモンクの次はこちらです。

Berluti サイドストラップ

 

 これまでのシングルモンクとはまた少し構造が違います。

 

スリッポン

 クォーターの革の切り返しがありませんよね。

 アウトサイド側はヴァンプからヒールまで一枚の革で構成されています。

 甲の外側脇に切り込みがあり、エラスティック(ゴムバンド)が付けられています。

 構造としてはスリッポンですよね。

 

 タンの一番上を細いストラップが走り、エラスティックの上を通ってバックルで留められています。

 華奢なストラップでエラスティックの伸びを止めるようなデザインですね。

 

 インサイド側からも見てみましょう。

 奥の画像ですが、ウエストの辺りに縫い目があります。

 ここがクォーターの革の切り返しですね。

 クォーター前方はストラップへと伸び、後方はヒールまでです。

 ですので、エラスティックはアウトサイド側だけですね。 

 

 おそらくこちらのモデルと同じかと。(感謝)

ベルルッティ(Berluti) サイドエラスティック ストラップシューズを宅配買取にて埼玉県熊谷市にお住いのお客様より高価買取いたしました。の買取実績 | 革靴買取ならラストラボ

 2000年代初頭のモデルのようですね。

 

AIGLE

 

フォルム

 スーッと伸びたノーズは長過ぎない加減となっていて、現代的なクラシックといえるバランスだと思います。

 装飾の無い一枚革のフロントデザインで、ストラップも一番上(足首側)なので、ヴァンプスペースが広く感じられ、ノーズも長く見えますね!

 

 幅もそこまで細く攻めてはいないように見えます。

 エッジもキツくなく、流れるような丸みを感じる優しいフォルムですね。

 前回と同じ「クラブコレクション」の「オルガ1」かもしれませんね。(?)

 トゥは丸みのあるラウンドで、ボリューム感が少し感じられます。

 クラシックなフランス靴にも見られるようなボリューム感ですね。

 

三越伊勢丹オンラインストア

 

 コバがよく見えるのでここで触れておきますね。

 本靴はおそらくマッケイ製法かと思うのですが、コバは敢えて少しだけ張り出しているように見えます。

 それによってアッパーのボリューム感をしっかり受け止めていて、安定感を感じますね。

 そして、綺麗に整った細やかな目付がクラシックな雰囲気を高めているように思います。

 

ストラップ、バックル

 前述した通り、ストラップはインサイド側のクォーターの革の切り返しから伸びています。

 そして、トップラインに沿って、甲の一番上に縫い付けられています。

 機能的にはエラスティックの開き口の箇所だけを留める役割でしょうか。

 このようなデザインは珍しいですね!!!

 

 ストラップも細く、先端は剣先型で、とてもスマートな印象です。

 対応するバックルもコンパクトで、シンプルなデザインに抑える事でスマートな雰囲気を壊していませんね。

 ストラップで甲を締めるという最小限の役割を華奢なデザインで見せる事によって、とてもエレガントな印象に仕上がっていると思います。

 

 それに対し、エラスティックのカットラインはやや大きいように思います。

 ここは敢えて見せるというデザイン的な意図が感じられますね。

 ベルルッティらしい芸術性がさり気なく表現されているように思います。

 

後ろ姿

 ヒールは縫い割りで、上端は非常に小さな市革がトップラインに沿って縫い付けられています。

 ステッチも細やかですね。

 

 ヒールカップの丸みから履き口へと窄まっています。

 立体感のある綺麗なフォルムですね!

 

 ソールのヒールブロックは、張り出しが抑えられています。

 積み上げも滑らかに整っていて、しっかりとした安定感を感じますね。

 

ソール

 シングルレザーソールです。

 未使用品なので、本来の姿ですね!!(美)

 

感想

 装飾性を抑えたミニマムなデザインであるからこそ、

 ヴェネチアレザーの質感や、ストラップのエレガントさ、エラスティックのアート感が引き立っているように思います。

 

 パティーヌは一見ブラックに見えますが、ダークパープルと記載されていますね。

 ベルルッティにしては(?)シンプルな色のようにも思えますが、

 実物は光の当たり具合によって奥深い色味が見られるのでしょう!

 

 細やかなデザインで魅せるというのも、ベルルッティらしい、フランスデザインらしいように思います。

 今回はここまでです。

 ではでは。

 

 

 


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