こんにちは。
今日も晴れました。
昨日よりは気持ち暖かみが感じられる日差しだったかな。
前回の続きです。
ジョンロブのサイドモンク「JERMYN Ⅱ」を取り上げています。
JOHN LOBB JERMYN Ⅱ
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楽天で見つけた「JERMYN Ⅱ」はユーズドですが、現在もラインナップされているモデルです。
https://www.johnlobb.com/ja_jp/mens-shoes/jermyn-ii-buckle-palladium-prestige-leather-sole
プレステージラインですね。
2000年に誕生したラスト7000が登場して早い段階から作られていたのでは!??(予想)
というところまで書きました。
横顔
ストラップは1本ですが、トップラインに沿うように斜め後方へ向かって流れています。
サイドモンクですね!
サイドモンクは、ジョンロブが1998年のイヤーモデルで発表した時に誕生したと言われていましたね。
その靴(「VINTAGE 1998」)の情報を探しているのですが、
画像は見つけられても、
それ以上の情報が分からずで・・・。
ラストは8695なのでしょうかね??
こちらのサイトで歴代のイヤーモデルが紹介されています。(感謝)
「VINTAGE 1998」を見ると、
「CITY」のようなオーソドックスなバルモラル (内羽根)をベースに、羽根の箇所をサイドモンクへ変更したデザインとなっていますね。
ですので、横から見るとクォーターの革の切り返しがあります。
その上で、「JERMYN Ⅱ」を見ると・・
アウトサイド側にはクォーターの革の切り返しはありませんよね!??
後で書きますが、後ろ姿を見てもステッチが一切ありません。(シームレスヒール !)
実は、インサイド側に「CITY」のクォーターの革の切り返しのようなカーブを描いた縫い合わせ箇所があります。
すなわち、「JERMYN Ⅱ」は一枚革(ホールカット)のサイドモンクなのです!!(凄)
ホールカットは上質な革(それもジョンロブの中で!!)を大きくカットしなければならないので非常に贅沢なデザインです。
そして、一枚の革でラストの曲面に合わせた吊り込みをしなければなりませんよね。
更に、「JERMYN Ⅱ」は革の合わせがインサイドに、しかもカーブを描いて、デザインされています。
加えて、シームレスヒール。
これを作るのって、難しく無いですかっ!??
この点、
ジョンロブは毎年のイヤーモデルで複雑なホールカットを発表することがありますよね。
毎回そのデザインの発想力と完成度の高さに驚き、
それを実際に作ってしまう技術力にも驚かされ、
そして、価格に驚く・・・という流れですね。(笑)
ただし、流石に生産数は限られていますよね。
それに対して、
プレステージラインはもう少し長く製造を続けるモデルだと思います。
スタンダードラインより数は少ないのかもしれませんが、レギュラーモデルとして作れる事が前提ですよね。
そんなプレステージラインにおいても「JERMYN Ⅱ」というデザイン性の高いホールカットを作ってしまうという凄さ!
やはり革靴の王様です!!(冠)
脱線
久しぶりに『最高級靴読本』をパラパラ見ているのですが、Vol.2に「JERMYN Ⅱ」と「(イヤーモデル)2004」が掲載されていました。
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「2004」は6ホールのバルモラル(内羽根)で、プレーントゥには繊細なメダリオンが施されています。
一番の特徴は、直線的なカットが効いたロングヴァンプです。
クラシカルな雰囲気がしっかりありながらモダンなデザインが効いています!
他所では見られない特別なデザインでビスポークシューズのような美しさですね!!
さて、そんなイヤーモデル「2004」ですが、本に記載された価格を見ると・・・
なんと「JERMYN Ⅱ」の方が10500円高いっ!
ただ、現在から見れば、後年のイヤーモデルが超絶技巧で作られるホールカットとなる流れを知っているので、むしろ「JERMYN Ⅱ」はその流れの始まりではないかとさえ思えます。(笑)
それに対して「2004」は、構造的にはオーソドックスかと。
語弊がある言い方かもしれませんが、
個人的には「JERMYN Ⅱ」はイヤーモデル級の靴だと思います!
JOHN LOBB (Men)/ジョンロブ ダブルモンクストラップ WILLIAM75 BlackCalf【三越伊勢丹/公式】
話を戻します!
ホールカットの話をしたので、そのまま「JERMYN Ⅱ」の後ろ姿もチェックしましょう。
後ろ姿
踵に縫い目が一切ありません。
シームレスヒールです!
しかも、
ホールカット(一枚革)でのシームレスヒールですっ!!
しかもしかも、
ジョンロブのプレステージラインともなると革のクオリティも高い!!!
ハァ〜、なんて事でしょう。
上質な革によるヒールの丸みを堪能できる幸福感を表現する言葉が見つかりませんっ!
ただ、ただ、愛でましょう!(美)
デザイン
やっとデザインの話です。(笑)
羽根に相当する甲を覆うフラップに注目します。
ヴァンプとの縫い合わせ箇所は少し短いくらいで切り上げられています。
そこからアウトサイド側のストラップへと緩やかなカーブを描いています。
そのカーブの向きが、インサイド側にえぐるような向きですよね。
因みに、バルモラル(内羽根)であれば逆方向で、アウトサイド側へ膨らむような向きですよね。
このカーブは特徴的なデザインで、これによって靴のフォルムが絞られていくような、細くスマートな印象が生まれているように思います。
特に「JERMYN Ⅱ」はアウトサイド側に継ぎ目が無いので、甲の外側の傾斜がとても美しく表れています。
この傾斜がしっかりしていると、靴が、足が、スマートに見えますよね。
その傾斜の美しさをフラップのえぐるようなカーブが引き立てていると思います。
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ストラップはドレスシューズらしい細さですね。
先端は剣先型ですが、それ程鋭角にはなっていません。
シャープになり過ぎないよう抑制されたデザインとなっているように思います。
また、バックルは角張ったコの字型で、革製のベルト通しが付いています。
クラシックな雰囲気のバックルですね。
そして、先ほどのフラップ(羽根)に戻りますが、
ヴァンプとフラップの縫い合わせの位置に注目すると、「CITY Ⅱ」のようなクラシカルなバルモラルと同じくらいのバランスですよね。
フラップをコンパクトにしてノーズを長く見せるのでは無く、クラシカルなバランスを選んだ事で、サイドモンクという新しいデザインにクラシックな雰囲気をもたらしたように思います。
「JERMYN Ⅱ」は現代的で非常にスマートなデザインでありながら、クラシックな雰囲気を効果的に取り入れていますね。
それによってシックでエレガントなドレスシューズに仕上がっていて、あらためて完成度の高いデザインだと思いました。
今回はここまでです。
ではでは
おまけ1
色とサイズ違いを見つけました。
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ブラックカーフで、6Dです。
おまけ2
もう1足!
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ブラックカーフで、8.5Eです。
シューキーパーが付きますね。
こちらはソックシートのロゴデザインやトップリフトのゴムデザインから、2015年以降に作られたと思われます。
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