こんにちは。
今日も晴れました。
割と穏やかな冬晴れかなぁと思っていたら、
時折吹く風が強かったですね。
前回の続きです。
ジョンロブのシングルモンク「MATTA2」について書いています。
JOHN LOBB MATTA2
後ろ姿
一般的なドレスシューズですと、ヒールの中央に縫い割りがあったり、バックステー(市革)があったり、アウトサイドカウンターがあったり、しますよね。
でも、「MATTA2」には縫い合わせのステッチがどこにも見当たりません。
シームレスヒールですっ!!!
踵に縫い目が無いので革の表情がそのまま現れます。
上質な革で作られるヒールの丸みが美しい!!
シームレスヒールはプレステージラインの象徴的なディテールですよね。
ビスポークシューズに見られる意匠だそうで、職人の手仕事を要するディテールとの事。
あぁ!
そもそもジョンロブはイギリスのビスポークシューズメーカーだから・・・
という流れには、ならないんですね。(苦笑)
というのも、既成靴はエルメス資本のパリのジョンロブで、エドワードグリーンの工場を買収して作られているのですから。
だったら、工場と共に譲り受けた元エドワードグリーンの職人達がいるでしょ!?
それはそうなのですが、そうでも無いようで・・・。
前回書いた事ですが、自社工場を稼働させた当初、最高峰ライン4型は旧ボノーラに外注していましたよね。
なぜなら当時の自社工場では作れなかったから・・・。
裏を返せば、当時の自社工場では作れない品質の靴を作れたのが旧ボノーラだったという事でしょうね。
その旧ボノーラがシームレスヒールを作る技術を持っていたのです!
その技術が自社工場に取り入れられ、自前で作れるようになったそうです。
自社工場稼働当初はゴタゴタもあったようですが、更に新しい技術を取り入れて進化もしていったのですね。
今でもシームレスヒールの既成靴はかなり少ないと思います。
ただ、特別な意匠として人気が高まってきたのでしょうね。
他ブランドでも上級ラインで採用するようになってきたように見受けられます。
レギュラーラインで見かけないのは、やはりコストでしょうかね??
技術的な面について、こちらの記事を読ませて頂きました。(感謝)
踵部分のカーブはきついので、真ん中で縫い合わせた方が釣り込みが容易になるそうです。
確かに、カーブを生み出せるパターンで革をカットして縫い割りをする事で立体が作れますね。
それに対して、シームレスヒールの場合は平坦な革を伸ばして立体を作らなければなりませんよね。
つまり、きちんとした釣り込みの技術がないと作れないと。
この点について、職人さんの声も見つけました。(感謝)
「特に難しい作業ではありません。」と・・。
えっ!??
そうなの、そうなのかぁ、
と素直に思うのは早計かもしれません。
まず、いくつかの前提条件が挙げられていますね。
そして、経験と頭脳と技能があった上でのお話です。
そうした腕利きの職人さんを抱えていないと量産はできないですよね。(宝)
プロの技を見ていて思うのは、容易くこなされている事ほど難しいと。
高度な職人技は見惚れる程スムーズに進むので一見すると容易く見えがちです。
しかし、違う人が同じことをしようとすると、あらら・・・残念でしたって。
難しいことを美しくこなすって凄いレベルですよね!(神)
ソール
半カラス仕上げのプレステージ仕様です。
上質なレザーソールを使い、
ウェスト部が立体的に盛り上がり、
コバもギリギリまで攻めたベヴェルドウェスト風の仕上げがされています。
トップリフトはラスターですね。
感想
初代「MATTA」は、1990年中頃のBONORA製ジョンロブでも作られていた最上級コレクションの1つでしたね。
その後も自社工場でラストを変えて作られていました。
それらも、やはりプレステージライン(上級コレクション)でした。
単にクラシカルなだけでは無い、かといって尖り過ぎてもいない、
その特別なデザインには、ビスポークシューズを背景に持つジョンロブならではのデザイン力の高さを感じます!
他社で似たようなデザインを見かけると、影響を受けているのかなぁと密かに思ったりしています。
おまけ
945 / 0917 使用数回 ジョンロブ マッタ2 MATTA2 シングルモンク 5.5D #7000
5.5Dです。
こちらは9Eです。
今回はここまでです。
ではでは。