こんにちは。
今日も晴れました。
だんだん寒くなってきましたね。
そろそろ冬支度も考えないとかな。
前回の続きです。
クロケット&ジョーンズの「WINSTON」を取り上げています。
CROCKETT&JONES WINSTON
ハンドグレードのサイドモンクですね。
ストラップが1本という事でシングルモンクの中で取り上げさせて頂いておりますが、
伝統的なシングルモンクがダービー(外羽根)のような設計であるのに対し、
サイドモンクはバルモラル(内羽根)のような設計で、
後年に誕生した新しいデザインでしたね!
革の切り返し
革の切り返しに注目すると、
フラップからトップラインを通りヒールまで繋がる上のパーツと、
トゥからヴァンプ、そしてクォーター、ヒールへ繋がる下のパーツ、
で構成されています。
上のパーツ
アッパーを構成する上部のパーツのカットを見ていると、
ロングヴァンプを思い起こしました!!?
ロングヴァンプについては以前チェックした事がありました。
19世期のクラシックなブーツの記事を拝見しましたが、内羽根のロングヴァンプはやはりエレガントですね!
そしてボタンブーツのフラップ構造はサイドモンクにも見られますよね。
そういう意味では伝統の繋がりも感じられるように思います。
そして、モンクストラップを組み合わせるという新しいデザインへの挑戦が感じられますね。
サイドの革のラインにも拘りが感じられます。
緩やかなアーキュエイトのようなデザインにカットされています。
優雅な曲線がエレガントですね!
下のパーツ
アッパーを構成する下部のパーツは、インサイドからアウトサイドまで一枚の革で繋がっていて、踵の縫い割りで繋がるデザインです。
という事は・・!!??
ホールカットに近い構造ですね!!
インサイド側から見ても、サイドに継ぎ目がありません。
足に沿ったレザーのグラマラスな曲面が現れていますね。
冷静に考えると、
ハンドグレードのクオリティの革を大きく使うとか、
ロングヴァンプのサイドにデザインの効いたカットを加えるとか、
ホールカットのような釣り込みを要するとか、
結構高度な技術が組み合わされていて、
結構贅沢な作りの靴ですよね!!
そういえば、前回サイドモンクの発明がジョン・ロブ(パリ)のイヤーモデルという話を書きましたよね。
イヤーモデルはジョン・ロブが年に一回セントクリスピンの日に発表する特別な靴で、プレステージライン以上のクオリティです。
本靴もそのような扱いをされてもおかしくないのでは!??って思いました。
メダリオン
トゥにはラム・ホーンをイメージしたメダリオンが施されています。
親子穴のようですが、親穴が小さめなのでそこまで目立ちませんね。
靴全体がドレス感の高いデザインですので、メダリオンもそれに合わせて控え目で上品です。
カントリーシューズ的なブローグというよりも、紋章のような、装飾のためのメダリオンという印象がしますね。
感想
イタリア靴に近いロングノーズで、細く長いシルエットはクラシックな英国靴とは大きく異なる印象です。
パリで洗練された現代的な英国靴の中でも、特にエレガントな印象がしますね。
サイドモンクが持つエレガントなスタイルに、ロングヴァンプやホールカットのようなデザインが加わって、更にエレガントでノーブルな印象に引き上げられているのだと思います。
それでいて、どこかカチッと引き締まった印象もするのは、やはりイタリア靴ではない、英国靴の伝統でしょうか。
ハンドグレードにふさわしい、ハンドグレードの中でもより贅沢な印象がする、出来栄えだと思います!
おまけ
「WINSTON」の色違いも見つけました。
未使用品のユーズドで、サイズは7.5Eです。
ミディアムとダークの間くらいのブラウンでしょうか。
トゥとヒールにはダークなトーンが入っていてアンティークな仕上げがされていますね。
バックルはシルバーです。
ブラックカーフのシックな印象とはまた違って、少しカジュアル感とノーブルな色気を感じますね!
ではでは。