こんにちは。
今日はようやく気持ちの良い晴れに恵まれました。
やはり外が明るいと気分も良いですね。
コロナ禍が長くなり、何となくこういう日のありがたみ(大袈裟?)みたいなものを感じるようになりました。
前回の続きです。
クロケット&ジョーンズの白いドレスシューズを取り上げています。
いきなり余談ですが、
昨夜の『ファッション通信』の中で大正時代のモダンボーイスタイルも紹介されていて、白麻のスーツに白いドレスシューズを履いていました!!
では、今回の靴をご紹介します。
クロケット CAVENDISH 3
「CAVENDISH」はクロケット&ジョーンズの代表的なローファーの1つですよね。
(「3」はラスト変更モデルの事でしょう。)
特徴はやはり甲の上のこちらの飾りですねっ!!
タッセルローファー
甲の上に房飾り(タッセル)が付いていますね。
このデザイン、僕も以前書きました。
ローファーにタッセルを付けたのは『Alden』が最初と言われています。
つまり、
前回のロングウィングチップと並んで、
タッセルローファー もアメリカ靴らしいデザインと言えるのではないでしょうか!!?
そして、
アメリカでは弁護士等に人気のデザインと言われていますので、
大人のアメリカントラッドスタイルにも当てはまるデザインと言えるのでは!!?
でも、本靴はCrockett&Jonesで、英国靴ですよ。(注)
ブルックスブラザーズやラルフローレンをはじめ、様々なアメリカブランドの靴も作ってきた歴史がありますからね!!(デジャヴ?)
アッパー
説明欄には「スウェード」とあります。
ただ、これまで見てきた靴と照らし合わせて考えると・・・おそらくヌバックかなと。
いずれにしても、起毛革ですね。
つまり、ホワイトバックスです!
モカ縫い
ヴァンプのモカ縫いは一枚の革をつまみ上げて縫う「つまみモカ」でしょうか。
因みに「ボストン」はつまみ上げたモカに波打つような畝りが感じられるツイストモカですが、本靴にはそこまで畝りは無いように思います。
タッセルローファーなので、少し控えめなドレス寄りのモカ縫いになっているのかもしれませんね!??
つまみ具合(?)は、あまり起伏が出ない、なだらかな感じです。
モカの幅はきちんとあり、ある程度ステッチを見せる感じの太さですね。
でも、本靴は英国靴です。(笑)
ラスト375
ラスト375についても、以前少し書きました。
1955年にカントリー用ラストとして開発された325を基本に、
踵周りやアーチ部分のフィットを向上させたラストですね。
因みに、前回取り上げた「CHEVIOT2」のラストが325でしたね。
白いドレスシューズの可能性は!? (38)Crockett&Jones ① CHEVIOT 2 - 靴と歩む、僕の...
そして、本靴「CAVENDISH3」はラスト375の代表モデルとしてよく挙げられます。
一般的にはブラックやブラウンのカーフのモデルで、オンにも履けるドレスローファーとして人気が高いですよね!
そのホワイトヌバックモデルですので、夏のカジュアルはもちろん、夏のドレス対応としても考え得るかな!!?(可能性!?)
サイド
トップラインのすぐ下に革の平紐が通されています。
デッキシューズによく見られるデザインですよね。
オールデンのタッセルローファーにも有ります。
それに倣ったデザインでしょうか!??
横顔を眺めていると、中庸なノーズ長、浅めのヴァンプと広いトップラインで、クラシカルなローファーらしいバランスですね。
でも、ラスト375は前述したようにカントリー用ラストの325をベースにしているだけあって、コロンとした丸みとボリューム感もあります。
にもかかわらず、靴全体としては無駄の無いコンパクトな、もっと言うなら華奢とも受け止められるくらい、シックで上品な印象がしませんか!??
ヴァンプが浅い事、レースステイやシューレース等が無い事で、アッパーのボリューム感がグンと下がっているのかなと思います。
モカ縫いやタッセルと言った装飾があるにもかかわらず、Uチップより華奢に感じるから面白いですね。
それと、ソールの影響もあるのかなと。
レザーソール
この点、カントリー系のシューズでは、
ダブルソールやコマンドソール等の厚みのあるソールが使われたり、
ストームウェルトやダブルウェルト仕様でコバがしっかり張り出していたり、
しますよね。
その為、ソールにボリューム感があります。
でも、本靴はシングルレザーソールです。
ウェルトもノーマルで、コバの張り出しも抑えらたドレスシューズの仕様です。
カントリー系のラストを使っているにもかかわらず!(笑)
このドレス感の高いソールによっても靴全体の印象をグンとドレス寄りにしているように思います。
因みに、本靴はメインコレクションですので、オープンチャネル仕様です。
感想
一般的にカジュアルシューズとされているローファーの中で、
ドレス寄りのデザインと言われているタッセルローファーを、
カントリー系のラストで製作したという点は、
「CAVENDEISH 3(1や2も)」の面白いところだと思います。
最初に知った時は、ドレス系のラストじゃ無いんだ・・って思いました。
それくらい、全体の印象はドレス系ローファーなので!
本靴はホワイトヌバックですので、クラシックな視点からするとカジュアルな夏素材なのでしょう。
ただ、ドレスのカジュアル化が見られる現代の感覚からすると、スニーカーよりドレス感の高い靴とも捉えられるかなと。
また、白スニーカーが通年履かれる感覚からすると、白いドレスシューズも通年の可能性はどうなんだろう??
本靴はスリッポンですので、まずは夏のドレスシューズとして定着すると楽しいな!
今回はここまでです。
ではでは。