こんにちは。
今日も晴れました。
割合穏やかな1日でしたね。
前回の続きです。
HELIXをサイドから見てみました。
そこで最後に取り上げたのが、
モカ縫いとトップラインの段差
アウトサイド側から見ると、モカ縫いのラインとトップラインに段差が殆ど無く、トゥからヒールにかけて一本のラインが繋がっているような感じでした。(美)
これに対して、
インサイド側から見ると、モカ縫いのラインよりもトップラインの方が少し高い位置にありましたね。
段差とは言ってみたものの、それ程大きな段差でも無いですが・・・。
で、一体何なのさ?
実は、ローファーのデザインのバランスに影響するポイントなのではないかと思うのです!!?
まずは靴の前方について。
ローファーの前方
横から見た時に、
モカ縫いのステッチがサドルの下端に入って行きますね。
サドルの「コの字型ステッチ」と見比べると、
下のステッチラインと同じ位置ですね。
同じようにインサイド側から見てみても、
やはり殆ど同じですね。
つまり、モカ縫いのラインがサドルの下端の方へ寄っているのは、モカ縫いのU字型が広く大きめに取られているから、でしょうね。
当初、ここで「U字型の開き具合」と「靴内空間の高低や広狭」を結び付けて書けるかな、と目論んでいたのですが、(笑)
靴内の空間をどう取ろうとも、そこに広いU地型でも狭いU字型でも乗せる事は可能だろうなぁ、と思いまして・・・
断念!(苦笑)
靴内空間は靴全体のフォルムをじっくり観察した方が良いでしょうね。
次は靴の後方についてです。
ローファーの後方
ローファーは一般的に履き口が広く取られていますよね。
そして、履き口が広いほど足が表れるので、カジュアルな印象になるように思います。
であれば逆に、
ドレス感を上げたいのであれば足が隠れるようにすれば良い!!?
そんな工夫の1つが、トップラインの高さであり絞りなのかな、と思います。
どういう事かと言いますと、
まずは靴を横から見てみましょうか。
アウトサイド側からです。
ソールからトップラインまでの高さ、
特にサドル側(→)のトップラインの高さが十分にあると、
履いた時にクォーターが足の側面を包み込むので足が隠れますね。
サドルの「コの字型のステッチ」と見比べると、
ちょうど上下ラインの中間の位置くらいの高さですね。
因みに、ヒール側(←)のトップラインの高さには注意が必要です。
踵を包み込むという点では高い方が深さが生まれるので良いのでしょうが、
外踝に当たる程の高さとなると、痛っ・・・。(泣)
インサイド側からも見ておきましょうね。
アウトサイド側と殆ど同じです。
サドルの「コの字型」の真ん中くらいの位置ですね。
今度は上から見てみましょう。
足の代わりにシューツリーを入れています。
なぜかTricker'sのがぴったりなんです!?(笑)
靴を上から見た時に、トップラインが内側に絞られていますね。
足の側面のカーブに沿ってクォーターが被さるので、トップラインも内側へ寄ってくるのだと思います。
なお、ここでも当初・・・
「トップラインの高低・広狭」と「フィット感」とを結び付けて書けるかな、と目論んでいました・・・(笑)
が、またしても断念!
確かにクォーターが足の側面を包み込むという意味ではフィットしていると言えそうなのですが、、、
シューレースやストラップ等でしっかり締める訳では無いので、
「フィット」と言えるほど足を抑える力は無いかな、と思いました。
足を「包む」や「隠す」くらいかなと。
最後に、
前方と後方とを繋ぐ位置にあるのがサドルです。
サドル
まずはアウトサイド側から見てみましょう。
サドルの「コの字型ステッチ」と見比べてみましょう。
ヴァンプの「モカ縫い」は下のステッチライン寄り、
「トップライン」は上下ラインの中間くらい、
で、僅かにトップラインの方が上の位置ですね。
ただし、靴全体は爪先から踵へと上がっていくラインですので、このくらいが「モカ縫い」と「トップライン」が繋がった直線のように見える位置関係でしょうね。
今度はインサイド側から見てみます。
アウトサイド側と比べて、少しトップラインの位置が高いでしょうか。
横から見るとサドルを挟んで少し段差があるように見えます。
モカ縫いのU字型をきちんと広げつつ、クォーターの面積もきちんと取った結果ですね。
これを前から見ると、
それぞれのU字型の開き具合の違いが表れるアングルですね!
モカ縫いのU字型の開いた両先端はサドルの外寄りへ収まり、
トップラインの逆さU字型の開いた両先端はサドルの内寄りへ収まっています。
ただ、そのギャップはそれ程大きくは無いように思います。
因みに、
J.M.WESTONの180ですと、モカ縫いのU字型の方がかなり大きく開いていますよ。
上から全体のバランスを見てみましょう。
僅かにモカ縫いのU字型の方が開きが広いですね。
それでも、トップラインからサドルを挟んでモカ縫いへと流れるラインが自然に繋がっているように見えますね。
HELIXは、フレンチローファーのデザインらしくU字型のモカ縫いラインを広く大きめに取りつつも、開き具合を若干抑え気味にする事でカジュアル感を抑えているように思います。
そして、トップラインの高さを十分にとってクォーターで足の側面が隠れる面積を覆っています。
このバランスが、カジュアルながらもきちんとした印象を保っているのかなと思います。
今回はここまでです。
ではでは。
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