こんにちは。
今日も晴れました。
ただ、少し肌寒さも感じました。
では前回の続きです。
新旧チャーチのラスト73を並べてあれこれ書きましたが、
あらためて昔のチャーチはドレス感が高かったのかなぁ、なんて想いを馳せました。
でも、昔は良かったなぁ〜、で終わりたくは無いので(笑)、
新チャーチの良いとこ探しをしていました。
前回取り上げたのがデザインです。
時代が変われば人々の装いや好みも変わるもので、
その時代に合ったデザインを作れるのは現行品の強みですよね!
新チャーチの僅かにカジュアル寄りの仕上げは、今のスタイルにも合っているように思います。
では、純粋な品質という点ではどうでしょう?
この点、僕は革の宝石「コードヴァン」を持ち出してしまったので、ちょっと反則(?)してるかも・・・。
もしもカーフやポリッシュドバインダーカーフで並べたら、どう見えるのだろうか?
ステッチや釣り込みなどの作りの品質で大きな差は感じません。
少なくともここ20年くらいの間は、プラダによる買収もありましたが、基本的には同じ作りを守りながら、クッション材などの改善をしてるのではないでしょうかね。
ところで、旧チャーチをチェックしている中で、80年代当時はエドワードグリーンと並ぶくらいのポジションにあったという情報を見つけた時は正直驚きました。
現在のエドワードグリーンと言えば、品質の高さで名を轟かせる超高級靴ブランドですよね。
素材のクオリティ、作りの緻密さ、仕上がりの拘り等でエドワードグリーンは手間隙をかけていると言われますし、その分とても高価な靴でもあります。
因みに、1足を作るために通常8週間(トップドロワーでは更に3週間)かけられるそうです。
そして、生産量も週に300〜400足くらいとか。
ある程度生産数を少なくすることで、1足に対してより丁寧な仕事をしているのでしょうね。
これに対して、今のチャーチはもう1つ下の価格帯にある高級靴ブランドです。
それでも1足を作るために8週間、250もの工程を経ているそうです。
基本を疎かにしない実直な靴作りを守っているのではないかと思います。
その上で、アウトソールのオープンチャネル仕上げに見られるように実用的な美しさで抑えつつ、生産量を上げているのではないでしょうかね。
この点、量産していくとどうしても品質は下がってしまうでしょうね。
高い技術を持つ熟練職人を増やすのはそう簡単では無いでしょうし、機械で代用する事も難しいのではないでしょうか。そいう中で生産量を上げれば、1足にかけられる手間暇は下がってしまうでしょうね。
また、材料も多く必要となるでしょうから、やはり材料の品質も下がってしまうのではないしょうか。
ですので、生産数を抑える事で1足により多くの手間隙をかけるエドワードグリーンと
生産数の多い今のチャーチとで品質に差が生じるのは当然なのではないかと思われます。
その分、価格にも差があるので、品質と価格のバランスはとれていますよね。
昔のチャーチがエドワードグリーンと並ぶくらいだった当時は価格差も殆ど無かったそうですので、やはり価格と品質は比例するのでしょう。
逆に今、エドワードグリーンと同等の品質でチャーチの価格帯を実現できるのか・・・難しいでしょうね。
そういう意味では、今のチャーチは昔よりも品質が下がったのかもしれません。
それとも、今のエドワードグリーンが昔よりも品質が上がったのかもしれませんね。
おそらくどちらも言えるのではないかと思います。
いずれにしても、昔の品質を維持して今のエドワードグリーン相当の靴を作ろうとすれば、価格もワンランク上になってしまうのではないでしょうか。
個人的にはそんなチャーチも見てみたいですが、おそらく価格がねぇ・・・。(苦笑)
因みに、
同価格帯、例えばクロケット&ジョーンズと比べるなら、
明らかに品質が高いとも、低いとも感じないですね。
クロケット&ジョーンズでも1足を作るのに8週間かけているそうですし、
同価格帯なのだから当然と言えば当然ですよね。(笑)
この価格帯の靴は手入れをしながら長く履いていきたいと思える品質で、満足度の高い高級靴だと思います。
中でもチャーチは長い歴史や名作靴を持っており、英国靴の伝統が強く感じられる稀有なブランドですね。そこがチャーチの強みだと思います。
下の価格帯、例えばサンダースと比べれば、品質は上だと思います。
サンダースも1足を作るのに8週間かけているそうで、きちんとした作りの靴です。
チャーチとの違いとして感じるのは、素材や釣り込みと、より工業製品感というか量産品感というか、細かいところの詰めでしょうか。
ただし、それが魅力となる事もあります!
だから面白いですよね。
ワークやミリタリーのモノが持つ魅力と似ているかな!?
結局のところ、品質は概ね価格帯に比例するという普通の結論なのかなぁと思います。
特に靴の場合は、自由度の高い洋服と違って、基本的なデザインや作りにそれ程大きな違いは無いようにも思えます。
伝統的なグッドイヤーウェルト製法を守る英国靴ブランドでは、どこもおよそ8週間かけて1足が作られているようですし。
そのため、価格を下げるために製造コストを下げれば、それが製品に現れやすいのかもしれませんね。
もちろん、上手に隠されて見た目を良くされたらなかなか分かりませんが。(苦笑)
そういえば、有名な服飾評論家の方が、
革靴は個体によって品質が違うので、ブランドやモデルだけで良し悪しは判断できない、
同じブランドや同じモデルでも品質が毎年微妙に違う、
といった言葉を残しておられたような。
僕は専門家の方ほど目が肥えているわけでは無いですが、それでも妙に納得しました。
検品が厳しいと言われる日本では、大きな品質のバラツキはあまり無いとは思います。
それでも革の質が落ちたと言われ始めてから、個体差も割と目につくようになったかなぁと思いますね。
モノ選びについて考えだすとなかなか複雑で、
だから面白いですね!!(楽)
何だかチャーチの話から逸れてしまったかな・・・。
今回はここまでです。
ではでは。