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ロック&シック、サイドゴアブーツ 。 ⑭ カルミナ 80514

 こんにちは。

 今日も晴れましたね。

 そして。今年は乾燥がちょっと気になります。

 去年までは考えた事も無かったのに・・・。 

 

 前回の続きです。

 スペインの靴ブランドCARMINAで気になるサイドゴアブーツを見つけました。

 ただ、僕があまり存じ上げないブランドでしたので、

 前回はCARMINAというブランドについて書きながら学びました。

 

 『CARMINA』という名前は2006年から、

 その前身(?)である『CARMINA ALBALADEJO』所謂『アルバラデホ』も1997年から、

 ですので、比較的新しいブランドなのですね。

 ただ、系譜的には1866年まで遡る事ができるという・・・

 ちょっと混み入った(?)歴史でしたね。

 

 日本で展開が始まったのが2001年頃かららしいです。

 僕が知ったのは更に後なので・・・

 

 とにかく!

 カルミナの靴を見れば、クオリティが高い事は分かります。

 その最たる例(?)がこちらです!

CARMINA 80514

www.carminashoemaker.com

  靴をじっくり見ても・・・

 アレが無いですよね?

ホールカット

https://www.carminashoemaker.com/cdnassets/wholecut_chelsea_boots_80514_ladl.jpg

 そうです、

 革の切り返しが、

 縫い合わせのステッチが、

 無い!

 つまり、一枚革で成形されたホールカットのサイドゴアブーツです!!

 (踵で縫い合わされているのみです。)

 

 ホールカットのサイドゴアブーツといえば、

 JMウエストンの705とラスト違いの471、

 パラブーツのマネージとエレベージ、

 という、フランス靴で少しだけ見つかるレアなデザインでしたね。

 おそらく、

 革質がとわれる事によるコスト高、

 革の歩留りが悪い事によるコスト高、

 釣り込みが難しい事によるコスト高、

 価格高になっても購入してもらえるだけの説得力のある靴を作らなければならないというハードルの高さ?

 むしろ、革の切り返しを上手く使った方が足にフィットするのかな??

 あたりが影響して、限られたブランドでしか作られないのではないかと邪推しています。(苦笑) 

 その限られた(本当か?)ブランドに仲間入りしたのがカルミーナ!

 スペイン靴の襲来です!!?

 

 前回確認したように、カルミナはアルバラデホグループ(と僕が勝手に呼んでいます)の中でも最上級ブランドですから、このような贅沢な靴をラインナップしたのではないでしょうかね。

 

Tannerie d'Annonay(アノネイのタンナー)

 繰り返しになりますが、

 ホールカットは一枚の革でアッパーを成形しなければなりません。

 そのため、複雑な釣り込みに適した革を選りすぐる必要がありますよね。

 そして、プレーントゥですから革の美しさが靴の美しさに直結します。

 ですので、美しいホールカットのサイドゴアブーツを作ろうとすれば、上質なカーフの中から選別された革を使わなければならないでしょうね。

 

 80514には、アノネイ社のボックスカーフが使われていると記載されています。

 アノネイ社は、フランスの名門タンナー『(デュ)プイ』社から1984年に独立したフランスのタンナーです。

 歴史こそ浅いですが、その実力は折り紙付きで、名だたる高級ブランドが採用し、デュプイに匹敵する評価を獲得していますね!

 特にアノネイ社のボックスカーフは評価が高いです。

 

 つまり、80514は美しいホールカットのサイドゴアブーツを目指しているのだろう、と思われますね!(期待)

 

ラストRAIN

 

https://www.carminashoemaker.com/cdnassets/wholecut_chelsea_boots_80514_fadl.jpg

 ラストRain(レイン)は、エレガントなドレススタイルからセミスポーツなデザインまでをカバーするオールマイティーなラストで、最も用途が広く、評価の高いラストの一つとの事です。

 

 程よく伸びたノーズに、無駄の無いスリムなウィズで、スマートなフォルムですね。

 セミスクエアなソフトチゼルトゥがシャープな印象をもたらしています。

 

 80514のデザイン的な特徴にも触れておきます。

 

https://www.carminashoemaker.com/cdnassets/wholecut_chelsea_boots_80514_l.jpg

 シャフトがやや長めに見えますね。

 ゴアもやや広い面積がとられているでしょうか!?

 他のサイドゴアブーツと差別化されたデザインですね!

 

ソール

 グッドイヤーウェルト製法です。

 スペインの靴ブランドの中でもアルバラデホグループ(注意:僕の勝手な呼び方です)はグッドイヤーウェルト製法を得意としているようですね。

 YANKOはイギリス靴に負けず劣らずの高品質なグッドイヤーウェルト製法で名声を獲得しています。

 カルミーナもその流れを汲んでおり、更にクオリティを追求して立ち上げられたブランドでしたね。

 

 80514はシングルウェルトですので、踵にコバの張り出しがありません。

 また、前方もコバの張り出しが極限まで抑えられていますね。

 ドレス感の非常に高い丁寧な仕事です。

https://www.carminashoemaker.com/cdnassets/wholecut_chelsea_boots_80514_sadl.jpg

  シングルレザーソールで、ヒドゥンチャネル仕様ですね。(美)

 

まとめ

 スペイン靴の中でも高級志向の強いカルミナ。

 だからこそ、ホールカットのサイドゴアブーツなのでしょう!

 

 上質なカーフ、丁寧な作り、現代的なフォルムから、美しさを追求する姿勢が伝わってきますね。

 実際に、とてもドレス感の高いブーツですね!

 それでいて、フランス靴よりも抑えた価格というところがスペイン靴の強みでしょうね。

 

 ではでは。


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