こんにちは。
今日は晴れて、割と暖かかったです。
雨上がりで湿気もそこそこあり、気持ちの良い一日でしたね。
前回の続きです。
先日冬に向けてサイドゴアブーツのメンテナンスをしました。
思い返してみれば、
昔から好きなデザインで、
使い勝手も良い靴で、
今季の気分でもあるので、
テーマにしてみたいと思います。
では、サイドゴアブーツ、行ってみましょう!
まずは歴史をざっと見てみます。
歴史
ショートブーツにゴムを織り込んだ伸縮性のある生地を取り入れるというアイデアは、1830年台の中頃にイギリスで誕生したそうです。
当時即位したばかりのヴィクトリア女王のために、脱ぎ履きが容易でフィット感のあるブーツとして、ロンドンの靴屋が作ったとの事。
つまり、もともとはレディースのブーツだったのですね!(へー)
確かに、今でもレディースのサイドゴアブーツが有りますよね。
で、当のヴィクトリア女王以上に、夫君のアルバート公が気に入ってしまったそうです!!
(その気持ち、分かるわぁ。笑)
アルバート公はイギリス議会への登院時に用いるようになったことから「アルバートブーツ」の別名が生まれたとか。(笑)
こんな話・・・、スリッポンの時にもありましたよね!
「アルバートスリッパ」です。
アルバート公の靴は要チェックですね!(笑)
ヴィクトリア女王から始まり、
アルバート公も議会で履かれておられた、
という経緯から分かるように、
そもそもは英国王室に由来するフォーマルな位置付けの靴だったのですね。
その後、1840年代後半から世に普及していったようです。
因みに、日本では坂本龍馬(1836年ー1867年)が履いていた靴がサイドゴアブーツでしたね。
有名な龍馬の写真に写っている靴がそうですよね。
撮影されたのが31〜33歳頃のようですので、
1860年代の日本にサイドゴアブーツがあったという事ですよね!(凄)
そして、何と昭和天皇もお履きになられていたそうです。
つまり昭和の日本でも、陛下が履かれるに相応しい靴だったという事でしょう。
間違い無く格式の高い靴ですね!
世界に目を戻しましょう!
第一次世界大戦後(1918年)から暫くの間は、あまり見られなくなったそうです。
何故だろう?
別のデザインが流行ったとか??
その間は、一部の礼装や乗馬の際に履かれていたようです。
礼装というのは、そもそものポジションがそうでしたよね。
ここで「乗馬」が登場してきましたね!
乗馬も上流階級と関係がありそうですが、
アウトドアであり、スポーツであり、カジュアルですよね。
実用的で見た目も綺麗という事からだと思うのですが、イメージに変化が起きてきましたね。
因みに、現在でも乗馬用の靴としてサイドゴアブーツも扱われているようですね。
そして、1960年代に入り、再び脚光を浴びる日が来ます!
そのきっかけは母国イギリスから。
モッズやビートルズ、ローリングストーンズといったスウィンギングロンドンムーブメントの核となるブーツとして、だそうです。
その中心地の1つがイングランドのChelseaだったことから、「チェルシーブーツ」と呼ばれるようになったそうです。(へー!!)
確かに今でもチェルシーブーツと呼ばれることがありますよね!!?
ここからロックなイメージが入ってきましたね!!
ロックとは言ってもビートルズなので、
タイドアップした、ジャケットを着た、綺麗でスタイリッシュなロックですが。
・・・・
ただ、、、
ここで「ロック」というのは不正確なのかなぁ。
というのも、初期のビートルズのファッションは「モッズ(モダーンズ)」と呼ぶべきなのかなとも思うので。
拘る人からすれば「モッズ風」なのかもしれませんが。
ビートルズはモッズだったんですか? | トレンド | 栗田 亮 | アパログ | ファッション、アパレル業界のブログポータルサイト
1964年5月18日には、ブライトン海岸で両者の乱闘事件が起き、暴動へと発展した「スタイル・ウォー」がありました。
そう考えると、ロックとモッズは正反対とも言えそうですよね。
でも、ビートルズはロックですよね!!?
それこそデビュー前のビートルズは革ジャンにジーンズにリーゼントというロッカーズだったそうですし。(驚)
となると、ビートルズのスタイルはやはりロックだと思うのです。
ただし、革ジャンにジーンズでは無く、モッズを着ていた(着せられていた!)。
犬猿のロックとモッズが融合し(凄!)、そのスタイルが世界に認知されてしまった訳ですよね。(笑・・・って良いのかなぁ。)
そういう意味で「モッズ風」とも言えますし、
リンゴ・スターはかつて「モッカー(mocker)」という英国らしい皮肉の効いた言葉を残しているそうです!(笑)
とはいえ、それでは流石にカッコ良く無いので、、、(苦笑)
UKロックと言った方が分かりやすいのかもしれませんね。
なお、当時のサイドゴアブーツのヒールは5〜6cmと高めで、ピッチドヒールのように窄まっていく「Cuban Heel」という仕様だったそうですよ。
確かに、上のビートルズの写真もそのようなヒールですね。
カウボーイブーツにも見られるヒールデザインですし、そこにロック魂を込めたのかなぁ??(笑)
まとめ
サイドゴアブーツの歴史はダイナミックでしたね!
英国王室に由来するフォーマルなイメージから、
乗馬の上品でスポーティーなイメージへ広がり、
チェルシーのモッズやビートルズのロックなイメージにまで達してしまいました。
おかげで、
セットアップからデニムまで、
インドアからアウトドアまで、
幅広く履ける靴になりましたね!
その根底にあるのは、やはり綺麗でフォーマルなイメージなのだと思います。
そのイメージがカジュアルなスタイルを上品にするのにぴったりだったのではないでしょうか。
シンプルなデザインにこれほど応用力があるなんて!
あらためて凄い靴だと思いますね。
おまけ
前回の僕の思い出話の中で、フランスのシューズデザイナーのサイドゴアブーツについて触れました。
そのブーツのゴアには革が蛇腹状に縫い付けられていて、ゴアが革で隠れるように装飾されています。
何と、かかる装飾は1830年代当時からあるそうなのです!(驚)
さすがイギリス王室の靴ですね。
美意識が高く、手間隙を惜しまない!!
ではでは。