こんにちは。
今日は曇り気味の晴れだったでしょうか。
なんとなくスッキリしない今日この頃、、、。
季節感があまり感じられないのは僕だけかな・・・。
それでは、オールデン990の続きです。
外羽根
外羽根すなわちブラッチャー(米国式の呼び方)ですが、なんだか上品ですよね!?
内鳩目の5アイレットは一般的なスタイルですが、羽根のデザインがちょっと変わっていませんか?
ダービー(外羽根)は、一般的に羽根からソールへと大きな革の切り返し(クオーター)が縫い付けられる場合が多いですよね。
前回の冒頭で紹介したクロケット&ジョーンズのセッジムーアがそうです。
ヨーロッパの老舗靴ブランドではこのような羽根のダービーシューズが多いように思います。
しかし、990は違いますね!
クオーターの無い一枚革で、レースホールがある羽根だけが縫い付けられています。
そのため、非常にすっきりとした外羽根となっていますね。
このような外羽根はアメリカ靴に多いように思います。
ダービーと言っても、だいぶデザインが異ななりますね!(楽)
なお、海外のサイトなどでは、
ヨーロッパタイプの外羽根を「Derby」、
アメリカタイプの外羽根を「Blucher」、
と記載しているのを見かけます。
ただ、「Blucher」がプロイセン軍の外羽根のデザインなのかは不明です。
そもそも、プロイセンはヨーロッパにあった訳ですから、地理的には逆ですよねぇ・・・。
おそらく、デザインの違いを当地の呼称に合わせて分類しただけではないかと。
さて、前回書いた通り、990はホールカットです。
それを実現させているのがかかる羽根のデザインですよね。
その外羽根は小さなパーツですがくっきりとした輪郭を描いていて、デザインのポイントになっているように思います。
そして、クオーターが無い事でトゥからボールジョイント、ウエストやトップラインを通ってヒールへと流れる曲線が滑らかに映りますね!
コードバンの張りと艶、しなやかな質感といった革の魅力が見事に現れていると思います。
ソール
オールアラウンドグッドイヤーウェルト製法です。
出し抜いのステッチが踵までぐるりと一周施されています。
どっしりと大きなヒールも990の特徴ですね。
ウェルトにはステッチが入っていて「リバースウェルト」と説明される事もあるようですが、飾りステッチだとしたらスプリットウェルトではないかと。この辺りの事についてはウイングチップ の975の時に書いたので端折ります。
デザインとしてはカジュアルでしょうね。
ソールは厚めのダブルソールです。
履き始めの頃は反りづらくて堅いかもしれませんが、
馴染んでくると長く履いていても疲れづらい靴になると言われます。
990を斬って、内部を検証した記事がありました。
全集中、水の呼吸、、、日輪刀!!?
特集 | オールデンを分解する! : NATORIYAのブログ
やはりかなり肉厚の革やたっぷりのコルクが使われていますね。
オールデンは歩くための靴としても評判が良いのはソール等の作りにも拘りがあるからでしょうね。
ソールの作りを見ると、イギリス靴で言うカントリーシューズ、つまりカジュアルシューズですよね。
アメリカントラッドなファッションにおいてはスーツにも合わせられる事のある990ですが、そもそもはカジュアルシューズなのでしょうね。
イギリスのトラッドを少し崩して、カジュアルなアイテムと上手く組み合わせたアメリカントラッドのイメージがピタリとハマります。
990はホールカットという事もあってドレス感のあるシンプルな美しさのあるアッパーですが、タフで実用的なソールがしっかり支えていますね。
このバランス感覚が、ドレスにもカジュアルにも合わせやすい靴、出番の多い靴、となり、その結果、足に馴染んで履きやすい靴、になるのでは無いかと思います。
実用的で美しい靴の代表格ですね!
最初にも書きましたが、990はオールデンのロングセラーでありベストセラーです。
それだけ長い間、多くの人々に支持されているのですから、名作中の名作でしょうね。
現在のファッションにもハマるのですから本当に凄いと思います!
ベーシックの1つの到達点と言っても良いのではないでしょうか。
今回はここまでです。
ではでは。