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グレート ウイングチップ ! ⑤ トリッカーズ M6837 FULTON

 こんにちは。

 今日は曇り気味でしたが、気温は暖かかったです。

 これで10月なんですよね、、、。

 過ごしやすいのですから感謝すべきなのでしょう!

 

 ロングウイングチップについて書いています。

 別名「アメリカンブローグ」とも呼ばれる、アメリカ流のウイングチップデザインです。

 前回までで本場アメリカブランドの「オールデン 975」と「アレン・エドモンズ マクニール」をとり上げました。

 そして今回はイギリス靴です。

 え・・・?

 イギリス靴はフルブローグでしょ??

 いえいえ、実は・・・

 

Tricker's M6837 FULTON 

 

 トリッカーズはイギリスの靴ブランドですよね。

 しかも、フルブローグ(英国式)の名作靴(Burton等)を持つ老舗です。

 そんな英国靴の名門トリッカーズが何故アメリカンブローグなのか?

 それはトム・ブラウンのせいです!!(笑)

 

 トム・ブラウンについてはこちらで紹介されています。

トムブラウン : THOM BROWNE - ファッションプレス

 中略。

 ブランドのスタートは2001年。

 2004年秋冬からニューヨークコレクションに参加し、一気にブレイク!

 2007年秋冬からブルックスブラザーズの新ライン「ブラックフリース」のデザイナーとしても活躍。(2015年秋冬で終了)

 2008年にはモンクレールの新ラインのデザイナーに就任。(2018年春夏で終了)

 

 デザインの元となるのが50年台後半〜60年台前半のいわゆるアメリカントラディショナル スタイルです。

 それを独自の解釈で現代にアップデートし、トム・ブラウンのスタイルを確立しました。

 個人的には、彼の影響でトラッドアイテムも復権を果たし、今のトラッド人気へと繋がっているように思いますね。

 

 とにかくトム・ブラウンのスタイルが及ぼした影響力は絶大でしたね。

 あれよあれよと世の中がアイビー・プレッピーファッションに染められていきました!(笑)

 特に印象的なポイントとしては、

 ウエスト位置が高くタイトでかなり短い着丈や袖丈のジャケットやニット、股下の短いパンツ。

 グレー。

 左腕や左裾などに入る白い数本のライン。

 トリコロールのリボン。

 そして、ロングウイングチップ!

 

  そのロングウイングチップの製造をしていたのがトリッカーズなのです!

 それがM6837です!!

 この件に関して面白い情報がありました。

海辺で気まま日記 改め 川辺で気まま日記 THOM BROWNE.のシューズ、やはりサンダース製

  ブランド側は一応製造工場を隠しているのですね。

 どこから情報が漏れたのか、

 いや靴好きならすぐに分かった事なのか、

 トリッカーズ製である事がバレて(?)、

 セレクトショップの別注が入ったり、

 トリッカーズからもロングウイングチップが出てきたり。(笑)

 

 その後サンダース製となったのですね。

 その話はまた後で。

 

 トム・ブラウンでは現在もロングウイングチップがありますね。

www.thombrowne.com

 

 さて、M6837ですが、

 その大きな特徴はもちろんコレ!

ロングウイング

 イギリスを代表する老舗靴ブランドのトリッカーズが、

 フルブローグの名作を作り続けているトリッカーズが、

 アメリカンブローグを作ったのですから特別です!

 これはイギリス側から見た印象です。

 逆に、アメリカ側から見ると、

 ブルックスブラザーズやラルフローレンも、イギリス靴にオーダーしてきましたよね。

 本場への憧れでしょうか??(同意!)

 イギリス靴はアメリカントラッドにおいても特別な意味がありそうです。

 そして、トム・ブラウンも現代的解釈でトリッカーズにオーダーしたのではないかな??

 

 ブローギングを見ると、トリッカーズ式と言いますか英国式と言いますか、バートンと同じような作りのようですね。

 親子穴の並びに適度な間隔があります。オールデン等はもっと蜜でしたね。

 トゥキャップのW字の中央の山もオールデン等よりは尖っていません。

 羽根に沿って施されたブローギングのラインも曲線的です。

 因みに、5ホールでは無く4ホールになっていますね。

 オールデン等と比べてマイルドな印象のブローギングです。

 

 スペシャルオーダーの特徴がもう1つ。

 それはラストです!

81ラスト

 このラストは1950年代にオーストリア総領事の特注ブーツで使われていたそうです。

 おっ、「50年代」!

 トム・ブラウンのインスピレーションとされる時代であり、

 アメリカントラッドとも繋がりましたね。(笑)

 

 81ラストはいわゆるトリッカーズらしい4444や4497Sとはだいぶ異なります。

 ナローでシャープなポインテッドトウはドレス感をグンと上げていますね。

 アレン・エドモンズのマクニールタイプでしょうか。(笑)

 ボリューム感のあるアッパーやソールをシャープな形で引き締めて、ドレスシューズとして履ける靴に仕上げているのは流石ファッションデザイナーですね!

 

 

 M 6837は、これまでのトリッカーズのイメージを覆し(?)、新しいトリッカーズの魅力を強く印象付けた名作靴ですね。

 トム・ブラウンはスーツに合わせていました。

 確かにそれくらいドレス感のあるウイングチップシューズになっています。

 面白いですよね。

 スーツにBurtonを合わせるイギリス人はイメージ出来ないのですが、

 スーツにFultonを合わせるアメリカ人はイメージ出来るのですから!(笑)

 ロングウイングチップが独特なのはそこにあるのかな、と思います。

 アメリカントラッドやアイビーといったファッションと結び付いたデザインの靴ならではでしょうかね。

 

 

 今回はここまでです。

 ではでは。


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