こんにちは。
今日は曇りから晴れてきて、暖かくなりました。
むしろ、暑いくらい、、、。
衣替えしたのに・・・。
ウイングチップに戻りますね。
オールデンの975をとり上げました。
ウイングチップのお手本のような名品ですね。
今回は同じくMede in USAの逸品です!
Allen Edmonds MACNEIL
アレン・エドモンズもアメリカで靴を作り続けているアメリカ靴ブランドですね。
アメリカ靴というと、日本ではオールデンが有名で人気ですが、アレン・エドモンズはどのようなブランドなのでしょう!?
歴史
1922年、ウィスコンシン州のベルギーという町で、靴職人エルバートW・アレンとウィリアム・エドモンズによって創業されました。
アレン・エドモンズの信念は「世界で一番豪華で履き心地の良い、手作りの靴を作りたい」という事。
その信念は、釘や金属のシャンクを使わずに足にフィットする靴作りや、限られたブランドにしか卸されないホーウィン社のシェルコードバンを使用している事にもあらわれています。
また、他の多くの米国革靴メーカーと同じく経営難に陥った時、他のメーカーと同じく工場の海外移転を検討したそうです。
しかし、当時の社長が「海外での生産はアレン・エドモンズの品質を落とす事になる」と判断し、自国生産を貫いたそうです。
その判断があったことにより、一貫してMade in USAを維持している米国靴ブランドとしての名声を獲得しましたね!
アメリカでもエグゼクティブ層に愛されるステイタスブランドと言われています。
歴代大統領も愛用し、大統領就任演説やホワイトハウスへの初登庁時に履くことが慣習にまでなっているそう。(凄)
つまり、アメリカで最もフォーマルなドレスシューズとも言えそうですね!
それを支えているのもMede in U.S.A!!
因みに、
アメリカ製のドレスシューズは今やアレンエドモンズとオールデンくらいでは、とまで言われていますね。
そんなアレン・エドモンズが作るロングウイングチップがマクニール です。
オールデン975と比べて、若干スマートな印象ですね。
その大きな理由はラストではないかと。
97ラスト
アレンエドモンズの主要なラストについて詳しく紹介されているブログがありました。
97ラストの特徴は、
幅は広くいが爪先は細い。
甲は低い。
ドレスシューズ向きのラストとの事です。
特に、低く尖った形のポインテッドトゥが特徴的ですね。
この意匠・・・!
あの有名デザイナーの靴にも!??
それはまた後々。
オールデン975のゆったりとしたラウンドトゥとは対照的なポインテッドトゥに、マクニールの個性がよく現れていますね。
ブローギング
親穴と子穴の間隔は割と蜜で、975と似ていますね。
ロングウィングのデザインや、W字型のキャップ中央の山の尖り具合なども、975とよく似ています。
この辺りはアメリカンブローグに共通するデザインなのかもしれませんね。
でも、革の切り返しを縫い合わせる糸をよく見ると、、、
ダブルステッチになっていますね!
オールデン975と異なるデザインであることはもちろん、他のメーカーを見回してみても珍しいデザインではないでしょうか!?
また、鳩目がある羽根の大きさ・長さが若干大きめな点も975とは違いますね。
羽根が長い分、ノーズ長は抑えられたように見えますね。
ノーズの間延びした印象が無く、締まった印象になっています。
そして、外羽根に施されたブローギングのラインも、角を感じるキチッとした線ですね。
ここも丸みのあるオールデン975とは異なるポイントでしょう。
ブローギングにもさり気なくマクニールの個性が現れていますね。
ダブルソール
カントリーシューズらしく、ダブルソール仕様です。
そして、オールアラウンドグッドイヤーウエルト製法です。
コバもしっかり張り出していますね!
更にストームウェルト。
とてもボリュームのあるソールですね!
にもかかわず、マクニールには不思議なドレス感がありますね。
やはりラストの影響でしょうか。
低く抑えられた甲やシャープなポインテッドトゥにしたことで、全体的にはボリューム感が上手く抑えられているように思います。
もちろんカーフもありますよ!
ラストやデザイン等は同じで、純粋に革の違いですね。
マクニールは、
ロングウィング、革の切り返しのダブルステッチ、外羽根、ダブルソール等はカジュアル寄りのデザインですが、
ラストはドレス寄り、
というバランスです。
カジュアルにドレスがミックスされて、綺麗目なロングウイングチップという印象がします。
あらためて、ラストの影響って大きいですねぇ。
アメリカ靴からのロングウイングチップはここまでです。
ロングウイングチップが誕生したのがアメリカ。
オールデンもアレン・エドモンズもアメリカブランドで、アメリカ製のロングウイングチップです。
これぞ本物!、ではないでしょうか。
ところで、
アメリカ靴を見ていると、
カジュアルなデザインとドレスなデザインのミックスが特徴なのかなぁ。
イギリス靴やフランス靴にも無い訳では無いのですが、基本的には
カジュアルな靴はカジュアルに、
ドレスな靴はドレスに、
という区切りがあるように思います。
これは僕がイギリス靴的な物差しでアメリカ靴を見てしまうからなのかなぁ??
イギリス靴だったら内鳩目にするのに、そこはダブルソールでしょ、ダブルステッチにするの?、って。(苦笑)
そもそも「カジュアル」とか「ドレス」の判断基準がイギリス的かも!?(笑)
ひょっとしたら、
アメリカ靴におけるドレスシューズの基準はイギリス靴とは違うのかもしれませんね。
例えば、イギリスのワークシューズをトリッカーズのモールトン(カントリーブーツ)とするならば、アメリカはレッドウィングの875(アイリッシュセッター)でしょうか。
両者の印象はだいぶ違いますよね。
モールトンは丈夫であるとともに品の良さを守っている所がイギリスらしい印象です。
875はタフであり実用性を優先している所がアメリカらしい印象ですね。
これが両国のカジュアルシューズに対する意識の違いなのかな!?
そうだとすれば、ドレスシューズに対する意識にも違いがありそうですよね。
イギリスは端正で引き締まったエレガンス、
アメリカはパワフルでおおらかなエレガンス、
でしょうか!?!?
それにしても、アメリカはよくロングウイングというデザインを生み出しましたね!(驚)
クラシックたりうる風格と強い個性が見事に調和した完成度の高いデザインですよね。
フルブローグがイギリスを離れ、異国アメリカに渡った事によって、
カントリーシューズという伝統やイメージによる呪縛から解き放たれたのかもしれませんね。
そういう固定観念が無いところで、新しいデザインが生まれたのかな!?
ではでは。