こんにちは。
今日は曇り時々雨でした。
気温もそれほど上がらず、結構涼しかったですね。
ではフルブローグの続きです。
再び本流に戻ります!
フルブローグはカントリーシューズに由来するカジュアルな靴ですが、
おそらく英国紳士に相当、、、
いや、かなり!?、
う〜ん、熱烈に!!、
好まれたのでしょう、
ドレスシューズにもその意匠が取り入れられ、今や英国靴を代表するデザインですよね!
既に書いたチャーチのチェットウィンドも1948年には登場していたのですから、ドレスシューズとして70年以上も英国紳士に愛されてきた事になります。(凄)
そういう思いであらためてフルブローグを見渡してみると、
ドレスシューズとしてのフルブローグは、(超)高級靴ブランドも必ずラインナップに入れている主力デザインである事に気がつきます。
やはりそれだけ人気の高い(売れる)靴という事ですよね!?(笑)
今回は美しきイギリスのフルブローグを愛でたいと思います。(保養)
EDWARD GREEN MALVERN
クラシックな英国靴の良さが残るという声も多い、エドワードグリーン。
そんなエドワードグリーンが作る、フルブローグの名作との呼び声も高い靴がマルバーンです。
因みにMalvernはロンドンにあるエリアの名前だそうです。
美術館などがあって、休日に行くようなエリアのようですね。
ブローギング
ウィング状のキャップやバンプ、クオーターやヒールにまで、フルにブローギングが施されています!
パンチングの穴もくっきりとしていますね。
これあくまで僕の感覚ですが、チェットウィンドのサイズ感と同じような印象がします。
上位クラスのフルブローグは小さめの穴で上品さと技巧を魅せてくるブランドもありますが、マルバーンはカントリーっぽさを隠さない方向性ですね。
キャップの羽の両端はやや深い位置まで伸びてソールへ落ちています。
少し長めの羽ですが、チェットウィンドも同じようバランスですよね。
という事は、このくらいがスタンダードなのでしょう。
横から見ると、ブローギングのラインはチャーチと異なりますね。
マルバーンはレースステイを履き口まで昇りきってから、トップラインに沿ったラインを描いています。
キチっとした感じがしますね。(笑)
ギンピングは非常に細やかです。
特に、はき口周りのギンピングはマルバーンの特徴かもしれませんね。
マルバーンのアッパーのデザインは正統派のフルブローグだと思います!
ラスト
エドワードグリーンは同じモデルで様々なラストを使うブランドです。
ですので、マルバーンにも202や82といったラウンドトゥ、888のスクエアトゥなど、いろいろあるようです。
202ラストはエドワードグリーンの基幹ラストで、ノーズがやや短く、幅があり、クラシックな英国靴らしさが感じられますね。
82ラストはノーズが少し長く、幅もスリムになって、スマートさが感じられます。
コバ
グッドイヤーウェルト製法ですので、ウェルトをソールに出し抜いするためのコバが出ます。
コバの張り出しは靴にボリューム感をもたらし、無骨な印象、カジュアルな印象が生まれます。
マルバーンを見てみると、極限までコバの張り出しが抑えられていますね。
また、出し抜いのステッチも均等に並んでいて悪目立ちしません。
そして、コバの角には非常に細やかな目付が施されています。
こういう丁寧な仕事は流石エドワードグリーンです!
因みに、アッパー各所のステッチも細やかで蜜ですね!!
行き届いた作りの良さが上品さ・ドレス感を生んでいます。
レザー
チャーチの上のステージに位置するブランドですから、革質も上のグレードですね。
その為でしょうね、マルバーンは何処となく柔らかな印象がします。
ここをどう受け止めるか・・・
ブローギングのデザインがくっきりとカジュアルな印象なのに対して、
作りが非常に細やかでドレッシー、革も上質な柔らかさ、
というバランスの好みの問題でしょうかね。
確かに、上質なスーツに合わせる上質なドレスシューズという意味では綺麗にまとまりますね。
実際にそのような需要は高いでしょうね。
82ラストの現代的なスマートさは特にカッコ良いと思います。
ただ、、、
あくまで僕の好みですが、
正直言うと、ブラックのカーフであればもう少し堅さを感じる方が好きかなぁ。
その方がくっきりとしたブローギングと馴染むようで、カジュアル寄りなバランスとしては宜しいかと。
でも、ブラウンとなると流石エドワードグリーンです。
カジュアルなブラウンとブローグのデザインの相性も良いように思いますし、上質なアンティーク感が漂ってきますね。
大人の円熟味を感じます。(憧)
と、無謀にも僕ごときがエドワードグリーンに噛み付いてみたのですが、、、
実際にマルバーンを見て、手にとれば、コロッと、簡単にコロッと、惚れてしまうのではないかと危惧(?)しています。(苦笑)
また、合わせる服の着こなし方によって、マルバーンがピタリとハマる事は大いにあり得るでしょうね。
エドワードグリーンのフルブローグからもう1つ紹介したい靴があります。
INVERNESS
あまり見かけない靴かもしれませんね。
僕もこちらのブログで初めて知りました。
詳しい事はくすみさんのブログをじっくり堪能して下さい。(楽)
因みに、Invernessはスコットランドにある都市の名前で、ハイランズ(ハイランド地方)の唯一のシティであり、「ハイランズの首都」とも呼ばれるそうです。 (インヴァネス - Wikipedia)
で、インバーネスの一体何が良いのかと言いますと、
何と、ウィング状のキャップが実はキャップでは無いのです!!!
・・・ ?
え〜と、、、ウィングの箇所がイミテーションなんですね。
??
つまり、本来ならウィング状のキャップにブローギングが施されるのですが、そのキャップを無しにしてバンプにウィングのパンチングが施されているのです。
それはヒールのブローギングも同じで、アウトカウンターを無しにしてクオーターにブローギングを施しています。
要するに、バルモラルのプレーントゥにブローギングデザインを施したのがインバネスなのです。
「騙し絵」のような感じでしょうか!?
エドワードグリーンにまさかこんな遊び心のある靴が有るなんて!
ではでは。