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僕の気になる皆川明さんのデザイン。

  こんにちは。

 今日も暑かったです。

 そして夕立!??

 ゴロゴロ鳴ってザーッと降って晴れる。

 夏、ですね。

 

 先日、NHK日曜美術館で『100年つづく人生(デザイン)のために〜デザイナー皆川明』の再放送がありましたね。

 今年の1月2日から東京都現代美術館で開館されていた『ミナペルホネン/皆川明 つづく』に合わせて作られた番組で、最初の放送は1月5日でした。

 あらためて観たのですが、良かったです。(幸)

 

 皆川明さんはだいぶ以前からNHKの番組で拝見していた方で、

 その時から、

 「長距離(陸上部)タイプの人」というのはこのような人なのかぁ、

 という思いを持ちました。

 僕も若かったので、ふ〜んくらいでしたが。(苦笑) 

 ただ、何だか気になる方で、何だか気になるブランドでしたね。

 

 今あらためて考えてみると、

 僕は子供の頃にサッカーをし、受験勉強や試験も経験してきました。

 つまり、決められた時間内に結果を出さなければ勝てない環境で育ってきたのですね。

 自分で言うのも何ですが、どちらかといえば「短距離タイプ」。(苦笑)

 そんな僕なので、対極なタイプの皆川さんから教えられる事が多いのかもしれません。(敬)

 

 今回の番組でも、いろいろな学びがありました。

 僕の記憶を頼りに書くので、正確性が無い事をご了承下さい。

 

 (自分のやろうとしている事を成し遂げるには)自分の時間(寿命)では足りないと思うので、後の人に続きを託す事を考えている。

 自分は良い土を作ろうと思っている。

 良い土ができれば、そこからすくすく育つ。

 というようなお話がありました。

 そのような方が作る服は、長く着てもらえる事を考えてデザインされているのですね。

 経年変化を考えて生地を作ったり、リペアにも応えてくれたり、端切れを活用したり。

 同じ服を何年も着ていく中で、思い出と経年変化とが合わさってその人の服になる。

 2004年からパリコレにも出ているデザイナーブランドがこういう服を作り続けているというのも新鮮な驚きを感じました。

 

 皆川さんが服作りの道へ入ったきっかけがパリコレでのショーの手伝いだったそうですが、毎シーズン新しい服に切り替えるパリコレに疑問をもっておられるというのも興味深いですね。

 そして皆川さん流のやり方で、パリコレに挑戦されておられる!

  

 興味深かったのは、やはりテキスタイルです。

 皆川さんはテキスタイルから作る事に拘るデザイナーですから。

 「素材選び」ならぬ「素材作り」から、でしょうか。

 

 番組内では皆川さんの刺繍のデザインを、

 技術のある生地職人が一針一針考えながら機械にデータを入れて行き、

 時間をかけてやっとテキスタイルが完成する、

 というプロセスが見られました。

 デザイナーや職人の力と機械とが見事に融合し、とても日本らしいモノ作りだと思いました。

 

 生地を作るところからして長い時間と根気が必要な仕事ですよね。

 数日で服を作って店舗に並ぶファーストファッションとは真逆のやり方です。

 まさに長距離タイプと短距離タイプの構図でしょうか!?

 売れなかったら成り立たないビジネスの世界。

 そこでも、皆川さん流のやり方で挑戦し続けておられます。

 

 服飾評論家の方は着物文化を感じるというようなお話をされていました。 

 着物は服としては非常にシンプルな型、どの着物もほぼ同じ型、なのですが、

 生地作りに徹底的に拘ります。

 ミナペルホネンの服も、形はとてもシンプルで、生地作りへの拘りが非常に強いと。

 なるほど。(納得)

 それは日本における服作りという面から考えても、日本に合ったやり方なのかもしれませんね。

 着物の生地で服を作ったブランドは知っていますが、

 皆川さんは着物的な生地作りで新しいデザインを作っておられ、日本の生地作りの可能性を広げておられるように思いました。

 

 一瞬で情報が伝わる今の情報社会では、

 日常の些細な事でさえ忙しなく進みがちな世の中ではないかと・・・僕だけ??

  それこそ、インスタントでコンビニエンスでファーストな世の中、でしょうか。

 その中で、

 物事をゆっくり行う事、

 時間をかけてじっくり行う事、

 根気強く続ける事、

 がなかなか難しい・・・僕だけ??

 だからこそ、

 皆川さんの考え方、やり方、生き方、から学ぶ事が多いのかな・・・僕だけ???

 

 もう1つ面白かったのは、「絵本」です。

 それがこちら。

 皆川さんのデザインが絵本として見られます!

 

 でも、 

 ちょっとおどろおどろしい絵。

 テキスタイルをデザインする時とは違う描き方で生まれた絵だそうです。

 頭に浮かぶイメージを次々と描き起こして描かれたと。

 

 その考え方について、

 子供はイメージを真実と捉えているように思える。

 そんな子供も成長するにつれて様々な情報を得、そうして真実の姿も変わってくる。

 というような事を仰られていたように思います。

 

 僕の勝手なイメージ(理解)を挟ませて下さい。

 子供の頃は虫に夢中だったのに、大人になると虫が苦手になったのは何故??(笑)

 子供の頃に夢中になった本を、大人になって読み返してみたら意味が分からないのは何故??(苦笑)

 

 皆川さんは絵は子供の頃のようなイメージで描かれたのでしょうね。

 時間(人生)をかけて得たものと失われたもの、

 その失われたものの中には何か大事なものがあるのかもしれませんね。

 

 

 美術番組というだけあって、僅かな感性しか無い僕でも刺激されました!(笑)

 そして、皆川さん、いろいろな学びをありがとうございます。

 ではでは。


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