こんにちは。
『CROCKE TT&JONES ALEX』を紹介しています。
ホールカットという革とフォルムの美しさが際立つデザインです。
前回は、革についてでした。
今回はフォルムです。
ALEXの木型は348。
348はAUDLEYでも使われるハンドグレードの337をベースに、
モダンでスタイリッシュなフォルムへと進化させたパリ発の木型、
との事です。
ちょいと攻め気味の宣伝文句のようにも聞こえますが(!?)、
ジェームズ・ボンドが履いた靴ですので、
間違い無いですね。(笑)
ボンドの靴ではHIGHBURYやNORWICH、CAMBERLEYも348ですね。
あらためて考えると、ボンドの靴はほとんどが348じゃないか!??
それではALEXを見てみましょう。
上から
ロングノーズとスクエアトゥで現代的ですが、
抑制が効いているところは英国的かなと思います。
トゥを囲むサイドのエッジがありますね。
全体的に細っそりとしたフォルムです。
アウトサイド
トゥはチゼル気味でエッジも効いてます。
そのため、シャープな印象です。
ウィスキーは柔らかい色味ですので、シャープさはそれほど強くはないかもしれません。
それでも、コードバンの張り感は引き立っていると思います。
加えて、ボールジョイント(小指あたり)からヒールへ繋がる曲面も立体的でグラマラス!
甲の立ち上がりとも並行していて、革の面としての表情が現れます。
甲の立ち上がりは大きいので、やや長めのノーズでも間延びした感じがしませんね。
こちら側のトゥのエッジは若干穏やかかな。
足に沿って素直に立ち上がっているからでしょうか。
それでも光の線が見事に描かれていますね!
アーチ(土踏まず)を描くカーブも立体的で美しい!
ウィスキーのコードバンは陰影が現れやすいですね。
そのため、靴の表情が豊かです。
ヒール
ヒールカップは小ぶりな丸みで深さがあります。
張りがあって美しい!
ALEXはホールカットなので、ヒールの縫い割りがアッパーの唯一の縫い合わせ箇所となります。
ラスト348のフォルム。
高めの甲からアウトサイドへ流れ落ちる伸びやかな斜面と
アウトサイドのボールジョイントからヒールへ伸びるカーブや
インサイドのアーチに沿うカーブ
のメリハリが効いた立体感のあるフォルムですね。
それをサイドのエッジが更に強調して、シャープさが感じられます。
ホールカットのALEXはラストのフォルムがそのまま現れますね。
そして革そのものの表情も現れます。
そのため、ウィスキーの豊かな表情とコードバンの張り感がそのまま伝わってくるデザインだと思います。
その魅力に僕は一目惚れし、連れ添うことになりました。(幸)
今回はここまでです。
ではでは。
ラスト348のジェームズ・ボンド着用靴。
HIGHBURYは3ホールのスタイリッシュなプレーントゥダービー。
CAMBERLEYは現代的なダブルモンクのショートブーツ。