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JHON LOBB MILTON ⑤(アッパーの革質)

 こんにちわ。 

  昨日の予感が当たってしまいました...。

 少しですが、雪。

 まぁ、積もらなかったから良かったぁ。

 

 前回はソールについてあれこれ書きました。

 今回はアッパー、特に革について書きたいと思います。

 

美しさ

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 肌理の細かさは正に極上のカーフです。

 これまで僕が所有してきた靴の中でも1位と言い切れますね。

 

 以前チラっと書きましたが、それまではフランスのシューズデザイナーブランドのカーフが僕の1位でした。

 当時の価格帯で、JMウエストンやエドワードグリーンくらいだったと記憶しています。

 その靴を所有した事から僕はカーフに魅了されました。

 

 ところが、ジョンロブに使われているカーフは更に肌理が細かいのです!

 この辺りのレベルになると、そこまで大きな差は無いのですが、皺の感じが微妙に違います。

 肌理が細かいと皺も細やかですね。

 上には上があるのだと、驚きました。

 

 なお、ジョンロブのカーフの方がやや厚みは無いように感じます。

 仔牛の年齢の差も関係していそうですね。

 

 因みに、チャーチの125周年モデルを履いていた事も有ります。

 その靴にはカールフロイデンベルグのボックスカーフが使われていました。

 確かに非常に肌理が細かく滑らかなカーフでした。

 しかし、まるでラムレザー。

 カーフにしては繊細過ぎるというか、弱い。

 初めてクラックが出来てしまいました。

 

 その点、ジョンロブのカーフは美しさに加え丈夫さも兼ね備えているから凄い。

 僕の主観ですが、カールフロイデンベルグよりも良いと思います。

 カーフとはこうあるべきというお手本ではないでしょうか。

 

ジョンロブの贅沢さ

 

 ジョンロブが凄いのは、そのレベルの革を1足全てに惜しみなく使っている事です。

 細部まで見ても、質の落ちる革が無いのです。

 どこから見ても上質なカーフの美しさが表れます。

 

 その上、ジョンロブは継ぎ目が少ない作りを志向しています。

 その為、1枚の革を多く使う事になります。

 MILTONもシームレスヒールやフロントと1枚続きのタンで作られていて、1枚の革を多く使っています。

 これは本当に贅沢だと思いますね。

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 上質な革を惜しみなく使っている事は、ジョンロブの大きな魅力だと思います。

 他のブランドではなかなか出来ない事ですので。

 

 手触り

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 さらさらと滑るような滑らかな手触りは、本当に気持ちが良い。

 この手触りはカーフの魅力です。

 

 適度な張りと適度な柔らかさがあり、しなやかです。

 手で触って革のしなやかさが感じられるのも魅力です。

   

 

艶やかな輝き

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 上質なカーフはクリームだけでも自然な艶がしっかり出ますね。

 そして、肌理が細かいので光が当たると綺麗に輝きます。

 僕はこのくらいの光り方で十分です。

 それで十分に足元をドレスアップしれくれますので。

 

 丈夫さ

  上でも少し触れましたが、カーフの魅力には丈夫さもあると思います。

 その丈夫さについても書いてみますね。

 

傷の回復

  ちょっとした擦り傷くらいであれば、クリームを入れて表面を強めに撫でると治ってしまいます。

 既に生きていない革が治癒するのだろうか?

 治癒はしないでしょう。

 ただ、革がしなやかな状態を維持できていると、傷が深く入りにくいのではないでしょうか。

 その為、表面が荒れる程度で済み、クリームを入れて撫でると荒れが整って治るのではないかと思います。

 

 そして、かかる点でもジョンロブのカーフは優れていると思います。

 実はこの靴、一度大きなピンチを経験したことがあります。

 その話は長くなるので、またあらためて書こうと思います。

 

型崩れも回復

  靴は履き込んで行くと、履き皺は出来ますし、ソールにも反りが出ます。

 それにより型崩れが生じてきます。

 それを正すために、シューツリーを使います。

 

 そして、ジョンロブのカーフは型崩れからの回復力があるように思います。

 革に張りがある感じがするのです。

 その為、美しいラストのフォルムが長年維持されます。

 

  これに関して、ジョンロブでは「フルグレインレザー」に拘っているようです。

 ラストのフォルムをきちんと記憶しつつ、型崩れから回復する力があるそうです。

 靴にとって望ましい革です。

 

僕の感想

  天然素材である革には、どうしてもランクがありますね。

 

  以前、革の配給には序列が決まっているというような話を聞いたことが有ります。

 そこには歴史的な背景があり、良い革は優先的に特定のブランドへ渡るそうです。

 そして、残った革を他のブランドで取り合うそうです。

 

 今でもそうなのかは分かりません。

 高いお金を払ったところへ卸すのか、やはり序列があるのか。

 

 この点、ジョンロブパリにはエルメスという強力な後ろ盾がある事は有名です。

 そのお陰なのか分かりませんが、ジョンロブの革が素晴らしい事は製品を見れば明らかです。

 

 

 最近はデパートで沢山の靴を見ても、きめ細かい上質なカーフが少なくなったように感じます。 

 また、靴では無いのですが、最近の高級ブランドの革製品を見渡すと、型押しカーフと呼ばれる革が増えている一方で、ボックスカーフのようなカーフが無くなってきているように感じます。

 

 ですので、上質なカーフはますます貴重になっていくように思います。

 これが気掛かりです。

 

 では、では。 


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