こんにちわ。
右も左も分からないままですが、前へ進みます。
ブログ第2回目へ。
今回も引き続き『Tricker's M7824』です。
Tricker's M7824 (第2回)
第1回でも書いた通り、2014年にアーバンリサーチ別注モデルとして発売されました。
実は、アーバンリサーチでは「M7634」と紹介されていました。しかし、ライニングとシューズボックスの記載は「M7824」、、、??
ライニングに記載されている以上、それが正式なのかなぁ。
定価は税込82080円です。
❝超❞高級靴とまではいきませんが、十分「高級靴」と言っていい価格帯ではないでしょうか。
実際、Tricker'sの靴は手にした瞬間に「あっ、良い靴だ」って感じるんですよね。
何なんでしょうね、この感覚?
ひと際ズシリと重く、細部にはやや粗さもあるのですが、これから長く一緒に付き合っていくんだなぁという気持ちが湧いてくるのです。
因みに、英国靴の聖地ノーサンプトンでも最古のメーカーだそうです。
この点、靴ブランドの場合、概ね価格と品質は比例するように思います。
特に靴の老舗ブランドとなると、デザインはベーシックな範囲に収まる傾向が強いです。つまり、デザイン料で価格を上げるファッションブランドとは違い、素材のクオリティや制作にかける手間ひま、職人の技、といった靴自体の品質が価格に反映される面が強いのではないでしょうか。
とはいえ、ブランド広告にもお金が使われている訳で、多少割高なのは否定できませんが、、、、。
今回は、私なりにTricker'sというブランドについて、M7824を紹介しつつ、考えてみたいと思います。
素材について
M7824のアッパーは「Scotch Grain(スコッチグレイン)」レザーです。
ゴツゴツとしっかり型押しされており、厚くて硬く、丈夫さを体現した上質な革を使っています。
革の品質について考える時、ドレッシーさを追求した肌理の細かいカーフは当然上質とされます。それは誰もが認める上質さで、超高級靴で使われていますね。
しかし、トリッカーズを手にする時、丈夫で長く使い続けられるよう手間暇をかけて作られた革も上質だと思うのです。長く使える為には加工前の原皮からしっかりしていないとダメでしょう。また、ケミカルでごまかしても長く使える革にはならないのではないかと。
それがトリッカーズにおける素材の上質さなのだと思うのです。
かかる意味での上質な素材は、アッパーだけでなく他のパーツや縫い糸等からも感じられるのです。
ライニングやインソックの革も滑らかで足に心地良く、十分に上質だと思います。
因みに、画像を見るとシュータンにはライニングが無いので、アッパーの肉厚さが伝わるでしょうか??
加えて、ライニングの革も厚めだと思います。
作りについて
Tricker'sの靴には手作りならではの魅力が感じられます。
細部まで細やかに綺麗に仕上げる方向では無く、長持ちするよう丈夫に作り上げる感じを受けるのです。
上の画像で挙げれば、分厚いストームウェルトは荒々しい仕上がりのままです。
アッパーの厚い革の裁断面もそのままで、縫い合わせた箇所の段差には迫力が有りますね。
しかし、厚い革をしっかり縫い込んであり、型崩れなど無縁とも言えそうなガッチリとした作りです。
私もそうですが、JHON LOBB(パリ)も好きだが、Tricker'sも好きという人は案外いるようです。
外見的には、繊細でドレッシーなJHON LOBBと無骨なTricker'sは正反対な靴に見えるでしょう。
しかし、どちらも素材から完成まで、手仕事を大事にした靴作りをしているという点で、靴好きの心に響くのだと思います。靴作りの姿勢、内面性ですね。
だから、ドレッシーさを求める時にはJHON LOBB、カジュアルさを求める時にはTricker'sを選ぶ事に躊躇しないのでは。
それに、JHON LOBBに比べてTricker'sならガンガン履けますし!
JHON LOBBはドレスシューズの高級品、Tricker'sはカントリーシューズの高級品、でしょうか。
まとめ
個人的にTricker'sは、できるだけ自然の良質な素材を使い、昔ながらの手作りで丈夫な靴を作るブランドという印象を持っています。
だからこそ、長く履ける靴、安心して履き続けられる靴、育てられる靴、として購入しています。
ただし、不満が全く無いわけではありません。
それはラストです。
ラスト表記をして欲しいの事もありますが、正直なところ、Tricker'sのラストは私の足に合っているとは言い難いです。そう言いながら4足ほど履いていますが、いづれもどこかしらに課題があります。
個人的には足指の窮屈さを緩和して、アーチのフィットを上げ、トップラインを若干低くし、踵のホールド感をタイトにしてほしいなぁ。
ラスト4444の設計思想を土台に、もう少しスタイリッシュにする感じでしょうか。
そんな希望を言いつつも、これからも変わらずにTricker'sの靴作りを頑なに続けて欲しいとも思ってしまうのです。
ではでは。